情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

100mSvでも安全としたのは朝日新聞東京本社報道局~これでも「安全デマ」していない?

2011-10-01 14:39:39 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 さて、回答です。【放射線の影響は、1時間当たりの放射線量と浴び続けた時間をかけた値で考える。普通は、この値が年間100ミリシーベルトを超えなければ、体に影響は出ないとされている。20ミリシーベルトはかなり余裕を持った数字だ。】とまるでY氏のような記述をした書籍を堂々と販売しているのは、朝日新聞東京本社報道局でした…。この書籍(冒頭の写真)は、朝日新聞の朝刊に掲載されている「ニュースがわからん!」というコラムなどをまとめたもので、帯には「大人も子供も、よくわかる!」と銘打っている。


 もう一度、本文を引用します。




 信じられますか?私も目を疑いました。奥付を確認したら、初版発行日は2011年9月15日…。なぜ、この時期にこのような「安全デマ」を朝日が…、と思って、元記事の掲載日を確認したところ、2011年4月24日となっている。この日付は、原子力安全委員会が4月11日に次のような偽りの説明をしてまもなくだ。



http://www.nsc.go.jp/info/20110411_2.pdf

 ちょっと分かりにくいですかね。

 右肩の※部分を拡大してみましょう。



 つまり、この時点で、原子力安全委員会は、明確に、「100mSv/年以下では健康への影響はない」と言いきっていた。

 朝日はこの記事の影響を受けたわけだ。

 もちろん、この原子力安全委員会の記述は完全な誤りであり、後ほど(5月20日)、次のように、不十分ながらも100mSv以下の被ばく線量についても健康被害がある可能性を認めている。

【100mSv以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかに示すことはできない、とされております。このように、100mSv以下の被ばく線量による確率的影響の存在は見込まれるものの不確かさがあります。そこでICRPは、100mSv以下の被ばく線量域を含め、線量とその影響の発生率に比例関係があるというモデルに基づいて放射線防護を行うことを推奨しております。】

http://www.nsc.go.jp/info/20110520.html

 不十分というのは、本来、ここには、ICRP2007年勧告の

 「(62)がんの場合、約100mSv以下の線量において不確実性が存在するにしても、疫学的研究及び実験的研究が放射線リスクの証拠を提供している」

を引用すべきところだからだ。 


 いずれにせよ、朝日は、従来の原子力安全委員会の「安全デマ」に乗せられた記事を書いている。委員会は修正したにもかかわらず…。

 というか、本来、朝日のするべき仕事は、4月11日の時点で原子力安全委員会が発した「安全デマ」を厳しく批判することだった。それにもかかわらず、朝日が、それを丸呑みしたのはなぜか?

 ICRP勧告の原典にあたった記者がゼロだったのか?

 いくつも疑問がわいてきますね。ぜひ、朝日新聞東京本社編集局に聞いてみましょう。そして、ぜひ、どのような回答がなされたか、教えてください。

 ヤメ蚊のメディアリテラシー講座でした。では、また!


 






●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●

「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)

「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)

アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf



◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆

 → ニコ生 http://live.nicovideo.jp/ 

   岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr



◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。

 郵便局の振替口座
 口座番号は、00100-5-362362
 口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)


 なお、銀行からの場合、
 ゆうちょ銀行
 〇一九店
 当座預金
 0362362
 にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。



◆以下参考◆


原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。

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【日弁連の東日本大震災・原発事故災害復興支援活動】
→ http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/higashinihon_daishinsai.html





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Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8



 ●今回の原発事故から、原子力村の実態、大手マスメディア経営陣がそれに取り込まれている実態が明らかとなりました。この実態を打破するための仕組みを紹介した拙著を紹介させていただきます。もし、このブログをお読みの方でまだ、これらの本に目を通されていない方は、最寄りの図書館にリクエストしてお読みください。外国でどのような対策が実行されているかがお分かりいただけると思います。今後、3・11の再来を防ぐための具体的な方法のいくつかだと確信しています。








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
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