金本位制を復活させた方が良いのか? | pink's blog - 学校じゃ教えてくれない経済学

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経済や政治について時事ネタを交えながら考え、今後の展開を考えるブログです。

最近、「金本位制に戻すべきだ」という説がある。

理由は、大別すると、以下のようです。

1. 今の通貨には何の裏付けもなく印刷機でするだけだから
2. 紙幣と異なり金は勝手に作れないから、中央銀行から通貨を国民の手に取り戻せる

ところが、

実際には、金は偽造できます
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そして、一般市民は、その偽造を見破る術を持ちません。
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だから、金本位制にしたところで、紙幣と同じように勝手に金を作られます。
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ゆえに、金本位制にしたところで何の意味もありません。

以上、終わり。

本来、これ以上の説明はいらないのですが、よくある質問コーナー行きます。

■よくある質問1
Q. 鑑定業者に鑑定してもらえばいいのではないでしょうか?
A. 惜しいです。ダメです。実際には、以下のようになります。

あなたは銀行に紙幣を持ち込み金を受け取りました
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あなたは鑑定業者に行きました。
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鑑定業者は「これは本物ですね」と言われました。
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ところが実際には鑑定業者さんは銀行と結託していました。
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あなたは偽物を掴まされました。

■よくある質問2
Q. 悪徳業者は何時でもいる。信用第一の銀行がそんなことするでしょうか?
A. 惜しいです。逆です。世の中、銀行ほど、悪どい稼業はありません。確かに信用第一です。『詐欺師の信用』という言葉をご存知でしょうか?詐欺師は騙します。しかし騙された方は信用しています。つまり、信用を得ている事と真実とは直結しないのです。信用を得ていることは信用に値することとは別なのです。

この世は三権分立。司法、立法、行政、それらが独立し、云々。現実には癒着してます。最近、みんな気付いたこと。テレビと電力会社も癒着してたんですね。鑑定業者を許認可制にして癒着先にしか認可を降ろさないとか出来るわけです。

ちなみに、とある、ツイッター情報によると、「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ ―リバータリアン政治宣言―(著ロン・ポール)」という書籍の中で、金本位制に戻すべきであるとのことが語られているとか、いないとか?実際に中身は読んでないので分かりませんが、もし本当に著者が金本位制度を提唱しているとしたら、ほぼ間違いなく、国際金融資本のエージェントか、あるいは経済音痴です。語られていないと思いたいものです。

今、(たとえそれが偽物だとしても)金の最大保有国は米国です。です。ここで金本位制度を世界中で導入したら、金を裏付けとして新通貨への切り替えを行うタイミングで、米国が最大のイニシアチブ国としての復権を果たすことができます。



同時に、国際金融が偽造金を製造して日本など世界各国に販売して儲けることでしょう。もちろん、あなたも、私も、日本政府や金融機関などが購入する金はまず見ることはありません。そして、仮に見たところで、外観からそれを本物か偽物か判断することは不可能です。

というわけで、金本位制度に戻すなんてことはありえません。

ただし現実問題として、現状の世界金融システムを金本位制度に戻すのは難易度の高い変更ですので、「金本位制度に戻すという最悪の事態」が起きる可能性は低いと安心して大丈夫かと思います。

とはいえ、にわかに、「金本位制度の方がいい復活させよう」的な動きが見えますので、そうならないよう、ここに布石を打つとともに、みなさんと共に歩むものです。


さて、最後になりましたが、偽造が起きないための唯一の条件があります。

偽造が起きない条件とは「偽造品を作るコストの方が、偽造品の販売価格より高い場合」です。当たり前ですね。製造コストが販売価格より高ければ製造しない方がマシですから。そして、この条件が満たされた場合、いちいち取り締まりなどをしなくても、ほっといても偽造は起きません。

身の回りで例えると、グッチやヴィトンなどのブランド品に偽物があり、そうでないものに偽物がないのは、こういうコスト原理に基づいています。

つまり裏を返すと、金の価格が上がれば上がるほど、こうした偽造の効果は高まるわけですが、そういえば最近、金価格が(以下、略)