2011年7月8日0時32分
国が実施を表明した原発の新たな安全性評価(ストレステスト)が、7日の福井県議会で議論の対象となった。西川一誠知事は、福島第一原発の事故を踏まえた高経年化(老朽化)対策など、従来の要請に国から回答がない限り、テストの結果によらず停止中の原発の再稼働は認められないと、改めて強調した。
この日の予算特別委員会で最初に質問に立った鈴木宏紀県議(自民党県政会)は、「再稼働の判断にあたり、県の要請とテストの内容は切り分けて考えるべきだ」と指摘した。西川知事は「我々はひとつひとつの原発をチェックすべきだと言っている訳だから、それをしっかりやってもらいたい」と述べた。
「ストレステストは国民の安心感を増すもので一定の評価をする」として見解を尋ねた山本正雄県議(民主・みらい)に、西川知事は「内容がまったく分からず、国から説明もない」と述べた。そのうえで「事故の発生から4カ月経っても県の要請に応えない状況を反省し、明瞭な対応をしてほしい」と国に注文した。
委員会終了後に報道陣の取材に応じた西川知事は、「唐突に技術的な対応をとっても、立地地域は根本的な安心感を得られない」と不満を表明した。「我々が求めているのは福島の事故を踏まえた対策。それをしないと日本の原発の問題に答えたことにならない」と述べ、テストの結果によらず、県の要請に対する国の回答をもって原発の再稼働を判断する意向を示した。(笹川翔平、足立耕作)