ダルビッシュの養育費 | 弁護士吉成安友のブログ

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荒川区西日暮里に事務所を構える弁護士。
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 先日、ダルビッシュ選手と紗栄子さんの離婚が成立したとの報道がありました。

 子供の養育費は、200万円弱であるとか。

 これが、高いのか安いのかは色々と意見のあるところだと思います。

 ところで、養育費は、一般にどのように計算するのか。

 これは、養育費の年額として、以下のような式になります。

養育費=子の生活費×払う側の基礎年収÷(払う側の基礎年収+受け取る側の基礎年収)

 要は、子の生活費を、それぞれの年収に応じて分担するという感じです。

 例えば、子の生活費が100万円だとして、夫婦の基礎年収が全く同じであれば、子供の生活費を50万円ずつ負担することになり、養育費は年額50万円になります。

 ここで、基礎年収というのは、税込年収に一定の数字をかけたものです。

 サラリーマンの場合 

基礎年収=税込年収×0.34~0.42

 自営業者の場合 

基礎年収=税込み年収×0.47~0.52

 これは、税金を引いた年収よりも少なくなりますが、税金分だけでなく、スーツ代のような働く上で必要になってくる経費なども差し引くという発想によります。

 次に、子の生活費をどのように計算するかですが、子にも払う側と同程度の生活をという養育費の理念から、払う側の基礎年収を親と子で分ける形になります。

 この場合、大人にかかる生活費を100として、子供にかかる生活費は14才までは55、15才からは90とされます。

 例えば、14才以下の子が1人いる場合

子の生活費=基礎年収×55÷(100+55)

 わかりやすく言えば、払う側の基礎年収を、100対55で分ける形になるわけです。

 切りの良い所で言えば、基礎年収が155万円の場合、子の生活費は55万円ということになります。

 では、14歳以下の子供が2人の場合

子の生活費=基礎年収×(55+55)÷(100+55+55)

 この場合は、100対55対55で分ける形になるわけです。

 基礎年収が155万円の場合、二人で約81万円です。

 切りの良い所で言えば、基礎年収が210万円場合、子供の生活費はそれぞれ55万円ということろです。

 15才以上の子が一人なら

子の生活費=基礎年収×90÷(100+90)

 そして、話は元に戻りますが、これで出した生活費を、最初に上げた式に当てはめ、夫婦それぞれの基礎収入に応じて分担するわけです。

 まとめると、払う側と同等の生活ができるように、払う側の収入をベースに子の生活費を算出し、これを払う側と受け取る側の収入の割合で分け、その額が養育費になるわけです。


 さて、これをダルビッシュ選手の場合で計算すると、報道では、レンジャーズでの収入は6年で総額46億円と言われているので、1年あたりは約7億6000万円

 そうすると、基礎年収は、一応サラリーマンとして、年収が高いので低い数字をかけて

7億6000万円×0.34=約2億5000万円

 お子さんは、14歳未満の子が2人ということなので、子の生活費は

2億5000万円×(55+55)÷(100+55+55)=約1億3000万円

 そうすると、計算式通りだと、紗栄子さんが、ダルビッシュ選手と同じ年収だった場合でも、年額6500万円、毎月541万円。

 さすがに、紗栄子さんがそこまで年収があるということはないでしょうから、計算式上はもっと高くなりそうです。

 他にも、CM等の収入も結構ありそうですし・・・

 そうすると、200万弱というのは安い???

 しかし、ここまで引っ張っておいてなんですが、このような高収入の方の場合は、こうした一般的な場合の計算式通りというのは妥当でないということも言われていますし、私もそう思います。

 今回の話は、時事的な話題で、養育費の計算のイメージを持ってもらえればと思い、書きました。
 


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