北海道美術ネット別館

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■色なき風 佐藤あゆみ・久山春美 (3月29日まで)

2009年03月28日 01時20分23秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 道教大岩見沢校の大学院に通う女性ふたりの展覧会。
 曲線を生かした心和む作品が多く、見ているとホッとします。

 佐藤さんは札幌出身。同大で、4年生まで木工研究室で学び、院に進学後は、金属に転じました。
 久山さんは網走管内美幌町出身。北見の高校を卒業しましたが、当時ちょうど、道内の大学で日本画を学べるところがなかったことから、金沢美術工芸大に進学しました。その後、道教大に日本画の先生が着任したことから、道教大大学院で学んでいます(ただし、形式上、所属研究室は油彩画となっています)。


       

 会場の中央にある、立方体に近い物体が二つあるのは「凍り雲」と題されたいす。
 天板は陶で作られています。側面は金属です。
 かなり重量があり、すわっていても安定感があります。
 屋外での使用を想定しているようです。

 一方、「空」は3本の金属の脚の上に、雲を思わせる木のかたまりが載っかり、その上に小鳥が止まっているというかわいらしい作品です。

 久山さんの方は、おおむね右側の壁の絵が金沢時代の作で、左側に展示してあるやや抽象的傾向の絵が北海道に戻ってきてからの作です。

           

 野原いっぱいに咲く黄色の花と木製の階段を描いた「温」。
 見ていると、なぜだか懐かしい気持ちでいっぱいになります。

      


 金沢美術工芸大の卒業制作「歓喜」。
 白いカーテンのある窓越しに見えるのは、ピンクに染まった空から降る雪、針葉樹、色とりどりのレンガの塀…。
 この空の色は、都市部の冬の夜に見られるものです。オレンジの街灯やネオンサインを雲が反射しているのでしょう。
 「好きな色をおいた」という塀の色は、ポップというより、心安らぐ配色です。

 また、冒頭画像左奥の「記憶」は、小さいころ家族で見に行った各地の湖や、流氷など「心の中の記憶」を描いたとのこと。
 この色を描きたかったという深い緑が、氷の塊を浮かべて、ほんとうに冷たそうです。
 網走管内とその近辺は湖が多いですからねー。美幌からだと、車で1時間ほどで、網走湖、能取湖、屈斜路湖、摩周湖、藻琴湖などに行けます。
 なかば抽象画のような作品でも、作者の生まれ育った土地の風土を反映しているのですね。


 佐藤さんは4月7-12日、コンチネンタルギャラリーで、同級の齋藤由貴さんと2人展「つながる空気」を開きます。


2009年3月20日(金)-29日(日)10:00-18:00(初日14:00-、最終日-16:00)、火曜休み
品品法邑(東区本町1の2)
http://houmura.com/
□ブログ http://blog.goo.ne.jp/houmura2005



・地下鉄東豊線「環状通東」駅から徒歩9分
(駐車場は、北13条北郷通から見て裏側にあります)
(「茶廊法邑」からは徒歩2分)

・中央バス「東62 本町線」の「本町2条1丁目」から徒歩6分


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