これは、既に観た人もまだの人も改めて必見だと思うのですが、
NHKスペシャル「原爆投下 活(い)かされなかった極秘情報」(8月6日放送分)の録画。


字幕が少し切れていますが、ほぼ問題ないと思います。米国人元軍人のところは「友人にも誰にも話さないように言われていた」など、だいたい想像の範囲の発言内容です。

原爆投下の爆撃機がテアニン島を離れ広島や長崎に向かっていたことを軍や国が知りながら、住民には通常の空襲警報も流さなかったために、救われたはずの命までなくした。たまたま地下に居て生き残った人や、軍の情報参謀に居た人たちの証言。

福島でも同じようなことが進行中だと実感した人も多いはず。命を救うことが最優先であれば公開して当然の情報が馬鹿馬鹿しい理由で隠蔽され続ける。

自分の無知さに呆れてしまったのが、空襲警報が流される仕組みをこれまで理解していなかったこと。ドラマなどで、よく空襲直前に警報が流されるのを見て、機影を発見してからだと漠然と思い込んでいました。

東京大空襲以前から、米軍の爆撃機の離陸状態までコールサインで傍受して分析する程度の技術を日本軍は持っていたわけですね。

日本も原子爆弾を作ろうとしていたこと、断念して何故だか「米国でも不可能」と勝手に決定していたことはわかりましたが、最後まで原爆投下の際、通常の空襲警報さえ出さなかった理由は明らかにはされませんでした。

その威力がどんなものであったかを、米国による人体実験で観察していたとしか解釈できません。[2010年8月6日のNスペ「封印された原爆報告書」で、"原爆投下直後から行った調査データを、敗戦後すぐにアメリカに渡したのは、731部隊を隠蔽する目的の取引だったという証言"されています。(サマリー付き動画掲載ブログ「ざまあみやがれい!」参照)実質、人体実験のデータ交換!?]

番組では気象探知用の航空機が先に上空にきたことは出ていましたが、快晴の広島で、原爆投下の20~30分後に市の北部から北西部にかけて黒い雨が降ったことは出てきません。これが大変な意味を持つわけで、気象予報が福島原発事故の後の近隣住民には一刻を争う情報だったのですが。

忸怩たる思いが残りますが、これを観て改めて思ったのは、国や組織のトップに有能で献身的な人間が就くのは理想だけれど、凡人がその座に就いてしまう確率が高いのは一般人同様である、ということ。それを誰もが認識しておいた方がいい、ということです。

反戦後、60年たった2005年ごろからやっと、全国放送のゴールデンタイムでそれまでオープンにされていなかった戦前・戦中の真実が徐々に出てきました。なぜ60年かかったのか。賠償問題や被害者救済コストなど色々あるでしょうが、きっちり60年たった頃からだったことが今でも疑問です。

なお、この動画も含め、最新情報のリンクをツイッターで真っ先に下さることが多い、伊藤雄介(@y_itoh)さんの原発・放射能関連情報サイト、Blue Water Worldはブクマお勧めです。

更に詳しくはこちら。レビュアーの方の意見も必見。
原爆投下は予告されていた 国民を見殺しにした帝国陸海軍の「犯罪」