情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

癌のリスクを周辺住民に周知しないのはなぜですか?~枝野官房長官への再質問状

2011-08-09 06:02:02 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 枝野官房長官が7月7日になっても、「年間20mSvを超えても健康に与える影響を過度にご心配される必要はないと考えています。」という答弁を国会で行ったことに驚いて送付した公開質問状(※1)に対する回答(※2)が届いたことは、すでにご紹介しましたが、先週末、再質問状を送付しましたので、ご紹介します。冒頭の画像は、ICRPが1Svの被ばくにおける癌死リスクの予測値。倍部被ばくなども勘案すると、ICRPの予測でさえ、多くの被害者が出ることが容易に予測される。だからこそ、少しでも内部被ばく、外部被ばくを防ぐための処置が必要だということが政府には理解できないのだろうか…。そして、個々の選択の前提として、自分や家族が抱えるリスクの正確な情報が必要だということが…。、


        ◆◆◆公開質問状その2◆◆◆
 
            2011年8月5日

東京都千代田区永田町1-6-1 
内閣官房長官枝野幸男殿

東京都千代田区永田町2-1-1 
参議院議員会館711号室
参議院議員秋野公造殿

                      弁護士・NPJ編集長 日隅一雄  

冠省 枝野官房長官におかれましては、お忙しい中、7月7日に開催された参議院予算委員会における放射線の影響に関する答弁に対する公開質問状にご回答いただき、ありがとうございます。枝野官房長官が原子力安全委員会の見解の一部を引用して回答されたものであることは理解しました。

 枝野官房長官が回答において詳細は原子力安全委員会に照会するようにとの示唆を受けて、8月1日、政府・東京電力統合対策室の共同会見において、同委員会に確認したところ、同委員会としては、「低線量放射線の確率的影響については、閾値なしの直線モデル、線量とリスクの直線関係があるとして放射線防護を行うのが適切であると考えている。その旨は安全委員会のホームページ(枝野官房長官が回答で引用されたもの)に掲載したとおりである。安全委員会としては、放射線防護を行ううえでは100mSv以下でもリスクがあると考え方で臨まなければならないと考えている。ICRPの勧告の中では、アメリカ科学アカデミーのBEIRレポートも閾値なしの直線仮説が適切であるという判断の根拠となっていることは認識している」(加藤重治審議官・原子力安全委員会事務局)とのことでした。
 そこで、端的に伺います。

 枝野官房長官の国会での答弁からは、20mSv以下の被ばく量の場合、危険性が明確でないため、癌などの発生リスクを無視して政策を行ってよいというお考えのようにも解釈できますが、そのように解釈してよいのでしょうか。そうだとすれば、原子力安全委員会の見解に真っ向から反することになります。それとも、20mSv以下でも癌死などのリスクが確率的には比例的に生じること(20mSvの被ばくであれば0.1%の確率、10mSvの被ばくであれば0.05%の確率、5mSvであれば0.025%の確率で癌死が生じる。福島県の人口を200万人とした場合、県民が5mSv被ばくすれば、500人が癌死する可能性があること)を前提として政策を行われているのでしょうか。そうであれば、内部被ばくも含めた場合のリスク評価を周辺住民に数値としてきちんと情報公開することを行わないのはなぜでしょうか。周辺住民に自分たちの癌死のリスクを知らせないのは、犯罪的な行為だとさえ思えてなりません。

 なお、本質問状については、国会で枝野官房長官に質問をされた秋野公造議員にも同送いたします。命を大切にすることを標榜する公明党所属の議員として、原子力安全委員会の見解を踏まえても、枝野官房長官の説明は十分で、住民に必要な情報を提供していると言えるのか、政府に対して周辺住民に健康被害のリスクに関する情報を提供するよう求めるおつもりはないのか、をお答えいただきたい。

 加藤審議官の回答は、下記URLの動画で確認することが可能です。2時間6分25秒ころの動画をご確認ください。
         記 
http://live.nicovideo.jp/watch/lv58503549?ref=top


 最後になりましたが、枝野官房長官から、「なお書き」において、事実誤認があるとのご指摘を受けました。しかし、事実誤認はありません。当職は、年間20mSvが1年間継続した場合に癌死が生じる割合を問題にしているわけです。交通事故の場合は事故から近い時期になくなる方が多い。これに対し、低放射線の場合、影響が出るには時間がかかる。しかし、問題は死という結果が出るまでの時間の長短ではなく、死亡という結果に繋がる確率を問題にするべきであることは明白だからです。事実誤認があるという指摘自体、「直ちに被害が出なければ構わない」という認識が透けて見えるような感じさえします。

 前回も述べましたが、命にかかわる問題ですので、可及的速やかなご回答をお願いいたします。
 前回同様、本書面は、当職が運営しているブログ「情報流通促進計画」にて、公開させていただくととともに、ご回答の状況についても掲載させていただきます。
                        不一



      ◆◆◆再質問状は以上のとおりです◆◆◆




●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●

「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)

「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)

アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf






◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆

 → ニコ生 http://live.nicovideo.jp/ 

   岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr





◆以下参考◆


原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。

   ↓

 


【日弁連会長声明】
「東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故に関する会長声明」 http://ow.ly/4n21n

●今後想定されるあらゆる事態、並びに、各地の放射能汚染の実情と被曝による長期的なリスクに関する情報、被曝防護に関する情報を正確かつ迅速に国民に提供し、適切な範囲の住民を速やかに避難させるよう求めるとともに、原発の新増設停止、既存原発についても電力需給を勘案しつつ危険性の高いものからの段階的停止を提言



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JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.

Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8



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