米グーグルは2014年11月4日(米国時間)、コンテナベースの仮想化技術「Docker」を使用したクラウドサービスである「Google Container Engine」や、グーグルのクラウドに専用線やキャリアの閉域網などを介して接続する「Google Cloud Interconnect」などを発表した。Google Container EngineはOSSのコンテナ管理ツールである「Kubernetes」を使用している。

 グーグルはDockerを使うメリットとして、オンプレミスや他のクラウドサービスで稼働させているシステムをDockerのコンテナ単位で移行できることや、コンテナ自身がログ記録の機能やモニタリング機能などを備えているため、各ノードにシステム管理ツールのエージェントなどを導入する必要が無いことなどを挙げている。またGoogle Container EngineはKubernetesで構築されているため、Kubernetesで構築したプライベートクラウドや他社のパブリッククラウドとの間でのアプリケーションや運用管理スキルの移行が容易であるとも主張している。

 グーグルのクラウドに専用線やキャリアの閉域網などを介して接続するGoogle Cloud Interconnectは、「Amazon Web Services」で言うところの「AWS Direct Connect」に相当する機能である。グーグルは世界33カ国の70カ所以上に、グーグルのネットワークに直接接続できるPOP(ネットワーク接続設備、Point of Presense)を用意している。ユーザー企業は専用線などでグーグルのPOPに接続すれば、インターネットを経由せずにグーグルのクラウドを利用できるようになる。この手法をグーグルは「ダイレクトピアリング」と呼んでいる。ユーザー企業が通信事業者の閉域網サービスを使用してグーグルのクラウドに直接接続する「キャリアインターコネクト」というサービスも提供する。