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2011年10月3日15時2分
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原発の津波評価、東電が先送り計画 震災前の文書で判明

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 東京電力が東日本大震災前に福島第一原発で想定を上回る津波を試算していた問題で、東電が原発の津波評価の見直しを2012年10月に先送りする計画だったことが分かった。朝日新聞の情報公開請求で経済産業省原子力安全・保安院が3日開示した東電の文書で明らかになった。

 開示された資料は、東電が震災4日前の3月7日、保安院の担当室長らに説明していた「福島第一・第二原子力発電所の津波評価について」でA4判1ページとA3判2ページ。政府の地震調査研究推進本部の見解や土木学会での審議を踏まえた3通りの試算を提示。いずれも従来想定の5.7メートルを大幅に上回り、うち2つは10メートルを超えていた。この報告を受けて、保安院の担当室長は早急に報告書を提出し、設備面の対策を取るよう求めていた。

 文書は一方で、過去に起きた大津波(貞観津波)を考慮してより具体的な評価をするには「更なる知見の拡充が必要で、あと2〜3年程度要する」との専門家の見解を提示。福島県内では高さ4メートルまでしか津波の痕跡が見つからないことを踏まえた計算を、今年10月に学会発表する方針を示していた。そのうえで土木学会が津波評価技術の報告書(指針)を改訂予定の12年10月に合わせて津波想定を再評価するとしていた。

 対策について資料で「土木学会の審議状況、貞観津波を視野に入れて社内検討を実施する(現在検討中)」とし、防波堤や護岸の強化、ポンプの水密化などを挙げていたが、実施時期は示していなかった。(西川迅)

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