図●ONOSのロゴ
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 米国の非営利団体(NPO)でNTTコミュニケーションズや米AT&Tなどの支援を受けているOpen Networking Lab(ON.Lab)は2014年11月4日(米国時間)、通信事業者が使用するネットワークスイッチ用のネットワークOSである「ONOS(Open Network Operating System)」を同年12月5日にOSS(オープンソースソフトウエア)として公開することを明らかにした()。開発にはスタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校に加えて、NECや富士通、米インテル、中国華為技術(ファーウェイ)などが参加している。

 ONOSは、米シスコシステムズの「IOS」や「NX-OS」などに相当する、ネットワークスイッチのハードウエアを操作するためのネットワークOSである。最近は台湾ベンダーなどがネットワークOSを搭載しない「ホワイトボックス・スイッチ」を販売している。ONOSはホワイトボックス・スイッチにインストールして利用するものになる。ON.LabはONOSについて「キャリアグレードのネットワークOSを目指す」と説明し「クラウドサービス事業者や一般企業での使用に耐えるものにする」としている。

 ONOSを開発するON.Labは、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)の規格である「OpenFlow」の開発を主導してきたスタンフォード大学のNick McKeown教授の研究グループや、カリフォルニア大学バークレー校のScott Shenker教授の研究グループなどが参加して設立した組織である。スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校などは2012年4月、NECなどの企業と共同でネットワークに関する研究開発機関「Open Network Research Center(ONRC)」を設立している。ONOSの開発は、これらの動きに連なるものとなる。