東住吉女児焼死で再審無罪の母親、ホンダに賠償提訴

 大阪市東住吉区で平成7年、小学6年の女児=当時(11)=が焼死した火災で、再審無罪が確定した母親の青木恵子さん(53)が30日、ガレージに止めた車からのガソリン漏れが火災の原因だったとして、メーカーのホンダ(東京)に約5200万円の損害賠償を求める訴訟を、大阪地裁に起こした。

 訴状などによると、車は火災の2年ほど前に購入したホンダのバン。青木さん側は、給油口からのガソリン漏出を防止する対策が不十分だったと主張している。

 青木さんの弁護団によると、ホンダは昨年10月、賠償の意思を尋ねる弁護団の質問に「設計や製造に起因する不具合はない」と回答した。青木さんは記者会見し「リコールをしてもらいたいという思いから、訴訟を起こした」と話した。

 ホンダ広報部は「訴状を受け取っていないためコメントは差し控える」としている。

 昨年8月の大阪地裁の再審無罪判決では、車の給油口からガソリンが漏れ、風呂釜の種火に引火した自然発火の可能性が指摘された。

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