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2011年8月16日3時0分
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安愚楽牧場、存続させず清算の方針

 「和牛オーナー制度」を運営する安愚楽(あぐら)牧場(本社・栃木県)の経営が行き詰まった問題で、民事再生法の適用を東京地裁に申請している同社は、最終的に会社を存続させずに清算する方針であることがわかった。同社が申し立てた負債額は4330億円で、約7万3千人のオーナーには出資額の10分の1以下しか返せない見込みとしている。民間の信用調査会社東京商工リサーチによると、負債額は「今年の倒産で最大」という。

 今月9日に東京地裁に提出された申請書によると、同社は、会社を清算する方針にもかかわらず、破産手続きではなく再生を目指す手続きを選んだのは「管理する和牛14万6千頭の存命を優先する必要があるから」と説明。牛の飼育を約380の牧場で当面続けるには、えさを取引先から購入したり、従業員を雇い続けたりする必要があることを挙げ、「様々な混乱を回避するため」としている。

 申請書で同社は、オーナーら債権者への弁済については、同社や子会社が運営する牧場や食品加工事業、ホテル事業といった資産を売却した代金を充てる、と説明している。

 同社の負債額は今年3月末時点の決算では619億円だった。申請時に4330億円となったのは、オーナーから牛を買い戻す予定の代金4207億円を含めたため。申請書によると、同社は7月末時点で3850億円の債務超過に陥っているという。(茂木克信)

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