藤村修官房長官は22日の記者会見で、来年夏に向けて原発の再稼働を進めるとした政府方針について、来年2月をめどに前倒しする可能性に言及した。
藤村氏はこの日、首相官邸を訪れた森詳介・関西経済連合会会長(関西電力会長)から「もし原発が動かなかった場合、今年の冬の電力も厳しい。できるだけ速やかに再稼働をやって欲しい」と要請された。関西電力のすべての原発が来年2月までに定期検査に入る見通しとなっているためだ。管内は発電量の54%を原発に頼っていて、電力各社の中で依存度が最も高い。
藤村氏はその後の記者会見で「数字を示して非常に説得力のある話だった」と指摘。冬の電力は足りると判断していた政府見通しについて「認識を少し改めないといけない部分がある」と述べ、野田佳彦首相と協議し、再検討する考えを明らかにした。
原発の再稼働をめぐっては、野田首相が20日の米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで「今年の夏は乗り越え、今年の冬も(電力需給は)大丈夫だろう。来年の春以降、夏に向けて再稼働できるものは、きちっとやっていかないといけない」と語り、藤村氏も追認していた。