野田佳彦首相は5日の衆院震災復興特別委員会で、東京電力福島第一原発の事故について「政府も事業者も科学者も、安全神話にどっぷりと浸りすぎてきたことが今回の事故につながっている」と述べた。事故に対する政府の調査・検証委員会や国会の調査委員会の議論をふまえ、原発の安全性の検証を徹底したうえで、今後のエネルギー政策を検討する考えを強調した。
自民党の額賀福志郎氏の質問に答えた。政権交代後に衆院選なく首相が2度交代したことを額賀氏が批判すると、首相は「私は(民主党政権の首相として)3人目になり、崖っぷちだと強く認識している」と答弁。ただ、額賀氏が早期解散を求めると、首相は「私の内閣の最大、最優先の課題は震災からの復旧復興と原発事故の一日も早い収束だ。その道筋をつけないといけないときに政治空白をつくるべきでない」と否定した。
臨時国会は先月30日に閉会したが、野党が野田政権の基本姿勢をめぐる議論が不十分だと批判。与党は5日に衆院、6日に参院で、首相出席の震災復興特別委員会を開くことに応じた。