タローヤー解体 運命重ねた? 入り口の竹 生閉じる開花


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
タローヤーの解体工事現場で開花するリュウキュウチクの花=名護市

 【名護】県内初のセメント瓦家、通称「タローヤー(太郎家)」(名護市東江)の解体工事が始まる中、門の入り口付近に生えている竹、リュウキュウチクが花開いた。

 竹は開花したら一斉に枯れてしまう。まるで瓦家と運命を共にするかの様子に市民たちは「不思議なこともあるものですね」と珍しそうに眺めている。

 太郎さんの孫・宮城守也さん(57)の母・繁子さん(85)は「私たち家族は復帰の年(1972年)に那覇から移って来た。その時には池のそばですでに小さい竹が生えていた。野菜の支柱によく使っていた」という。高さ2メートル余になっている。

 リュウキュウチクは通称ヤンバルダキと呼ばれ広く親しまれている。かつて北部では屋根葺(ぶ)きの材料にしていた。

 花は稲の花にそっくり。開花の周期は不明のようだが、50年、60年周期説などある。

 日本竹笹の会は沖縄県の竹に指定。「おもろそうし」第19巻に「たけ」で出ている。イネ科。
(幸地光男通信員)