川崎市多摩区~東京都府中市に行きました。府中では「ひとりと一匹たち」の収録中にたまたま発見され、おぃちゃんに飼われることになったタロウがいます。収録されたのは08年11月、タロウが生後2ヵ月の時でしたから、今現在タロウは3歳と1ヶ月です。相棒はタロウより3ヶ月ほど先に保護されていたペケ(♀)。以来、タロウとペケ、そして隣のおぃちゃんが飼っているハコ(♀)トラ(♂)は
おぃちゃん達も含めて本当に穏やかな生活を送っていました。タロウのおぃちゃんは「後、5年くらいは2匹の猫と頑張って暮らし、体が動かなくなったら市街地の知人宅に猫を預けるんだ。」と言うのが口癖でした。
先月9日、そばでサクラの相棒シロの面倒を見ている Yさんからの電話で「タロウのおぃちゃんの小屋が昨日、今日で壊されている。」との事でした。おぃちゃんは訳あって急遽施設に入所したのです。なので国交省から依頼を受けた業者が小屋の解体をしていたという訳なのです。
あれから、ちょうど1ヶ月。この夏は熱中症から衰弱し、他の感染症に害された数多くの猫。ノミやダニの繁殖によって食べることもできない子猫、口内炎の猫等々の治療や給餌、物資の配給などで慌しくてなかなか今日まで足を運ぶ事ができなかったのです。
以前、タロウやおぃちゃんが静かに暮らしていた小屋の周辺ははびこった夏草も相まって風景は一変していました。まるで、そこに
は猫と人との暮らしがあったとは思えない光景でした。施設に関しても真っ当なところもある反面、貧困ビジネスと称される悪質な施設もあります。後者は本人名義のお金の殆どをもぎ取られ、微々たる小遣いのみを渡され、生かさず殺さずのタコ部屋生活を強いられます。そんな訳ですから、多摩川に暮らすおぃちゃん達は皆その辺を警戒して、軽はずみに悪質な裏社会のワナにかからないよう気をつけているのです。
ところが、タロウのおぃちゃん(Iさん)はあえて悪質なタコ部屋業者だと知っていて入所したのです。これには1~2年後にアパート生活ができるという見込みと、自身の身の上の事情があったからこそのようでした。置き去りになったタロウとペケはシロの面倒を見ている Yさんが午前と夕方にお世話されています。とここまでは多摩川ではよくある話なのですが、心配な事もあります。
タロウやペケは優しいかったIさんや周辺の人のお蔭で「超」が付くくらいに穏やかな猫でした。私がそこに足を運べば必ず姿を見せ、誰でも触れるある種の見本のような猫でもありました。しかし、元来争いごとを嫌うタロウは他の猫とのケンカにより前肢 ?に大きな傷を負っているようでした。その事と、先月からの環境の変化からか、人に強い警戒心を持つようになったそうです。実際に今日タロウの姿を見たのはすっかり日が沈んだ後で、しかも屋根の上から降りてこようともしませんでした。ペケに至っては姿は見れませんでした。Yさんは足を治療してやろうにもタロウが警戒するので困っていました。闇の中で微かに見える屋根の上のタロウは大きなモーションでびっこを引いています。傷は深いようです。悪いことは考えたくないものですが、一瞬、私は「タロウを見るのは今日が最後かも知れない。」と今までの経験から感じ、無意識のうちに屋根の上のタロウに向けてシャッターを切っていました。可能性は確率の問題でもありますから、直感が外れていることを願っています。
つかにゃん Mail 2011.09.11(日) 23:37 修正
台風でおいちゃんやタマ猫、タマ犬に被害が無くて良かったです。
タロウ…どうか無事でいてください。
タロウのおいちゃんも、悪質な業者に関わっていては…と心配ですが、いつか自分で思う生活が出来ます様に…。
残暑厳しい毎日ですが、小西さんも美智子さんもお体大事にしてください。