福島県は23日、収穫前に行う一般米の放射性物質の予備検査で、二本松市の旧小浜町地区で採取したコメから1キロあたり500ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。予備検査の基準の同200ベクレルを初めて超えた。
これにより、二本松市は、収穫後に行う本検査の重点調査区域となり、調査地点を38から約300に増やして本検査を行う。本検査で同500ベクレルを超えると、出荷停止になる。
県によると、基準を超えたのは9月12日に採取したひとめぼれの玄米。この水田の土壌の放射性セシウムは同3千ベクレルで、県は、土がコメに混入した可能性もあるとして再検査したが、ほぼ同じ値が出たという。周辺の水田から採取した玄米を調べた結果、最大で同212ベクレルだった。県の菅野和彦・水田畑作課長は「高い濃度が検出された理由は分からない」としている。
一般米の検査は、収穫前に汚染の傾向を調べるための予備検査と、収穫後に出荷の可否を判断するための本検査の2段階で行う。福島県の場合、今回のように予備検査で基準を超えると、おおむね15ヘクタールごとに2カ所の割合に調査地点を増やす。本検査で同500ベクレルを超えた場合、旧市町村単位で出荷ができなくなる。
福島県では8月下旬から早場米の検査が行われ、すべてで国の基準値を下回っている。9月初旬からは一般米の検査が始まり、作付けした48市町村のうち、予備検査と本検査を終えて問題がなかった13市町村で出荷が可能となっている。これまでの検査で最も高い値は福島市の旧小国村の同136ベクレルだった。(木村俊介)