質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第六三号

内閣参質一六九第六三号
  平成二十年三月十四日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員島田智哉子君提出ポリオの予防接種に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員島田智哉子君提出ポリオの予防接種に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 御指摘の報道の事例について北海道庁に確認したところ、北海道に居住している生後六月の男児が平成十九年十一月十六日に生ポリオワクチンを接種され、その後、同年十二月三日に発熱、同月六日に副反応と思われる両側下肢の麻痺症状を来し、現在も治療を受けているとのことである。こうした副反応は、生ポリオワクチン接種後に極めてまれに生じるものであり、その発生を回避するためには、不活化ポリオワクチンの使用が効果的であると考えられる。厚生労働省としては、不活化ポリオワクチンについては、現在、製薬企業において、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく製造販売の承認申請(以下「承認申請」という。)を行うための治験を行っていると承知しており、製薬企業に対して重ねて早期の承認申請をお願いしているところであるが、当該ワクチンの承認申請があった場合には、迅速に審査を行うなど適切に対応する方針である。

二について

 我が国においては、昭和五十五年を最後に自然感染(野生株由来のポリオ感染をいう。以下同じ。)によるポリオ患者は発生していない。また、予防接種後副反応については、その症例報告が開始されたのが平成六年十月からであり、同月から現時点までに報告された件数は、百八十二件であるが、御指摘の「軽微なもの」という分類での報告は行われておらず、その件数についてお答えすることは困難である。
 予防接種健康被害認定審査会において生ポリオワクチン接種後に麻痺を発症したと認定された事例は、平成元年度以降八十件であり、また、同審査会において生ポリオワクチンを接種された者からの二次感染と認定された事例は、平成十六年度以降五件である。

四について

 我が国においては、二についてで述べたとおり、自然感染によるポリオ患者は昭和五十五年を最後に発生していないが、海外では現在でも発生しており、ワクチン接種を停止した場合、当該発生国から来た者等からの感染の危険性もあるため、専門家の意見も踏まえ、不活化ワクチンを使用できない現状においては、生ポリオワクチンの接種を継続する必要があると判断したものである。