放射性物質の除染について国が、放射線量が年間5ミリシーベルト(毎時0.99マイクロシーベルト)未満の場所は原則として財政支援しない方針を示したことに対し、福島県の13市でつくる市長会は29日、「すべて国が負担するべきだ」とする抗議文を政府に提出した。
市長会長の瀬戸孝則・福島市長が政府の吉田泉・現地対策本部長と面談。「われわれの塗炭の苦しみを理解していない。放射性物質があるのは生活の場。費用の問題ではない」と批判した。吉田本部長は「5ミリ未満は一つの考え方。要望は国に伝えたい」と答えた。
抗議文では、県民の多くが放射線への不安を抱え、子どもや家族を守るために自主的に除染しており、国の方針は到底納得できないと訴えている。
国の方針では、年間20ミリシーベルト以上は国が除染を実施する。国は28日、福島県内の市町村への説明会で、5ミリシーベルト未満の場所は財政支援の対象としない方針を示していた。5ミリシーベルト以上の地域は同県の面積の13%にあたる。