東京電力など電力会社8社と日本原子力発電、日本原子力研究開発機構、日本原燃は30日、東日本大震災を踏まえて活断層を評価しなおしても、原子力施設の耐震安全性に影響はないとの見解を公表した。今回の震災で東電が活断層ではないとしてきた断層が動いたため、経済産業省原子力安全・保安院が検討を求めていた。
震災の影響で、東北地方を中心に地下にかかる力が変わり、従来とは逆の東西に引っ張る力が働くようになった。4月11日にはこの影響とみられるマグニチュード(M)7の地震が福島県で起きている。
このため、東電は、福島第一、第二原発周辺の五つの断層が動く可能性を否定できないとして新たに評価。動いたとしても想定を超える地震の揺れは起きないと結論づけた。原発の西数キロを通る双葉断層南部については従来同様、地震を起こさないとした。
日本原電も東海第二原発(茨城県)について同様の評価を公表。東北電力も東通原発(青森県)や女川原発(宮城県)について、地殻変動はあるものの過去の調査から断層の活動は否定できるとした。
北海道電力や関西電力などの遠くの原発は、東日本大震災による影響は小さいとしている。九州電力は同様の結果をすでに報告済み。(佐々木英輔)