ウォール街の占拠は3週目に入り、米国百カ所以上で「・・を占拠せよ!」のスローガンの下、金融資本主義への抵抗が続いている.欧州でもチュニジアの革命以降急速に市民の意識が高まってきた.

Noro153+EN2011-10-03


数ヶ月前からギリシャやスペインでの大規模デモが毎日のように報道されるようになってから、欧州中の市民が「世界はおかしい・・」と考えるようになった.そしてその「変だ」を突き詰めて行くと現行の金融システムや資本主義に突き当たる.欧州各地の(多分日本でも報道される)大規模デモは突発的な出来事ではなく、ウォール街占拠とも共通する金融システムの破綻を意味し、益々この意識が高まっている.

世界を見てみるとこの数ヶ月だけでも、市民の抵抗は各地で見られる(再度書くが、それぞれ突発的な出来事ではなく現在進行形であること、主旨は共通している):
英国各地での抗議運動や暴動

-
(書ききれないほど、世界各地での政治や経済、金融システムに反対する市民運動や紛争は勃発している)
その他に、香港で30万人が集まり「フィリピンからのお手伝いさんを入れることに反対」するデモが行なわれたという.これも地元市民たちの経済的危機感から、外から人を入れることに反対しているのではないか・・と想像する.

その他に熱帯雨林や自然環境を破壊している企業に対する反対運動は、さらに広がっている.


さて、欧州の首都であるブリュッセルでは、10月8日から15日にかけて「アゴラ、市民政治集会」という大規模な集会とデモが予定されている.すでにスペインやポルトガル、フランス、ギリシャ、イタリアなどからは、夏頃から「ブリュッセルへ、反資本主義、真の民主主義への行進」と称し、徒歩行進が始まっている.ドイツは7日にアーヘンに集合、オランダを経由し、ブリュッセルに13日頃に到着する.何しろ、個人主義が徹底している欧州なので、一体どれだけの国々の人々がブリュッセルを目指しているのか把握するのは難しいが、10月15日が欧州や世界の大変革の重要な日になることは間違いない.
スローガンは:「不正が法律になるなら、抵抗することが市民としての義務である」「我々は世界の99%だ」「人間の尊厳への行進」・・

上記世界各地の反政府デモや紛争は、その土地だけに孤立した抗議ではないと私は思っている.リーマンショック以降、世界中を支配しているウォール街の金融システムのトップにいる支配者たちのウソや陰謀などが徐々に暴かれたこと.そして益々広がる(個人や国家の)貧富の差やそれに起因する暴動、企業による自然環境の破壊などの情報があっという間に全世界へ伝わる.ウィキリークスの政府間や政府-大企業間の極秘文書が公開されたことは、世界の市民運動の確かなバックアップになったことも事実だ.このためにウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジは罠にはめられたり、多分命も狙われているが、世界の平和民主運動に貢献したことで、現在ノーベル平和賞候補になっている.数ヶ月前の見たら「まだ何百万もの公開していない極秘文書を持っている.これは安全のために様々な場所に分散して保管してあるが、自分が殺されたら直ちに一斉全公開をすることになっている.それで一番恥をかくのが米国で、世界の歴史を書き換えることになるだろう.」・・・

この欧州や世界の市民運動は、金融危機が引き金になり今までの「世界経済」そのものへの反省、または反発の集大成と言っても良いのではないか、と思う.

・金融ゲームの罠にはまり自宅をだまし取られた人々
・企業の悪質な自然破壊で死亡や健康を害された人々
グローバル化の名の下に生業を廃業させられた個人商店や零細企業
・利益追求の環境汚染、
・奴隷同様に扱われる人々からの搾取
・利益追求のために悪化している動物虐待、絶滅に追いやられる野生生物
・各国政府の緊縮財政での弱者排除政策
・メディアの情報操作で真実が報道されないこと
・メディアの情報操作で大量消費が推進されること
モンサントを軸に(GM汚染等の)汚染されている食料
原発事故や原発放射能垂れ流し
・巨大石油会社の自然破壊・海水汚染・・・
・様々な理由の「やらせ」内紛、防衛戦争、テロ
・人の幸せや福祉、尊厳までも無視する利益優先の経済システム、など等

ブリュッセルアゴラ、国際市民政治集会は次の日曜日から始まる.そしてその一週間の間に世界各国から人々の「行進」が到着する.私はそのブリュッセルにいるので、時代の節目を直接目にすることをとてもラッキーだと思う.

http://www.youtube.com/watch?v=jyziG5bUuBE&feature=related
http://euweekly.eu/2011/09/10/the-world-revolution-is-for-next-month/