政府は12日、東京電力福島第一原発事故の賠償を資金面で支える「原子力損害賠償支援機構」を設立した。一橋大前学長の杉山武彦氏が理事長に就き、月内にも業務を始める。政府が70億円、電力業界12社が70億円の資本金を払い込み、計140億円で発足した。
機構は、福島第一原発事故の被害者に賠償金を支払う東電に対し、資金繰りを支える組織。電力業界が払う負担金や政府の発行する交付国債を原資に、東電に資金を提供する。負担金の金額や、業務を担う運営委員などは今後決める。
機構は資金援助の際、東電の経営改善策や事業運営の方針を定めた「特別事業計画」を同社とともにつくる必要がある。政府は「東電に関する経営・財務調査委員会」を設け、同社のリストラ策などを検討している。委員会が今月末にまとめる報告書が、特別事業計画の柱となる見込みだ。(中川透)