環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会生ごみ等の3R・処理に関する検討会

第3回 生ごみ等の3R・処理等に関する検討会 議事録


(平成17年11月18日開催)

午後1時32分開会

【土井廃棄物対策課課長補佐】 定刻になりましたので、これより生ごみ等の3R・処理に関する検討会第3回を開催させていただきます。
 委員の皆様の出席状況報告をさせていただきます。本日は14名の委員さんにご出席いただいております。大塚委員、酒井委員、崎田委員、古市委員様におかれましてはご欠席ということで、あと庄司委員、瀬川委員は代理の飯高様、三浦様にご出席いただいております。また、名古屋市から浅井委員にお越しいただいておりますが、前回お話しさせていただきましたとおり、人事異動で部署がお移りになられました。後任の小島様にも引き継ぎを兼ねて来ていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日後ほどご紹介いたしますが、ヒアリングということで説明者の方お三方に来ていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に資料の確認をさせていただきます。1枚目が今回の会議次第、2枚目が座席表、3枚目、資料1、ヒアリング内容一覧表でございます。次に資料2でございます。次に4団体さんからの説明の資料ということで、一番上が「生ごみ等の3R・処理について」、日本環境保全協会。次が「しげんさいせいネット」、全国清掃事業連合会。次、「大栄環境グループにおけるバイオマス廃棄物リサイクル事業の概要」、これが全国産業廃棄物連合会。最後に、一枚紙の裏表で、日本フードサービス協会様から「外食産業のリサイクル構想」という内容でございます。資料にもし不ぞろいございましたら後ほど事務局の方までよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【石川座長】 こんにちは。どうも、毎週毎週会議で大変だと思いますが、お集まりいただきましてありがとうございます。
早速、議事に入りたいと思いますが、今週も先週に引き続きヒアリングです。時間の関係をご説明しておきますと、全体で2時間半とってありまして4事例予定しております。1事例10分程度でご説明をお願いいたします。質疑応答10分程度とりまして4事例以外に環境省さんの方で別途ヒアリングをしている例をご説明いただきますので。それでも時間はある程度余ると思いますので、それは前回同様、フリーディスカッションということにさせていただきたいと思います。
それでは早速、最初に日本環境保全協会さんよりご紹介いただきました加藤商事の岩崎さんからご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【近江委員】 日本環境保全協会の近江でございます。私どもは一般廃棄物処理業者の全国団体として、今日まで廃棄物の適正処理を推進し循環型社会の構築を図り、国民が安全で健康に、かつ快適に生活を営むため、そして安全で清潔な生活環境を将来の世代に継承するため、汚物掃除法の制定以来、約100年にわたりまして廃棄物関係法令にのっとり市町村ともども懸命に努力し、我が国において誇るべき歴史的実績・社会要請にこたえ得る技術を着実に培ってまいりました。
 このような立場から私どもは、今後の生ごみ等の3R・処理についても、環境保全上支障のない安全な処分・適正処理を確保することが最も重要であると考えております。
 生ごみは腐敗しやすく異臭の伴うものを初め、多くの種類の物が混合されて排出されております。厳密に分別排出することが困難な性状の廃棄物であります。特に、一般家庭から排出される生ごみは、世帯世帯で家族構成や生活習慣等の違いにより質・量ともに千差万別のものが出てくるわけでございます。また、大多数の事業所・小売店等から排出される生ごみも決して一定の質・形状ではないのであります。それが現実の姿であります。
 このような実態を踏まえ、生活環境の保全のため、生ごみは一般廃棄物として市町村の処理責任のもとに置かれ、実態に即した処理やリサイクルが行われております。公衆衛生を確保する見地から、生ごみ等の3R処理については市町村が行う事業として位置づけることが重要であり、必須のものと考えております。また、生ごみを飼料・肥料としてリサイクルするのであれば、リサイクル施設とリサイクル物、製品の安全性や商品価値が十分に確保された上で行われなければならないと考えております。このようなことが十分に確保されて初めてリサイクル物、製品が安心して利用できる商品として市場に流通することが可能になります。
 しかしながら、一般にリサイクル物が商品として流通し、循環していくには品質や価格を初めとして解決すべき多くの課題があるわけでございます。循環の流れが構築されなければ、せっかくリサイクルしたものは停滞し、形状を変えた高コストの廃棄物となるおそれがあります。また、リサイクルを行う場合は、これまで一体的に衛生的処理されている生ごみの一部をリサイクルルートに乗せるため、ルートに乗せられない生ごみの処理に混乱を招くことも考えられます。これを防ぐためには、リサイクルを進める場合においても市町村の生ごみ排出の実情に精通し、実績と技術を兼ね備えた企業を活用することが安全の確保の上からも極めて有効であると考えております。
 また、このような多くの困難の中で、生ごみのリサイクルを行うのであれば、排出者側の徹底した分別や排出されるものの均一化を図らなければなりません。これは、大変な努力と十分なモラルが求められるところであります。この徹底には、国民が信頼をする市町村の役割こそがますます大きくなるものと考えております。
 生ごみの処理は、適正処理を円滑に行うことが絶対条件であり、不適正処理の発生を予防することが重要であります。
 公衆衛生を確保する見地から、生ごみ等の3R・処理については市町村の行う事業として位置づけることが重要であり必須のものであります。また、地域における排出特性を十分に考慮し、リサイクルもいたずらに広域化するのではなく、地域の実情・特性を尊重し、適正な処理体制を踏まえたリサイクルシステムを構築することが必要であると思います。
 生ごみはあくまでも廃棄物であります。その安全は、公衆衛生の確保と環境保全に密接な関係があります。国民の安全・安心な快適な生活に強く影響するために、リサイクルの推進といえども、この視点から軽視してはなりません。廃棄物適正処理の確保のためには、必要に応じ規制の強化は必要であります。廃棄物の適正処理の安全確保は大前提であると思います。合理的な処理を確保し、リサイクルの推進をしていくためには従来から廃棄物処理に携わった業者を活用することが最も有効であると思います。
 そのような関係でもって、私の場合、今日は東京三多摩地区でございます。三多摩地区といいますと人口が400万人に達しているわけでございますが、市町村の数は30市町村でございます。26市3町1村というようなことでもって構成されております。その中でも我々業界団体としましては、3Rに対して処理をやっているところがありますが、今回は、特別私どもつとに関係がございます加藤商事をご紹介いたしまして、今の実情をご説明させていただきたいと思います。岩崎工場長、よろしくお願いします。

【加藤商事・岩崎】 加藤商事、岩崎と申します。当社の方の会社概要から、また当社に設置してあります生ごみ乾燥機、生ごみリサイクルについてのご説明を申し上げたいと思います。
 まず会社概要といたしまして、昭和21年に埼玉県大宮市において先代の加藤社長が個人的に清掃業を自営という形になりました。それから業務を拡張していく中で、東村山市を含む三多摩地区が急激な人口及び企業関係者の増加と我が国の清掃法の制定から、市町村長の委託許可業務というものをとりまして、昭和35年4月1日に加藤商事株式会社として資本金500万をもって設立いたしました。
 現在、準工地区に当社の方が移転いたしまして、平成14年10月にISO14001を取得、平成15年には東京エコトライ協定を締結と。平成15年4月より、東村山市中間処理業の第1号として東村山市の方から認定を受けまして、処分業の方を始めました。
それで今現在、処分業の方で中間処理の方でやっている業務といたしましては、まず容器包装リサイクル、これが選別・圧縮・梱包・保管で業者に引き渡し、あと食品リサイクルの方につきましては生ごみ乾燥処理という形になります。あと、ほかの業務としまして、家電のリサイクルの方のAグループ指定業者という形で、あと建物総合管理業という形でいろんなビルメンテナンスから、また排水管清掃、そういったものを主に行っております。
 今回は、生ごみ処理という形で当社が取り組みをさせていただいています、生ごみ処理についてご説明させていただきます。
 当社の方のこの説明書の一番後ろには、一連のフロー図が載っているとは思うんですけども、このフロー図でご説明させていただきます。まず、うちは今、東村山市さん含めて近隣の市町からのコンビニエンスストアから、要は賞味期限切れのお弁当ですね、こちらの方をうちの方にまず回収してまいります。回収してきたものは、当然中身と容器が分かれていません。要は周りは廃プラスチック、中身が食品残さという形になりますので、まずそれを分別破袋機という形で分別させていただきます。分別されたものが最終的にベルトコンベアを通して供給槽に入ります。この供給槽に入ったものが最初に乾燥機に入るんですけども、この乾燥機の温度が大体140度、バーナー出口の温度は360度とかなり高温なんですけれども、機械の周りを何回も何回も循環させながら約140度まで減温したものを乾燥機本体に入れます。乾燥機本体の中に、そのまま熱風と製品を直接当てるという形になっております。最終的にはサイクロンという形になるのですけれども、これが遠心分離方式、要は中で渦を巻いていまして、排ガスですとか熱風を空気で上方に吸い上げると。ちょっと若干重い製品等を下に落として最終的にそこでふるいをかけます。できた製品は振動ふるい機、要は破袋分別機で分別している関係上、若干廃プラスチックなんかまざる可能性もあります。ですので、この振動ふるい機等で細かなものを全部除去いたしまして、最終的にフレコンパックに保管という形になります。
 先ほど申し上げましたけれども、140度という高温ですので、これをそのまま外気に放出してしまったら、今のような時期ですとかなりの白煙というか水蒸気が出ると思います。そこのところで一応その温度を下げなきゃいけないという形をとっておりますので、まずミノトール、一番下のところです。ミノトールというところで水の中にその熱風を入れます。それでそれを減温させて、熱風を30度ぐらいまで減温させたものを消臭チャンバーで消臭して、それからダクトを通って最終的にうちの工場の屋上にあるシリッコファンというんですけれども、希釈減臭法という形で大量の外気を吸い入れた中にまたこの熱風を入れます。そうすることによって、ほとんどきょうみたいな天気で外気も低いという状況でも、うちから出たものについては白煙はほとんど出ません。雨の日ですとか湿度が高いときには若干出るときもありますが、ほとんどこれで140度までに上げた熱風を処理することができます。
 私どもは、今コンビニエンスストアなどを大々的にやらせていただいています。ただ、ここで一番の問題が、やっぱりコンビニエンスストアから出てくるものもそうですし、また東村山市さんから入ってくる家庭系の生ごみですとか、またはレストラン系の生ごみ、ものによって全然性質が違います。今現状は、うちはお弁当類を一番多く扱っているんですけども、廃棄のお弁当の中の含水率というのは71%から72%が大体水分です。これをうちの乾燥機に入れておくことによって、約12%から13%までに水分を落とすことができます。ということは、水分をそれだけ飛ばせるということですね。ということは、95.ちょっとぐらいは飛ばすという計算になってくるかと思いますけれども、これが結局運転をしていく中でいろんなものの形状がありますので、その水分を見ながらですとか、油分を見ながら乾燥機の中の通過温度を変えていくというふうな技術的な面も出てきます。ですから、そういった面を考慮しますと、乾燥機1体を買ったから何でも入れて何でもすぐに処理ができるという部分ではなく、性質に合った、また均一した製品を出すには、それなりにかなりの手間がかかるということも現状としてあります。
 あとはできたもの。できたものは一応食品会社、イセ食品さんというところを経由して、今のところは売却しております。現状売却するに当たっても、そう数多くあるわけではなくなかなか。例えばうちの場合はえさでもできますし、堆肥にもできます。両方できるわけなんですけれども、特にえさの方はやっぱり品質検査ですとか、そういった部分でかなり厳しい条件も伴ってきます。ですので、例えばイセ食品さんで今、使っていただいていますけれども、例えばこれがだめだから、じゃあ、次はどこという形にはなかなかないのが現状です。ですので、やっぱり品質を管理するということが一番の重要なポイントではないかなと思います。
 あとは東村山市さんの第1号、先ほど申し上げましたように、第1号の許可をいただいているということですので、やっぱり地元に貢献するという意味では今、焼却処理されている例えば家庭系生ごみであったり、または学校給食の残さ物であったりですとか、そういったものも数多く今後取り入れてやっていきたいなと思います。
 先ほど、品質検査と言いましたけれども、当社の方ではとりあえずそういう専門機構にまず相手が望む検査品目を出していただき、その品目を検査機構に申し上げて、それで出していただいています。それは添付資料として出しているとは思いますけれども、またそれを参考にしていただければなと思います。
 つたない説明ではございましたが、これが一応加藤商事といたしましての今現在取り組んでいるリサイクルの概要であります。ありがとうございました。

【石川座長】 どうもありがとうございました。それでは、今ご説明いただきました日本環境保全協会さん、加藤商事さんのご発表について何かご疑問の点とかご質問、ご意見ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【浅井委員】 名古屋市ですけれども、一つ、資料に東村山家庭系生ごみリサイクルの予定があるということで、その場合もやはり売却に関してはえさと堆肥という形を考えられていらっしゃるんでしょうか。

【加藤商事・岩崎】 はい、そのとおりです。

【浅井委員】 もう一つよろしいですか。消臭チャンバーによる消臭ということ、フローで書かれているんですけれども、具体的な消臭方法というのはどういう形でやられているのか教えていただければと。

【加藤商事・岩崎】 消臭チャンバーの中には、一般にある消臭液を例えば何十倍希釈ですとかいろいろあると思いますけども、うちで扱っているものは商品が決して腐っているものですとか、または発酵したものを乾燥しているわけではないので、例えば乾燥機を通ってそれから振動ふるい機の手前の短いコンベアがあるんですけども、そこを通っているときのにおいも焼きおにぎりみたいな、そういったにおいです。ただ、やっぱり食品残さというものでにおいというのはどこでこう、私にとってはそういうにおいでも人によってはにおいと受ける場合もありますので、一応、無害というのですかね、ほとんどにおわないというような形のやつを極力薄めてかけてます。最終的には、ミノトールで減温したものの臭気をチャンバーの方に移しまして噴霧するという形です。噴射式の形で消臭しています。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ほかにどなたかございませんでしょうか。

【山田(久)委員】 東村山市の家庭系生ごみリサイクルモデル事業ということで、将来的に御社が生ごみのリサイクルをすべて委託を受けるということでございますか。

【加藤商事・岩崎】 現状、まず一番最初に当社とすれば学校給食の方からご提案申し上げていったんですけれども、まずはモデル地域を約500世帯、これを始めて徐々にふやしていくということですので、将来的には全区域、東村山全市をやらせていただく予定でおります。

【山田(久)委員】 市町村処理責任のもとでの委託事業ということですか。

【加藤商事・岩崎】 そのとおりです。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。では、川島先生。

【川島委員】 これ養豚業者とか、農家の方々にはどういう販路で売っていくんでしょうか。直接買いに来るんですか。

【加藤商事・岩崎】 うちの方はあくまでも水分を飛ばすだけの1次処理ですので、当然、この食品残さ物には油分、それから塩分が大量に含まれています。本来でしたら、もっと高温にして乾燥機の中を通過する温度を保てば油分は飛ぶんですけども、その分製品が焦げてしまいます。ですから、ぎりぎりのところで抑えてありますので乾燥、1次製品ということになります。ですので、例えばこれはえさの方に行けば当然、加工工場に行って成分分析を出しているものに関して足りないものを補足してもらって、それから例えば給餌すると。例えば堆肥工場であっても、当然またそれに発酵菌を加えて何回も何回も切り返しをしながらやるということですので、あくまでもうちでできたものは直接的なものにはなりません。あくまでも1次乾燥製品という形になります。

【石川座長】 どうもありがとうございます。いかがでしょうか、ほかにございますでしょうか。

【山田(正)委員】 品質管理が重要というお話でしたけども、その含水率以外に入り側の方、コンビニとかレストランが多いとおっしゃってましたけれども、比較的食べ物は季節変動もあると思いますけども、そのあたりで何かこう品質管理として工夫されているようなことはございますでしょうか。それとも、もう入ってきたものをまず乾燥して、はかって、受け取ってもらうというスタイルなんでしょうか。

【加藤商事・岩崎】 これは、どんな機械でも万能じゃないなというのは、私もこのお仕事をやらせていただいて初めてわかったんですけども、うちの乾燥機に当たってもやっぱり不向きなものはあります。これははっきり言うと魚のあらとか、ああいうすごく油分の強いものに関しては、ほとんどほかのものとは一緒に入れられません。もしやるのであれば、単体処理として魚のあらだけをやって設定を大幅に変えるとか、一連の流れの業務の中ではできません。
あと、そのほかにも繊維質の多いもの、これはもう発酵の方でもそうだと思うんですね。繊維質というのは、発酵するにしてもやっぱり大分時間がかかります。うちの乾燥機にしても、やっぱり繊維質だけが残ってしまってなかなか製品にできないというところがありますので、まず例えば家庭系生ごみであったら、異物の混入とあとは腐敗ですよね。家庭系の生ごみを今後うちもやらせていただくに当たっては、毎日1軒1軒回るわけにいきませんので、それなりに例えば1週間分家庭で保管していただくとか、いろんな部分を東村山市さんとも協議させていただいています。保管させていただくには、腐りにくい素材でできている容器を、例えば補助金を設けて販売するですとか、そういったいろんな方法があると思うんですけども、コンビニエンスストアに関しましては、あくまでも容器に入っているものですので、これといって規定はございません。

【山田(正)委員】 ちょっとお伺いしたかったのは、成分分析表が資料としてご提示いただいてますけども、こういった成分みたいなものが季節とか、ちょっと入ってくる、ごみを入れてくる場所が変わったりすると、それなりに変わると思うんですけれども、ここは、もう入ってきたものでできたものということで、受け取る方にはこのデータを渡して受け取ってもらうというか、それとも何か少しいつも安定したこういう製品をつくるように入れるものをちょっと入れなかったり、入れたりと工夫されているのかどうかということなんですけど。

【加藤商事・岩崎】 この分析表は、あくまでも今うちが業務をやらせていただいているコンビニエンスストアですとか、またはファミレスですとか、そういった部分をとった部分です。ですから、これから大幅に例えば入ってくるものが変わるですとかということがあれば、当然、その分析をとった上で今、出しているところにお渡しをして、それを見ていただいて引き取り可能かどうか、これをやる必要があります。ですので、うちは今回、東村山市さんの家庭系ごみをやらせていただいた中ではテスト済みですので、引き取り先には問題ありませんが、今後もし大幅に変わってこの品質が変わってくるというようなことがあれば、当然、引き取り先の方とも相談してやっていく上で、うちも引き取り先がなくなってしまってはなかなか業としてまた行っていけない部分もありますので、その辺のところはまた慎重に行っていきたいなと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございます。
 私の方でちょっとお伺いしたいんですけれども、差し支えなければで結構なんですが、処理費というんでしょうか、それとあと売却というのが幾らぐらいなんだろうかという話と、それからえさならえさとして売っている相手先から見たときの加藤商事さんの製品に競合しているものというのは、どういうものがあるかおわかりになりますでしょうか。

【加藤商事・岩崎】 まず、うちの方の処理費というのですかね、まず入りとして見れば2種類あります。まず食品残さとして完全に分別されているものはうちは20円で受けております。うちでまたそこから、例えばコンビニエンスストアさんみたいに容器と中身を分けて、それで例えばそこで分けたものの廃プラの処理がうちで伴うですとか、そういうふうな部分になってくると35円をいただいてます。これが一応うちの一般的な処分業としてやらせていただいている料金です。
あと出したときの、この成分分析に関して補足、足りない部分というご質問だったんですけども、それは今現状、私の方でまだ把握はしていません。ただ、使っていただいているという中で……。

【石川座長】 ちょっと趣旨が違うので。売却の方で幾らぐらいで売れてますかという話と、それから買っている側から見たときに加藤商事さんから出ているものと競合する原料ってあると思うんですね。加藤さんのやつが高いと思えばこっち買えばいいという、そういうものはどういうものでしょうという話なんですが。

【加藤商事・岩崎】 今現在うちが売却しているのは、とりに来てもらってキロ当たり1円です。それで今現状、例えば輸入のトウモロコシとかになると、例えばキロ15円とかと私も聞いたんですけども、その中であくまでもうちのも1次原料、ほんの調整剤の一部に過ぎません。ですので、またこれからかなりいろんなものをまぜてえさにするという方向になっていくんですけども、まず現状は1円で購入をしていただいているという形になります。

【石川座長】 いかがでしょうか。一応、大体予定の時間にはなっております。お手元に質問表が先週と同じようにございますので、もし何か追加の質問を思いつかれましたら、そちらにメモいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、二つ目の事例をご説明いただきたいと思います。全国清掃事業連合会の方からご説明ということですが、これは株式会社橋本の加納さんのご説明でよろしいんでしょうか。お願いします。

【株式会社橋本・加納】 株式会社橋本の加納と申します。我々はきょうは中部の方からどういった取り組みをしているかということで説明をしたいと思います。
 このようなピンクの冊子がございますが、これがうちの冊子です。まず、しげんさいせいネットというネットワークシステムをつくりました。主にその会員となっているのが9ページにございますしげんさいせいネットの理事ということで、この11社、それから1名専務理事、1名事務局長と、ここから資源再生ネットワークというシステムでリサイクルに取り組みました。この中には養豚業者、それから排出業者、収集運搬業者と、こういった主にこの三つがあればネットワークとして組めるんじゃないかということで、まずこの11社からしげんさいせいネットを始めまして、現在45社中部地区でしげんさいせいネットに加入していただいております。
 1ページ目の方へ戻りまして、設立趣旨なんですが、我々がまず身近なところから地域の協同の取り組みからやろうということで、このしげんさいせいネットを設立してきました。その中で食料問題、エネルギー問題、環境問題とかいろいろあるんですけれど、まずは優先的にえさ化に取り組んでいくと。その後に、バイオガス化に取り組んでいこうということで始めていきました。
 その取り組みについては5ページを見ていただきますと、5ページにこういった趣旨でやりたいなということが書いてあります。食品メーカーから出た食品残さを畜産生産者へ持っていくと。畜産でつくっていただいて、それをまた食品メーカーに戻す、もしくは消費者に戻すと。食品メーカーから出てえさにならないようなものは堆肥化して耕種農家で堆肥にしてもらって製品をつくって消費者や食品メーカーに戻すと。そして、畜産生産者から出たし尿・汚泥のようなものはまた耕種農家に持っていって、耕種農家からまたつくったえさを畜産生産者へ持っていくと。こういった循環型システムを目指して取り組みが始まりました。
 次の6ページにモデルフロー図が書いてあります。まず、排出企業から一たん集荷センターに集めまして、それを液状飼料工場へ持っていきます。この液状飼料というのはリキッドフィーディングシステムといいまして、豚に乾燥したトウモロコシの紛体を今まで与えていたんですが、それをおかゆ状にしましておかゆを豚にやるというシステムです。ドイツから養豚家が輸入しまして年間4万頭の豚を飼っております。そこの約10%から20%を今リキッドフィーディングシステムで豚のえさとしてやっております。今は主たる事業はリキッドフィーディングで、次にバイオガスプラントについても今、検討中でございます。
 ページをめくっていただきまして、写真で見た方がわかりやすいですので写真の方で説明したいと思います。飼料化への取組み、液状飼料工場への搬入と書いたものです。我々資源再生ネットワークでは、食品廃棄物の一部分をバイプロ、バイプロダクトという名前で呼んでおります。バイプロダクトとは定義というのは別にございませんが、食品工場から出る副産物、及び未使用食品をバイプロと呼んで区別しております。次に欧州からリキッドフィーディングシステム、これは液餌システムと日本語で言うのでしょうか、簡単に液餌システムと書かせていただきましたが、それを輸入した養豚業者がその受け皿となっております。トウモロコシの粉のえさから液状の粉、これは小麦を製品にした主な液状のえさです。それに転換しますと、非常にいい豚ができて、実際に食べてみたんですけれど、かなりおいしいです。それと豚に液状でえさを与えるために豚の発育が、強い豚が先に食べて弱い豚が食べないということが起こらずに、液状ですので平均して豚が育っていくという利点があります。
 まず1番としましてバイプロの回収、焼きむらのできたパンとか、製品にならなかったパンというものを回収しております。パンのほかにも卵やうどん、そのほかにはめん類ですね。乾燥めん、食パン、フライめん、菓子パン、それからあめ、あとはおからも一部、でんぷんとか小麦粉のようなものも回収しております。豚のえさになるものであればほとんど回収はできます。たまたま写真はパンですが、そのパンを当社で農場へ持ち込みましてタンクに入れ込みます。3番が攪拌タンクで攪拌している風景です。これだけですと豚の栄養素が足りませんので、隣にビタミンを配合するタンクがございまして、ここのタンクにこの液肥を入れたものにビタミン等の微量元素を足していきます。例えば子豚、もしくは母豚によってえさが違いますので、そのえさ別に配合していきます。
 次ページめくっていただきまして、このシステムなんですが、すべて全自動でコンピュータ制御でやっております。したがって、ほとんど人間というものは、若干管理をするだけであとは成分分析されたものをコンピュータに入れ込んでやっているというシステムです。
 次に、隣にありますのが、そのビタミン等の保管タンクでございます。製品は7番で「液餌」と書いてありますが、こういったものができてきます。その隣に、8番としまして豚に与えている風景が出ております。
ただし、リキッドフィーディングシステムも万能なシステムではございませんので、問題点を挙げてみました。まず食品製造業、食品卸売業などの多量に均質成分のバイプロが発生するところに限定されますので、例えば小売店とか外食産業などのように少量分散型、不均質のもの、もしくは異物がまざるようなものには余り向きません。
次におからなんですが、これにつきましてもリノール酸というものが多く、たくさん使用しますと豚の肉に茶色い色がついてしまいますので、出荷前の豚にしか与えられないということで、おからなどは使用制限があります。
次に野菜くずのようなものなんですけれど、水分が多いもの、これはほとんど栄養分がないんです。したがって、養豚業者は余り必要としてないという現状でございます。
ちなみに、今このシステムでは食品製造業からしか主にできませんので、我々の会社としましては、地域の市と協力しまして、平成19年4月にバイオガスのプラントを一つ市と協調して建設する予定です。民間では初めてになるんじゃないかなと思っておりますが、これもドイツから直接輸入をしまして当社の方で入れたいということで今、市とNEDOの補助金をいただきまして、エネルギーの関係の委員会をやっております。
 以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ただいまご説明いただきました、リキッドフィーディングのシステムとバイオガスプラントをやられるそうですが、この件に関してご質問、ご意見ございましたら、はいどうぞ。じゃあ、山口さん。

【山口委員】 大変進んだ形になっていると思うんですけれど、リキッドフィーディングのシステムが日本にいろいろな形で入りつつあるんですけど、これ、ドイツのWEDAの設備だと思うんですけども、もう一つ、今関東なんかでもオランダのKAMPLANというところの方式が入ってきていると思うんですけど、これWEDAを選択されている何か理由があれば教えていただきたいということ。
それからバイプロの回収に関して、製造メーカーの大量に出る均一的な素材になるようなものしかできない、例えばパンとかそれからめんとか、多分牛乳とかということだと思うんですけど、液状の部分でのいわゆる集荷の状況と、それから先般の、前回の会議でもそういう流れの中で飼料化を目指すときにどうしてもパンが取り合いになってパンが有価になってきているという話があったと思うんですけど、今そのパンが価格的に言えばどの程度で回収がされているのか教えていただければお願いしたいと思います。
 以上です。

【株式会社橋本・加納】 WEDAのことをご存じということで非常にびっくりしたんですけれども、我々がWEDAに行きまして、やっぱりドイツではWEDAのシェアがかなりあるということで、ドイツでのシェア、オランダなんかにも輸出しておりますし、ここであれば研修制度もしっかりしておりまして、向こうで作業員が1カ月、2カ月、3カ月と研修のできるシステムもありますので、そういったこともありましてWEDAを選んでおります。
 それと液状の集荷のことなんですが、1立米のタンクがございまして、そのタンクに液状のものは入れて運んでおります。ただし腐敗のようなものがありますので、冷凍車にて今は運んでおります。
 それから、パンの取り扱いということで、実はリキッドフィーディングシステムはパンが非常に向いているということで当初始めたんですが、実はパンは余り向いてないということが最近わかってきまして。といいますのは、パンは水分をたくさん吸いますので、その水分を入れるとパンが膨らんで非常に扱いにくいものに変わっていってしまいます。したがって、パンよりも揚げめんとか、そういったものの方が非常に使いやすいということです。
 それから価格ですが、ちなみにパンの価格は食パンがキロ当たり13円です。それから菓子パンが12円ということです。ちなみに、一番料金がつくのは魚紛が40円、次に卵が30円ということで、これも逆有償ではなくて運賃込み、運んでもお金が企業に返るという状況になっております。

【石川座長】 ありがとうございます。いかがでしょうか、ほかにご質問ございましたらいただきたいと思いますが。
 私の方でよろしいですか。リキッドフィーディングはある程度の規模がないと多分養豚側が成立しないと思うんですね。インフラ投資をしなければいけませんから。それはどのぐらいの規模でやられているのかということと、あと現状で集荷側というんでしょうかね、橋本さんの方でどのくらいの規模で現状運転しているか、将来どういうふうにお考えかというのを教えていただけませんか。

【株式会社橋本・加納】 まず、リキッドフィーディングの規模なんですが、持ち込んでいる農場は年間4万頭出荷しております。岐阜県と全国でも3本とか4本の指に入るぐらいの規模になっております。
 次に、橋本で今運んでいる量ですが、月に210トン運んでおります。週3回運んでおりまして、14トントラック2車で運んでおります。ただ、リキッドフィーディングの場合はもっと欲しい、1日150トンぐらい欲しいのですので、全然まだ余裕があるということです。
 将来的な展望なんですが、実は腐敗の問題等がございまして、pHを4程度に蟻酸というものを入れまして抑えておるんですが、その蟻酸を使って実は当社の方で液餌をつくりたいなというふうに今、考えております。そうしますと、牛乳のようなものでも蟻酸で抑えますと数週間もちますし、それからまとめてタンクで運べるということと、あと製品価値が出ますので製品価値が出ればもっと高い値段で買っていただけるというふうに考えております。その辺の打ち合わせも今しておりまして、2年後ぐらいにはうちでリキッドをつくりたいなというふうに思っております。
 それと規模の話でもう一度戻るんですが、養豚家は小さな規模でもリキッドをやりたいんです。やりたいんですけど、今投資ができないということで、これも当社の方で小さな養豚家にある程度液餌ができてしまえばタンクだけで済みますので、そういった簡単、例えば養豚家の方にえさを納めるけど、そのかわりリキッドをつくるシステムというか、リキッドで豚にやる給餌システムだけは農家の方で入れてくださいねとか、給餌システムだけですとそんなに高くありませんので、そういう方式も少し考えております。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 将来、拡張していこうとしたときに、原料としてはどんなものをお考えですか。十分ありますか。

【株式会社橋本・加納】 新しい原料ということですか。例えば芋のようなものですけれど、例えばポテトチップスをつくっているメーカーさんから出る芋をやりたいんですが、芋はちょっと熱を通さないとリキッドにならないんです。したがって、そういったものを拡張して熱を通してリキッドにしていくということを考えています。

【石川座長】 どうもありがとうございました。もしなければ進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして大栄環境さんの吉村さんからご説明いただくのですか。はい、お願いいたします。

【大栄環境株式会社・吉村】 どうも初めまして、大栄環境の吉村といいます。では、私ども大栄環境グループ、資料ありますが、グループにおけるバイオマス廃棄物リサイクル事業の概要ということで10分程度ご説明したいと思います。
 まず、見開きですね。この資料でご説明させてもらいます。事例の1ということで、これはおおむね食品系の食品リサイクル法に基づく展開を目的としておりまして、グループの2社がございます。これは三重県にございまして、三重中央開発という会社がございます。その前にちょっと前後しますが、私どもの本来の業はいわゆる産業廃棄物の処理業、並びに一般廃棄物の処分業という形で、過去30年近く業を営んできております。
そうした中で、当然リサイクル社会という中で、そういったいろんなリサイクル事業を折り込んでやっているというのが現状でございまして、その中でピックアップしたものをきょうちょっと報告させていただくものです。
 先ほどの続きなんですが、いわゆる焼却炉、廃棄物の焼却炉の熱エネルギーを利用して有機性の汚泥あるいは食品系ですが、あるいは食品工場系、それの排水処理汚泥、それと食品系の残さ物、いわゆる賞味期限切れ等々、そういった廃棄物を私どもが料金をいただいて乾燥炉で乾燥させ、おおむね30%以下の含水量にしましたものを乾燥肥料という形にしております。ただ、そのままでは1次加工だけですので、乾燥工程ですので、こういうものを炭化施設を用いていわゆる炭化してやるということによって商品として多少のグレードと言うとちょっと意味が変わるかもしれませんけども、いわゆる寝かせておいても使えるというあたり、主に土壌改良剤とか、そういったたぐいのものとして品質は変わらないような形で製品化をしております。
 この乾燥施設につきましては、書いてありますように、日量90立米の能力、それといわゆるリサイクル法に基づく再生利用事業の登録を受けていると。それと他方、大阪府下で、これは大栄環境の本社事業所ということであるんですが、ちょっとお手持ちのパンフレットのこういう黄色いの入っていると思うんですけれども、それの見開きの1枚目、この真ん中に丸い絵の書いた私ども和泉のリサイクル環境公園というふうに名づけておりますが、ここは昭和55年から産業廃棄物の管理型の処分場として面積約2万坪、平米で言いますと6万6,000平米、容量で100万立米程度のところを主に建設系の廃棄物で63年で埋立完了しておりますが、この埋立跡地を利用しまして農業公園、それからこの白っぽく見えている四角い場所が、これはサッカー目的、主たる目的がサッカー場でございまして、こういった運動公園、あるいは花木公園というようなことで地域との融合といいますか、ここの所有は約50%が大栄環境、あとは借地でやらせていただいておるんですけれども、そういった跡地での展開の中にやはりそういった、先ほどできた炭化品等々は水はけ等のことも考えまして、特にラベンダーの育成については水はけ等が非常にこう難しい状況にありますので、いわゆる自社内消費もしながら対外的にも売却を進めていると。売却費につきましては非常に、先ほどありましたけれども1円、2円の世界で非常に苦労しているという部分がございます。
 ということで、1)の方はそういうことでございまして、次に2)の方です。これにつきましても三重の方での事業展開なんですが、ある有名な食品メーカーさんとタイアップしまして、そこから出てくるいわゆる製品残さ、あるいは出戻り残さといいますか、期限切れ、売れ残り等々いろいろ、そういったものをメインとしましてコンポスト・ジャパンという会社を肥料化工場という形で立ち上げ、それから下に循環がありますように、地域の農業生産法人と連携をとりまして、こういった一つの食物連鎖といいますか、循環スタイルの中で展開をしているというのが一つあります。タマネギ等々、そういったものを主としまして食物連鎖を行っているというのがございます。
 それと、次のページに行きますが、これは食品リサイクルとは直接関係ないんですが、バイオマスという形の中で木質系の廃棄物のリサイクル事業ということで、これも三重中央開発、現在、三重県の伊賀市に立地しているところなんですが、いわゆる木くずを用いてバイオマスガス化発電施設をことしの4月に立ち上げました。これは、その字のとおりで、バイオマスを用いた発電装置という形で、直接の焼却炉での発電に比べていわゆる排ガス等々、ガス化した燃料を燃焼させるということでばいじん等々の発生も少ないというようなことで、いろいろ技術的な部分でメリット・デメリットがあると思うんですが、そういった中での一つのトライアルということで、これは経産省、NEDOの補助対象事業としてスタートしております。
 それと、下の方へ行きますが、その工程につきましては中段から、チップ化された木材原料はどうのこうのという形で、その工程については書かれてあるとおりで、1,400キロワットの発電能力をもってやっているということでございます。
 それと、これからの計画になるんですけれども、これも木材チップということで、バイオマスエタノールということでバイオエタノール・ジャパン・関西(株)という会社に出資しまして、大阪エコエリア構想の中での一つのプロジェクトという形で現在着工が進んでおりまして、19年にスタート、稼動するというこれからの対応もございます。年間約3万トンから3,700kLということで、非常に効率としてはどうかなと思うんですけれども、とりあえずそのあたりの数字からのトライアル。それと、いわゆる炭化物につきましては、また新たな燃料の原料という形での展開もございます。
 次の最後のページになりますが、RPF、これは昨今の化石燃料の高騰もございまして、非常に私ども産廃業界といいますか、廃棄物処理業界の中では単に安定型あるいは管理型で埋め立てるんじゃなしに、そこからいいものを選別しましてRPFの原料、もちろんメインは廃プラスチック類ですが、やはり発熱量6,500ぐらいに調整しようと。いわゆる石炭代替ということを考えますと、木くずとかあるいは紙くず、いわゆる産業廃棄物としての木くず、紙くずなども3割から4割まぜることによって、ブレンドすることによってほぼ6,000から6,500kcal/㎏の固形燃料ができるという点から、これは日刊工業さんとか、あるいは業界紙など見てますと、次々全国的にこういった燃料工場ができているというのが現状でございます。主に製紙会社あるいは鉄鋼、そういったあたりで現在使われている。私どもの施設としては、3事業所で月間約2,000トンぐらいのRPFを製造をしているというのが現状です。
 それと、いわゆるここには原稿としては入っていないんですが、私どもの生ごみと言われるもの、スーパー等から出てくるそういったものと、それから私どもの産業廃棄物としてお取り引き願っているものとの非常に価格差というものはございます。先ほどちらっとありましたけども、入り口で産廃物として賞味期限切れあるいは汚泥等、キロ30円前後というのが相場でございまして、ただ小規模な商店とか、そういったところから自治体の方の事業系一般廃棄物の、それは自治体によって違いますが、大体7円前後ですか。高いところで12円ぐらいでしょうかね。そういった価格の開きがやはり3倍から5倍あると。そういったものは非常にそれだけを単独に事業としようとした場合、非常に難しい。私どもは最終処分業、あるいは中間処分業という、あるいは収集運搬業トータルな事業展開の中で、そういったものを非常にバランスよく展開している中で、やはりそういったものはむしろ持ち出しに近いような、その部分だけをとらえますと、あるというのが現状というのをつけ加えて報告させていただきました。ありがとうございました。

【石川座長】 どうもありがとうございました。いかがでしょうか、ご質問、コメントございましたらいただきたいと思いますが。
 じゃあ、私の方でちょっとお伺いしたいんですが、最後に一部大栄環境さんから見ると持ち出しのような感じになっているとおっしゃっていましたけれども、それはどういう意味なんですか。処理費を割り引いているという意味ですか。

【大栄環境株式会社・吉村】 ということは、要は食品リサイクルについて非常にロットが、例えば30円前後でその規模に応じた、ある程度事業展開の中でロットというものが必要だと思うんですけれども、そういう意味でやっぱり適量・適正な価格といいますか、求むる価格のものがなかなか集まらないと。それを足を引っ張っているというとちょっと言葉が、語弊ありますが、非常に自治体の価格は安い部分がありますので、年間100トンの一つのオーダーの中で、そういったものが、安いものは自治体の焼却炉で燃やされているのがかなりロットしてあるんじゃなかろうかなと。そういう課題というものが、何かこう浮き彫りにされてくるんじゃないかなと。
いわゆる発生量の絶対量というのはかなりの数字だと思うんですけども、非常にはかるのは難しいでしょうけども、そういった利用可能な物量、対象に対していわゆる経済性というものがどのようにこうリンクしていくのかなと、実態の中でですね。それはちょっと私疑問に思ったので、そういう持ち出しという表現はしたんですけども、持ち出しのあれは本来の処分業でかなり助けられるといいますか、それだけではできない、食品のリサイクルとか、それだけでは非常にそういった事業展開は難しいですよと、現状はということを申し上げたと。いいでしょうかね、それで。

【山田(久)委員】 産廃として出てくる処分品、廃棄物ですね。それについて今の話と、市町村の小規模から出ているいわゆる食品残さとか生ごみですね。これとは今、法律の中でも分けられておられて、御社は産廃をやっているわけなんですね。そこで、産廃の価格と市町村が受け取る価格差があることについて何の矛盾もないと思うんですけれども、その市町村の価格が安いから産廃の食料品、産廃の食料品残さでは100トン以上のものは市町村が受け取らないわけですから、今のお話ですと市町村は7、8円だと、産廃だと30円だと。しかし、それはマーケットが違いますから、そこでリンクしないんじゃないですか。

【大栄環境株式会社・吉村】 確かにそういう、今おっしゃられましたように年間発生の量100トンという一つの規模の中で線引きはされております。ただ、全体として今後の展開を考えていった場合、やっぱりそういう課題といいますか、問題点が残ってくる。単に焼却という形のいわゆるエネルギー回収と、バイオマスによるエネルギー回収の比較というものを、今後やっぱり考えていかなきゃいけないんじゃないかなという問題提起にとどめておきます。

【石川座長】 では、それと絡んでなんですが、もし御社が、仮想的になんですけれども、集めたものを焼却すると。適正に焼却するというのと、現在やられている事業と比べてコストはどのくらい違いますか。

【大栄環境株式会社・吉村】 やはり単に単純焼却、単純焼却でも当然発電はしておりますので発電効率は低いですけども、10%から20%のあたりだと思うんですけれども、もう一度すみません。

【石川座長】 今やられている事業で入っているものを単純に焼却するとしたときのコストと、現状のコストでどのくらい違いますか。

【大栄環境株式会社・吉村】 そうですね、やはりもうこれは自然の摂理で、当然単純焼却に比べてリサイクル、高度リサイクルしようとした場合、それだけコストがかかります。やはり3割はアップ、3割から5割アップしますね、コストとしまして。

【石川座長】 ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 生ごみを乾燥させるのに焼却の排熱を使うというのはみんな言っているアイデアなんですけれども、なかなかやっているところはないのでおもしろく聞かせていただいたんですけど。今の、そちらがお持ちの焼却炉のキャパシティー、処理量から考えて、今の乾燥の施設というのは目いっぱいのところなんですか。まだ排熱には余裕があるんでしょうか。

【大栄環境株式会社・吉村】 そうですね。廃棄物の焼却能力は日量130トン程度なんですが、これは燃焼ガスそのままでバイパスでロータリーキルンみたいなもので乾燥しますので運転上の問題、いわゆる燃焼といいますか、火がつくといいますか、そういった問題はあるんですけれども、キャパにつきましては、ほぼこれがいっぱいかなと思っております。COの問題とかいろいろ技術的には問題は過去にあって、それはそれなりにクリアしてきたんですけれども、約90立米、含水率が90前後でしょうかね、の有機性汚泥とか、そういったたぐいのものをやっております。

【石川座長】 どうもありがとうございます。ほかにご質問ございませんでしょうか。
 もし後で何かございましたら。じゃあ、どうぞ。

【粕谷廃棄物対策課長】 資料の1の2)の循環型ビジネスモデルというコンポストをつくって農業生産法人に回って食品メーカーと、これは最初にこの仕組みをつくるときに、だれが一番汗かいてこの仕組みをつくったのかというところを教えていただけませんでしょうか。 

【大栄環境株式会社・吉村】 これは、やはり地域のある有名な食品会社の方が、やはり廃棄物処分と、私ども焼却という形でそこから出てくるし損じ品とか、あるいは植物性残さとか、あるいは返品物、そういうものを処分しておったわけですが、そこの食品メーカーの方がやはり、例えば中元とか歳暮でそういったものをつくって、手塩にかけてつくった製品が全くそのままの形で、全部じゃないんですけども、仮に1割にしても5%にしても、やはり10トン、20トンと返ってくると、そのままをまた処分しなきゃいけないと。それこそ汗かいてつくった、管理しながらつくった製品がそのまま返ってくるということに憤りと言ったらちょっとオーバーですが、何とかこれを再生できないかというあたりが一つの大きな、それに私ども場所とその辺の施設というものを共同して提供して、あるいは肥料化についてプロジェクトみたいなのを組みまして。ですからやはり食品メーカーさんがそういうことに対する非常に思い込みというのがあったというのが、なおかつご苦労もいろいろ調査されて、そういう展開をされたというのはあります。いいでしょうか、それで。

【山田(正)委員】 このビジネスモデルは非常に厳しいと、こういうことですね。 

【大栄環境株式会社・吉村】 そうでございます。

【石井座長】 よろしいでしょうか。じゃあ、もしよろしければ、次に移りたいと思います。
四つ目の最後のヒアリングになるかと思いますが、日本フードサービス協会における取り組みについて、これは中井委員からご説明いただくと思いますが、よろしくお願いいたします。

【中井委員】 それでは、説明をさせていただきます。最初に私どもの協会のちょっとご紹介をさせていただきたいと思うんですが、昭和49年に農林水産省の認可を受けて設立をされました公益法人であります。現在会員数が、正会員の企業が462社、それから食品メーカー等を中心とした賛助会員が390社ということで、合計852社が加盟をしております。正会員がいわゆる外食産業、外食企業ということになるわけですけども、基本的にはそれぞれチェーンで展開しておりまして、会員の店舗・レストランは北海道から沖縄まで約5万店舗というふうな規模になっております。
 協会の組織の運営については、全部で15の委員会がありまして、例えば教育研修委員会とか広報調査委員会とか15の委員会があって、それに会員が参画をして運営するという形をとっております。
 そうした中で1991年、環境問題対策委員会という委員会をつくりまして、外食産業における環境の問題についての取り組みをこの委員会を中心に始めたということになります。この委員会は、何回かちょっと実は名前を変えておりまして、お手元にお配りしております資料では現エコロジー推進委員会となっておりますけれども、現在の名称は環境委員会という名前に変えております。
 91年に発足をしました環境問題対策委員会がいろんな勉強、セミナーを中心に活動してまいりまして、ここに書いてありますような93年、94年、95年というふうに自分たちの問題意識と勉強したことをこういう形でレポートとしてまとめております。そうした中で、95年になりまして外食産業の廃棄物再資源化に関するレポートというレポートを出しております。ちょうど今から10年前ということになりますけども、それは簡単に言いますと、下に図がありますように、私どもの会員の店舗から出た生ごみを分別収集をして処理プラントに運んで、それをコンポストにして、それを農地に還元することによって、またそこででき上がった食材を我々のレストランで食材として使うというふうに、生ごみを媒介にしたこういうリサイクルを完結していこうという、こういう図を排出事業者の立場から外食産業のリサイクル構想として発表をいたしました。
 ここに1番、2番というふうに、これのポイントを書いておりますけども、まずここで1番目に言っておりますことは、排出事業者責任ということをまず自覚をするということと、それから店舗から出ます廃棄物というのは生ごみだけではなくていろんな廃棄物がありますので、極力再資源化していこうということを目指しております。
 それから2点目のことは、ちょっと皆さん異質のようにお考えになるかもしれませんけども、廃棄物の処理という観点からではなくて、実は15の委員会の中に農業問題委員会という委員会がありまして、ここの勉強の中でこういう視点を持ったわけですけども、実は日本の農地というのは、高度経済成長の中で産業構造が1次産業から2次産業、また3次産業と移りかわっていく中で機械化をされたり、あるいは農薬や化学肥料を多投下するような、そういう農業のあり方に変わっていったわけですけれども、そうした中で土そのものが、本来の微生物がたくさんいて自然に循環が行われるような、そういう健康な土でなくなってきているということを痛切に私どもの方では感じておりまして、むしろ有機性廃棄物を農地に投入することによって少しでも糖尿病のような状態にある土を健康な土に戻したいと。健康な土から生まれた野菜は、やはり人間が健康であるのと同じように薬を必要としないということで体にもいいし、またおいしいというような考え方で、そういう意味で土づくりに貢献していきたいという発想の中で、この外食産業のリサイクル構想という構想を10年前に発表したわけです。
 具体的にどういう取り組みをしてきたかということで裏をあけていただきますと、平成14年、今から3年前にこういうプレスリリースを発表しております。「外食産業の生ごみリサイクル事業がスタート」ということで、茨城県の下妻市というところにあります農事組合法人「百姓倶楽部」と連携をしてコンポストプラントが完成をして、先ほどご説明しましたような外食産業から見たリサイクル構想を実現していくということの発表をしております。
 ここの真ん中のあたりに書いてある記事のように、協会の会員の約80店舗から日量1.6トンの生ごみを収集運搬事業者の方に回収をしていただいて再資源化していただくということで出発をしております。現在の規模としては、104店舗1セントラルキッチンが加わっております。どれだけの市町村の範囲に及ぶかということなんですが、16市8町村にわたっております。ただし、これは合併前の市町村の数ですので、ちょっと若干これは変更があるかもしれません。
そういう意味では、私ども10年前に主張した外食産業から見たリサイクル構想がこういう形でようやく実現したわけですけれども、これの意義について若干ちょっと総括をさせていただきますと、実は先ほどのご報告にもありましたように、外食産業の生ごみというのは非常に少量分散型という特徴があります。業種業態によってはたくさん出るところもありますけれども、実はハンバーガーチェーンとかフライドチキンのようないわゆるファーストフードと言われるところではせいぜい生ごみに限りますと1日当たり、店舗によっても地域によっても違いますけれども、大体5キロから6キロ、それから郊外型のファミリーレストランでいきますと、10キロから15キロぐらいがいわゆる生ごみの排出量ということになります。もちろん居酒屋とかいうことになりますと、もっと多くなりますけれども。一般的なイメージでいきますと、外食産業というのは非常に廃棄物が多い業界だというふうにお思いになるかもしれませんけれども、それは恐らく結婚式場とか、あるいはホテルの宴会の1日何百キロと出るような、そういうイメージがあるものですから、どうしても外食産業というと廃棄物が非常に多いというイメージがあるかもしれませんけれども、少なくとも私どもの会員のように企業化されてチェーン展開している企業においては、先ほど申し上げたような数字です。したがいまして、これを収集するということについては非常にコストが高くなるということがあります。
それからもう一点の問題は、例えば郊外型のレストランにおきましても、具体的にわかりやすいブランド名で申し上げますと、デニーズというレストランがあって隣にロイヤルホストがあって、隣にガスト、すかいらーくという店があると、実はそれぞれ基本的には別の収集運搬事業者の方が収集運搬に、契約により収集しているという現状にあります。したがって、1企業だけでこのリサイクルをしようと思っても、なかなかこれはコスト面から難しいということがあります。したがいまして、ここにはどうしても他社と共同でシステムを構築しないといけないということが出てきます。
それから、もう一方の共同ということなんですが、先ほどのプレスリリースの下の方に、実はこの事業を進めるに当たって、排出事業者だけではなくて収集運搬事業者や再資源化事業者などが参画をする有機質資源再生部会というものを組織をして、この事業に取り組んだということが若干ちょっと紹介されますけれども、排出事業者、収集運搬事業者、それから再資源化事業者並びに農業者、こういう方々をすべて巻き込んだ上で共同構築をしたという意味では、取り扱い量は非常に少ないんですけども、恐らく民間レベルでこういうシステムモデルをつくったというのは極めて珍しいのではないかなというふうに考えております。民間レベルで何が難しいかといいますと、それぞれのコストバランスをとるということが、いざ始めてみますと非常に難しい点の一つであります。それぞれが自分の立場だけを主張しますと、これはなかなかこの輪っかが完成しませんので、コストも含めて全体的なシステムを構築するということが、いかにやってみて大変かということがよくわかりました。
こういう生ごみを媒介にしたリサイクルのシステムというのは、市町村レベルでは難しい、余り例はないということはありませんで、例えば有名な例でいきますと山形県の長井市のレインボープランというのは、これは代表的なものだと思いますけれども、これも非常にうまくいっている代表例のように言われてますけれども、実は長井市が財政的に相当予算を組んで回っているという現実がありますので、こちら、我々の仕組みというのは、イニシアルコストにおいては国の補助を受けてますので、そういうことは差し引きましても何とかイニシアルコストも含めて回っているという意味では、民間レベルでは極めて珍しいのではないかというふうに思っております。
それから、ここに行き着くまでのいろんな苦労話がありますけども、幾つかちょっと紹介をしますと、もちろん排出事業者の方から見ますと、それぞれの企業が実は収集運搬事業者の方に支払っているコストというのは非常にまちまちですので、価格をいかにそろえて平準的なところで納得を得られるかということがまず1点あります。
それからもう一点は、実は例えば郊外型のファミリーレストランでいきますと、正社員は1人か2人で、パートタイマーが100人も200人もいるというような雇用形態がほとんどですので、そういうパートタイマーが完全にこのリサイクルをしていくために分別をしていくということが実はなかなかなれてないものですから、いまだに分別収集のレベルアップをいかに図っていくかということが、もちろんこれ教育の問題ですけども、非常に課題としてまだ残っております。このための手段としては、店舗ごとに分別評価表をつくるとか、いろんな取り組みをしておりますけども、これはどちらかといいますと、排出事業者側の我々の問題ということになります。
実はもっと大きな問題は、ここに行き着くまでに95年から02年まで何年か時間がかかっているわけですけれども、苦労した点の幾つかは、まず行政との対応ということがあります。これは我々の、素人の考えでいきますと、循環基本法ができて食品リサイクル法ができたわけですけども、循環基本法が上位にあるとかというふうな認識は全く通じないで、市町村の行政の方々というのはあくまで基本的には廃掃法であり、既存の法律の中で対応されるという現実の中で、我々としては非常に市町村の境界を越えて、つまり自区内処理という原則を越えて下妻市という一つの市町村に、もちろん茨城県内だけですけども、廃棄物を集めてそこでコンポスト化をするということについては大変な苦労をしました。
それからもう一点は、処理業者さんの問題があります。実は、先ほど来ちょっとコストの話をしてますけれども、排出事業者がここにありますように10社、現状では9社に減ってますけども、9社なり10社が取り引きをしている排出業者をすべてこの仕組みの中に入れていきますと、コスト面では全く合わないということになるわけです。
したがって、どういうことが必要かといいますと、この下妻市に集めるために排出事業者の方に整理をしないといけないということがあります。つまり、お取り引きをおやめいただくという業者がたくさん出てまいります。その中で、私どもの方が引き続き処理をお願いするというところを取捨選別をしないといけないという作業と、それからご納得をいただくという作業があります。この辺が、先ほどの市町村の対応と並んで一番苦労した点ですけれども、これに絡みまして申し上げますと、食品リサイクル法の実は特例措置というのがありますけども、これはもちろん再生利用事業登録を受けている者に限ってという限定つきですけれども、我々のこのつたない経験の中で思い出したことの一つは、積み込みと積みおろし両方のやはり適応拡大をしていかないと法律ができても、実は私ども排出業者の方では食品リサイクル法の中で20%再資源化という義務を負っているわけですけども、なかなか法律ができても実際にいざ取り組もうとするとなかなか進まないという原因の一つには、こういったことも原因の一つとなるんではないかなという気もいたしております。
以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。いかがでしょうか。ご質問、ご意見ございましたらどうぞ、いただきたいと思いますが。はい、どうぞ。

【山田(久)委員】 今、ご苦労をお聞きしたんですけれども、先ほどの市町村の自区内処理の原則を越えてというところは非常に大変だと思うんですけれども、これについての意味は、一般廃棄物としての対象外にしたのか、このコンポストプラントは一般廃棄物の処分施設としての許可をとられたのか、どちらでしょうか。

【中井委員】 もちろん2番目におっしゃったように、やはりこの百姓倶楽部のコンポストプラント自身が許可をとってないとこういう仕組みというのは成り立ちませんので、基本的にはそういうことになります。

【石川座長】 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょう。
 最後におっしゃっていた積みおろしのところ、積み出しは今、特例があると思うんですが、そこがあるとどういうふうないいことというんでしょうか、両方で特例があってほしいとおっしゃってたので、具体的に何か教えていただけませんか。

【中井委員】 多分、恐らくということでしかないんですけれども、市町村の対応がこれによって大分変わるんじゃないかなという気がします。

【石川座長】 ほかにいかがでしょうか。
 これに参加されている店舗、チェーンは全国展開されているからちょっと範囲が難しいかもしれませんが、参加されている企業さんの中で出ているものに対して、このシステムのシェアというのはどのぐらいになっているんでしょうか。廃棄物で排出されている物の何割ぐらいがこれで処理されているとか、将来どのくらいまで行けそうだというふうなものは。

【中井委員】 おっしゃるのは、例えばここに出ていますようなジョナサン、すかいらーくというようなところが、この地域にある店舗の中で生ごみを例えば仮に20キロ出すとしますと、20キロのうち何%ここに行っているかという意味ですか。

【石川座長】 例えば、ジョナサンさんから出ているもので地域内の店舗から出ているものが全部そこで処理されているのかどうかだとか、フードサービス協会さんでいって、例えば将来的にこれはかなりの会員までこれでカバーできるとお考えかどうかと、そういう意味もあるんですが。

【中井委員】 ここに名前が出ているような企業については、この地域に出店している以上は基本的には生ごみについてはここで対応してます。それから、冒頭ちょっと申し上げましたように、私どもの会員の店舗だけでも全国に5万店舗ありますので、そのうちの104店舗ということですから、ごくごく本当の一部ということになりますので、これはあくまでモデルにしか過ぎません。したがって、今後どういうことになるのかということですけれども、実はこういう仕組みをつくるのは非常に時間がかかりますし、相手に恵まれれば私どもとしてはこういうのをつくっていきたいという気持ちはありますけども。
ちょっと失敗例ということで紹介をさせていただきますと、関東地域のある市町村でこういう話を持っていきまして、市町村の環境の窓口では非常に乗り気になっていただいて町長、市長レベルまでは非常にスムーズに最終的には行ったのですけれども、いざ議会を通すということになると、その段階になりますとやはり答弁のためには広域的に県内、あるいは場合によっては東京あたりから将来的に外食産業の廃棄物、生ごみはここに持ち込まれて処理をしますなんていう答えが多分できないんだと思うんですね。
ですから、そうなりますとやはり議会対策用あるいは住民に説明用には、どうしても外食ということが、あるいは生ごみの処理ということがこうだんだん薄れていって、形がほとんど違うものになってきて住民の理解を得たというようなケースもあります。ですから、そういう形になりますと、我々が当初もくろんでいたような、もくろみといいますか、ご説明したような、実は我々が生ごみを処理したいということはもちろんありますけども、それよりも地域の農業と一緒に連携をしてこういう事業をやっていきたいということが非常に希薄になっていくということで、これはやっぱり私どもの方から無理だというふうに断念した例とか、そういう例は幾つもあります。

【石川座長】 どうもありがとうございます。どなたかほかに。はい、犬伏さん。

【犬伏委員】 プレスリリースの下の方に生ごみ等の廃棄物のほかに、食品工場から出る廃棄物やもみがら、それから家畜ふん尿なども含まれるというふうに書いてありますけれども、ここら辺の背景はどういったところにあったんでしょうか。

【中井委員】 基本的には、ここに書いてあるような地域の農家あるいは畜産農家と連携してやっているという理解をしてます。それから、実は私どもの搬入します量が当初1.6トンですから少ないんですけども、これ以外に地域のかすみストアから出た食品廃棄物の処分をされているという現状です。

【犬伏委員】 以前私が行ったとき、下妻で馬ふんがいいというような話を聞いて、それはちょっとこの事例と違うのかもしれませんけれども、農家の側から見ると普通の豚ふんや牛ふんよりも馬ふんの方がいいとか、そういうような声があったんですけど、それはこの事例。

【中井委員】 我々のつたない知識でいきますと、牛ふんが非常によくて牛ふんの中でも乳牛ではなくて肉用牛の方が非常にいいということは聞いています。それから、例えば鶏の場合だと、鶏ふんの場合ですと非常によくないとか、いろんなことを聞いてますけども、馬ふんのことはちょっと私はよくわかりません。

【犬伏委員】 それから、あと先ほど出ましたけど、塩分とか、それから油分というようなものがあると思います。それから、今の畜産に入りますと重金属の問題が出てきて前回もちょっとご指摘しましたけども、そういうのはどこでチェックされているのか。裏側にもJF基準とかいう、これはまた別のものなんでしょうか。

【中井委員】 ちょっと別の例で申し上げますと、こういう仕組みだとか堆肥化するときのいろんな問題点は、食品廃棄物が今ご指摘ありましたように塩分、油分が非常に多いというふうに言われてますね。実はそれがどのくらいの影響があるものかということについては、幾つか研究論文もあるようですけども、少なくとも百姓倶楽部の、例えばでき上がったコンポストを実際に試験したものでいくと、非常に成育にその影響を与えるとかということはデータ上はほとんど出てないというふうに聞いてます。重金属については、これも重大な問題だと思いますけども、百姓倶楽部の方で研究機関に出した上で、これ実はここに至るまで結構な時間をかけてやってますので、研究機関に一定の研究を依頼したというふうに聞いています。

【山田(久)委員】 費用のことをお聞きしたいんですけれども、今のこれまでの、例えばこの地区で、16市8町村で106店舗あるという話で、16市あるんですけれども、個々の店舗は個々の市町村の許可業者がこの生ごみを回収して、自区内の市町村の処理施設に運んでいく費用と、今ここに皆さん集められてリサイクルをするコストがどのくらい違うのかという点と、もし高くてもリサイクルを推進するという観点から市町村に持ち込む費用より高くてもそれを続けられると、こういうような考え方でございましょうか。

【中井委員】 先ほどの説明でちょっと簡単にさらっと申し上げましたけれども、排出事業者側が収集運搬事業者の方に払っている料金というのは、実は非常にばらつきがあるということが実態としてわかりました。例えば、A社という収集運搬事業者が排出事業者のA店、B店で同じ値段でやっているかというと、実はそうではないんですね。ですから、それはいろんな交渉の経過の中でそういう事例があるんだと思いますけども、我々最終的には価格をほとんど一本化をすることによって、この事業が成り立つようなことをさせていただきました。もちろん、自分たちが今まで払っていた価格よりも安くなったところが若干ありますけれど、基本的には高くなっています。ただし、具体的な料金でいきますと、大体キロ当たり20円という設定をさせていただいて、この地域での市町村の処理料が若干これよりも低い値段でしたので、大体各排出事業者の方が払っている価格から高くなったといってもせいぜい2割アップぐらいで抑えられたのかなという気がしております。

【石川座長】 いかがでしょうか。ほかにご質問ございますでしょうか。

【山田(久)委員】 僕たちの把握では、事業系ごみの収集運搬料金というのは市町村ごとによって違うんですけども、大体10円前後というふうに聞いておりますけれど、御社の調査では17、8円ということでございますか。

【中井委員】 ご指摘のとおり、地域によって非常にばらつきがあります。ですから、先ほど申し上げた20円というのは、処理料ということでご理解いただければというふうに思います。

【石川座長】 私の方からもう一つお伺いしたいんですが、地域としての規模としてどの程度が適切かというのでしょうかね。今より広い方がいいのか、それともちょっと今回のモデル事業で大き過ぎたとお考えなのか、適正なのか。

【中井委員】 それは非常に、ちょっと難しい問題ではあるんですけど、本当はレストランがもっとたくさん密集しているような東京の23区とか、横浜とか、本当はそういうところでやりたいんですけども、そこの方が実はニーズはあるのですけれども、それはなかなか難しいところですね。
ですから、茨城県の中でも割と集中をしていそうなところでやったんですけど、これを、じゃあ、単純にあと500キロぐらいふやすために2、30店舗ふやせば効率が上がるのかというと、実は今度は収集するための車が移動する時間なりが非常に長くなりますので、かえって効率は落ちるということになりますから、恐らくこれが現状としては適正規模ではないかなという気がしております。

【石川座長】 どうもありがとうございました。
一通りご説明とクエスチョンは終わったんですが、多分あと20分ぐらいはフリーディスカッションする時間がとれるかと思います。今回、ヒアリングをさせていただいた四つの事例でも結構ですし、また先回の部分でも結構ですし、また意見交換ということでヒアリングからは離れてご意見いただいても構わないかと思います。いかがでしょうか。もし考え方だとか、きょうは廃棄物処理と、それからこういうリサイクルというのでしょうか、ある種有効活用の方の事例をいろいろ伺いましたけども、コストでちょっと苦しい点があるというふうなお話が割合と多いんですけれども、こういう点に関してどなたかコメントか何かございませんでしょうか。

【山口委員】 前回と今回のいろいろ事例を聞かせていただいて、まず第1点はいわゆる食品製造業なりあるいは流通・小売業なりと、あるいは外食産業等が排出するもの、これは明らかにまず一つは家庭系の排出するものとはっきり区分が必要だと。これはどういう意味かというと、いわゆる再利用するという考えの中で区分が必要だなと。それが第一です。
 それからもう一つは、やっぱり製造業とそれから流通・小売・外食というのと、またこれが分離が必要と。そういう中で、それをいわゆる基本的な原料として肥料、飼料をつくっていくときに最終的にきちっと継続できるというか、回っていくかどうかというのはでき上がる製品の付加価値によると。その付加価値を出すため、きょうリキッドフィーディングのお話の中で将来、スープ工場をつくられてスープの販売をビジネスとしてされたいというお話がありましたけども、そこまで行くと完全にいわゆる集められる、排出される廃棄物というのも完全な未利用循環資源というか、大変有効なものになるんだなと、こんなふうに思いました。
 そういう流れの中で、私どもが排出事業者の立場として、やはり排出事業者としてはできるだけコストは抑えたいわけですね。排出にかかわっているコストを抑えたい。そうすると、コスト抑えて効率よく、それからまた標準化された仕組みで収集をしてもらって、そして再商品化をする仕組みの中でできるだけ高付加価値のものをつくっていくと。
そのために、やはり一つはネットワークと役割分担なのかなというような感じがしました。ネットワークという意味では、最終的に利用される人がどのようにその付加価値を認めていくかと。それからまた、その利用者の要望に沿って、飼料なら飼料の価値を高めるためにいわゆる処理方法をきちっと仕組みとしてつくる。それから、また排出者側もその原料としてのいわゆる価値を高めてもらう。先ほどパンがキロ13円ですね。パンが残さとして残る工場が非常に有利なのかということになって、じゃあ、パンのかわりに我々のコンビニで売る弁当工場のご飯はどうなのかなというようなことになるわけですけど、それぞれそういうふうに付加価値が適正に認められていけば、これはビジネスになっていくし、ビジネスになればスピードも上がっていくのかなと。
こんな感想でございますけれども、以上です。

【石川座長】 ありがとうございます。今、山口さんからのご意見でふと思ったんですが、最後にご発表いただいた事例では、農地に戻して野菜をまたレストランで使うというふうなコンセプトになってますよね。そこのところで、自分で出してまた自分でというのは完全に回ってて、極端にやると、これマーケットを通らないから価格がないのかもしれないと思うんですが、その辺は出しながら、かつできたものを買ってお客様に出しているというところで、現状は少なくとも多分コスト上がっちゃうと思うんですが、そこで付加価値の評価というのはおやりにやっている立場ではどういうふうにお考えですか。

【中井委員】 外食産業のリサイクル構想というのは、今、座長がおっしゃったようなことまでもちろん含んでいるんですけども、実はまだこれ平成14年にスタートして農産物、実はこの周辺の農家というのは基本的にはいろんな野菜をつくられている農家ではなくて、ナシ農家が割と中心の地域なんです。そこで、野菜づくりをこれから始めたいという人も含めて、もちろん野菜農家ないわけじゃないんですけど、そういうことを始めたいという動機もあって、一緒に勉強していこうという、私は機運があったんではないかというふうに思ってます。
 つまり、まだまだ農業生産の中では食材が安定的に供給されるというレベルには、まだ実は正直言いまして至ってません。現状の農産物はどうされているかといいますと、先ほどちょっとかすみストアということをちょっと個別具体的に申し上げましたけども、かすみストアの中で百姓倶楽部コーナーのような特売のコーナーがあって、そこで販売をされていて、それが大変な人気を集めるコーナーになってます。百姓倶楽部から出る農産物の、実は現状ではまだまだほとんどの分がそちらへ行ってまして、私どもの協会の会員店舗に定量的にいつも常時流れてそれをメニューに表示をしていくというようなところまではまだ至っていないのが現状です。ですから、近い将来的にはそういう形はぜひ実現をさせたいというふうに思ってます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。いかがでしょうか、ほかに。はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 コストのことなんですけども、先ほどちょっと大栄環境さんからご指摘がありましたが、一廃と産廃を比べるのはマーケットが違うという話もありましたけども、一廃だけを見てもキロ7円から12円というのは、はっきり言って適正じゃないですよね。また、この裏に焼却とかその諸々を含めていて、30円から60円ぐらいのコストが全体としてはかかっているのが普通であって、それがまず割と保護されているところがあると。それと比べていけば、例えば努力すればもうちょっとリサイクルの側に回すのも勝ち目があるはずだけども、今は実際に排出された方が払うお金に、そういう線にかかってませんので安い方に出しちゃうという気ならば、安い方に出しちゃうというのは起こり得ることであって、かなり起こっていることだろうというふうに私は思っています。

【石川座長】 今のご意見は、今度は自治体の側ですね。自治体がフルコストちゃんとかけろと、そういうご意見かと思いますが、この点いかがですか。

【浅井委員】 そのとおりだと思います。先ほど単価10円だとか17円というお話があったんですけども、昨年の4月からそれまで10円だった処理手数料を20円に上げております。先ほど議会だとか、いろいろありましたけど、かなりの抵抗はありましたけども、それを乗り越えて20円に上げました。それによって民間の堆肥化事業者が立ち上がりつつあるというのがあります。
 先ほど山田先生がおっしゃられたように、ごみ処理として大体やはり収集運搬、埋め立てまで含めて60円近くかかるんですけども、58円か59円だったと思います。それは収集運搬、それから最終埋め立てまで含めての原単位です。それから収集運搬を除いた処理金額が大体、焼却工場なんかで受け入れて処理する、埋め立てまで合わせますと大体22、3円の金額になります。
 ごめんなさい。間違ってました。収集運搬で23円ですね。焼却、それから埋め立てで33円ぐらい。大体57、8円ぐらいということになります。ですから、そういう意味で言えば、処理という形からすれば30円程度の処理手数料であれば、こういったリサイクル事業が成り立ってくるんじゃないかなというふうには思っております。
 それまで10円だったのが20円になっただけでも、かなり名古屋にはマーケットがあるということで、そういうリサイクル事業者さんがいろいろ相談に来ているというのが現状です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。現場からのご意見が出てきたんですが、どうぞ。

【飯高代理】 今の処理費の関係なんですけども、大体各自治体とも事業系の一廃につきましては、本来であれば事業者ですから自ら処理するんでしょうけど、処理するすべがなくて市町村の方にお願いをすると。その場合には、一般の家庭ごみと違うので処理料金をいただくというような仕組みになっているかと思うんですよね。何年か前にごみ処理の有料化調査を私どもでしたんですけれども、やっぱり処理料金というのが政策的にフルコストじゃなくて例えば3分の1とか、それは全体のいろいろな意見も踏まえて妥当だというところで、多分お決めになっていると思うんですね。ですから、処理料金が実際には低目、実際のかかるコストから比べますと低目になっているんじゃないかなということで、今日データを持ってきてないので詳しい金額はちょっとお答えできないんですけれども、そんな事情だと私も思うんです。

【石川座長】 すみません、それ調査のレポートになっているんでしたっけ。

【飯高代理】 統計的な処理をした報告は一応出しております。

【石川座長】 じゃあ、それいただけますか。一応、多分参考になると思いますので。

【飯高代理】 実は、環境省さんの方から一部委託を受けてご報告もしてある部分であれば、お答えさし上げます。

【粕谷廃棄物対策課長】 フードサービス業界の委員の方、お尋ねしたいんですけども、生ごみをリサイクルして今はまだ途中ということですけど、この食材が安定的に供給されるようになった時点の姿を考えたときに、そういうことをやってるレストランを例えばエコレストランとかというふうに言って何かマークつけたりとか、あるいは一部のメニューがそういうものを中心につくられているんであればエコメニューにするか、名前をどうするかわかりませんけれども、そういうラベルをつける、あるいは表示をする、というようなことは売り上げとか、あるいはお店のイメージアップに貢献するというようなことはあるんでしょうか。

【中井委員】 実は、先ほど15の委員会の中に農業問題委員会があるということをちょっとご紹介しましたけど、外食産業のリサイクル構想の中の2)の中に、2行目のところに「土作りに貢献し、さらにJF基準に基づく」というふうな表現があります。これは、私どもの協会はJとFと書いてよく車の団体のJAFに間違えられるんですけれど、ジェフというふうに発音しまして、一般的にはJF基準というふうに言っているんですが、これは私どもが考える外食産業が求める野菜の基準をJF基準ということであらわして、そういう基準が実はあるんですけれども。
これは簡単に言いますと、農林水産省の特別栽培農産物のガイドラインをベースにしてまして、それに独自に我々が土壌消毒をしないとか、幾つかの附帯条件をつけたような、簡単に言いますとそういう基準なんですけども、それにのっとった野菜を使っている店には、実はロゴマークでJとFを緑色で表現したシールを張っています。先にこういう運動を、運動としてやってますので、先ほどご質問のような形が果たしてエコレストランと呼ぶかどうかは別ですけども、多分何らかの形で百姓倶楽部なり、あるいはこれを契機に地元の農家の連携といいますか、農家側の実は連携が非常に広がっているというふうに伺ってますので、それは非常にいい動きだと思うんですね。百姓倶楽部だけではなくて、今までそういうことに興味のなかった地元のJAだとか、それから個人の農家の方々が百姓倶楽部の堆肥を使いたいということで、そういうネットワークが広がっているというふうに聞いてますので。そういったところの統一的な、例えばブランドみたいなのが出てくるような段階になると、我々の会員の中でエコレストランになるかどうかはちょっとわかりませんけども、何らかの形で表示をしていくとか、紹介していくということになっていくのが一番望ましいかなというふうに考えております。
 たまたま、これちょっと別な話になりますけども、ことしの7月に農林水産省とそれから私どもの業界の代表も加わる形で、外食産業のメニューに原産地表示をしていこうということのガイドラインが出まして、我々の業界としても今のメニューに表示をしてますカロリー表示とか塩分表示とか、アレルギーとか脂質に加えて原産地の表示をしていこうということに取り組んでいます。これは、基本的には求められるから、あるいは国がそういうガイドラインなり基準をつくったから我々が後追いでやるんではなくて、積極的にみずから消費者の方々に情報を提供していったり、あるいは情報開示していこうという、いわゆる業界の自主的な取り組みとしてそういったことを取り組もうと思ってますので、そういう流れの一環として当然取り組むという方向に考えていきたいというふうに思ってます。

【石川座長】 いかがでしょうか。あと少しぐらい時間があるかと思いますが。
 今のお話を伺っていると、多分リキッドフィーディングなんかの例は、ある種純粋ビジネスというんでしょうか、それを使っていること自体を、使っている人は特に多分アピールしようという話は余りないんじゃないかと思うんですね、消費者向け。外食産業さんの方の例だと、それはアピールするようなこともあり得る。
そこでちょっとお伺いしたいのですが、今のところはやられていないんですけれども、農家側との連携をするようなときに付加価値として有機栽培の野菜だとか地元の野菜だとか、その種のむしろ健康とか安全とか、何かそちらに乗ったような付加価値を追及していくということと、それから廃棄物の方を自分で出したものはちゃんとやっているんですよというふうな趣旨をアピールしていくというのですかね、それでできたものを出しているんですというふうなところと、ちょっと質が違うかと思うんですが、意識としてはどちらが重いんでしょうか。

【中井委員】 物事には二面がありますように、どっちがどっちということはないんですけど、我々も素人なりに排出事業者の立場からこういう10年前にレポートをつくって取り組んできたというのは、やはり基本的な考え方としては廃棄物の処理というよりもむしろ農業に対するコミットの仕方といいますか、そういう発想の方が大きいような気がします。

【石川座長】 いかがでしょうか。じゃあ、伊藤さん、お願いします。

【伊藤委員】 日本フードサービス協会さんの取り組みについてなんですけども、異なる会社さんが手を組んで非常に先進的な取り組みだなと思ってお聞きしてました。百姓倶楽部さんの堆肥センターさんで協会さんから出る食品残さを大体どのくらいの割合でまぜていらっしゃるんでしょうか。私どもも、農家さんのお話を聞きますと、非常に肥料に関しては敏感でして、もしも間違ったものを入れてしまうと1年間だめになってしまうということを言われます。百姓倶楽部さんは食品リサイクルを積極的にやられているということで、発酵を安定させるために畜ふんを特にたくさん入れられているんじゃないかと思うんですが、おおよその比率がわかりましたら、教えていただけるとありがたいです。

【中井委員】 実は、私どもは最初から農事組合法人である百姓倶楽部と組もうと思ったのは、いろんな事例を見るとこういう考え方でやっている例というのは実は結構たくさんあるんですけども、結局使う側の立場でつくってないというケースが非常に多いと思うんですね。したがって、どういう結果になるかというと、せっかくつくったコンポストが農地に使えないで、新たな廃棄物を生み出しているという現実がありますよね。ですから、我々そういうことをするのでは、我々の意図と全く反することですので、自分たちが使う堆肥を自分たちで生産していこうという、こういう人たちとめぐり合ったということがそういう意味では目的ではありますけれども、時間がかかりましたけども、結果的には非常によかったんではないかなと思っています。
 今のご質問ですけども、彼らは当然農家ですので、廃棄物をもとにした堆肥を自分たちがつくったといっても、農地に入れるということについては相当慎重な姿勢です。ですから、何回も試験を繰り返して、こういう一定のものが得られるということをきちんと確認した上で実際に他の、先ほど申し上げたようなネットワークの広がりの中に供給しているということが現実の一方であります。
 それから、今のご質問の件なんですけども、我々が供給していますのは、全体の中でいきますと2トンにも満たないものですので、比率的にはごく一部だというふうに理解しております。ですから、10トンの処理能力があるとするならば1.6トンということですから、大体そんな数量比でよろしいのではないかなというふうに思います。

【石川座長】 いかがでしょうか。じゃあ、どうぞ。

【山田(久)委員】 私、1回目と2回目と出席してなくて、きょう参加させていただいたんですけども、基本的なことをお聞きしたいんですけれども、これまでのヒアリングを見ていますとやはり圧倒的に肥料化という事業が多いということで、第1回目の古市先生のお話を議事録で見まして、肥料をそんなにつくって大丈夫なのかということで、いろいろな研究機関からも来られてますので、もしくは国立環境研究所で調べていただいているんじゃないかと思いますけども、例えば家畜ふん尿とか下水汚泥の中で、特に家畜ふん尿については土壌還元といいますか、肥料化が多いと。
そうしますと、日本のこの土壌の中で農林省なんかはバイオマスで肥料をつくったら、山林にヘリコプターでまけというような話を大胆にしている人たちもいて、そんな恐ろしいことは困るということもあるんですけれども、そうやれば全部はけるかもしれませんけれども、先ほどの窒素の総量の問題も含めまして、一体研究機関として日本の土地はどれだけの肥料が受け入れられるんだと。特に田んぼは減っていく、それから畑も非常に高度生産みたいな形でお百姓さんも、私、倒産したところ何回も見てますけれども、肥料をつくっても売れなくて肥料が廃棄物となって不法投棄みたいな形になってたまってて、10年前は新潟のバークの大問題も含めてもう肥料が売れなくて大体が倒産してるんですね。そこで今ブームになっているみたいなんですけど、そこのところで大丈夫なんだろうかと。お百姓さんは本当に施肥の時期が年に2回ぐらいで、それ以上入れたら土地はもう逆に作物がとれなくなっちゃうというような現実の中で、基本的な日本国土の中で肥料はどれだけ受け入れられるのか。そうしたら肥料化のシステムですね。そういう総量的な規制もやっていかないと、ある日当然クライシスが来るみたいな話になっちゃうんで、その辺はどうでしょうかね。

【石川座長】 今のご質問は、土壌の専門ということで言えば犬伏委員ですし、全体のマクロ解析みたいなのをなさっている川島委員がご専門かと思います。あと、ご関係の山田さんも調査されていると思いましたので、何か。じゃあ、順番にコメントいただけますか。

【川島委員】 少し長い時間、スパンを考えると今のご指摘すごく当たってまして、まず第一に農水省は今、規模拡大を図っていますね。それで、やっぱり国体的に勝てる農業にしたいということになると、やはり化学肥料のような要するに手間がかからない肥料というふうに流れがちなんですね。それから、全体ではやっぱり規模拡大を進めていく中で今、400万ヘクタールぐらい日本に農地があるんですけど、私は正直ベースに言えば減っていくと思います、まだ日本の農地は。ですから、受け入れるキャパはそんなにないと。どこでも堆肥が余って、よくわかるんです、今おっしゃられたこと。つくるのはできるんだけれども、買い手がいないということは起きているので、なかなか肥料というのを国内だけで見ていくのは私はなかなか、ある一部ではうまくいって、もうみんながまねすると、要するに合成の誤謬でつぶれていくという事態はあるんだろうなと思っています。
恐らくそれがどのくらい土壌にいいのかどうかというのは犬伏先生から出ると思いますが、有機野菜と無機野菜とどっちが健康にいいんだというのは、科学的になかなか証明した例がないんですね。有機野菜を食べるとアトピーが治るとかということは民間療法としては言われるんですが、アガリクスを飲むとがんにならないというのと似たような話のところで、そこをどこまで強調して、例えば行政とか国家機関がコミットしていくかというのも、すごく微妙な問題だと私は認識しています。

【犬伏委員】 前回もご指摘しましたけれども、日本の食料あるいは飼料の輸入比率というものを考えると、最終的な処分場として日本の国土はもう無理だと思います。まさに川島先生おっしゃられるとおりだと思います。日本の土壌、現状を見ますとやはり養分過多の方にどんどん行ってますので、そういう意味では地下水の硝酸汚染とか、温室効果ガスの発生だとか、そういうものすべて肥料、有機も無機も含めてかかわっています。
 農家の立場から言いますと、有機質肥料というような考え方と、あと土壌改良資材というような考え方があるとおりです。やはりタイムスパンは少し違うもので、やはり土壌改良資材としてやっていくものに関しては、ある程度長期的なものを考えなきゃいけないと。それから、肥料的なものに関すれば、もう少し短い1作、2作ぐらいのところで収支決算していかなきゃいけないと。そのような状況ですから、余りたくさんにやり過ぎるといけない。先ほど申し上げたような重金属なんかが入っていれば、それは当然蓄積していくわけですから、もうこれは最も悪いということだと思います。
 それから、先ほどちょっと出ました森林にまくというような話も、もう既に大都市圏の周辺では森林の渓流水、本当にきれいなはずの水がもうかなり養分が上がってきているというようなことで、もう既に日本の工業化の影響というのはそういうところまで出ていますので、そういう意味ではとんでもない話だというふうに思ってます。

【山田(正)委員】 私からのコメントは、日本全国的に見れば、もう全く堆肥化しても受け入れられるとかは不可能であるというのは私も思います。ただ、一つだけ違うところがあるのは、全国で足して引いたらそうなるんですけども、地域を細かく見ていくとまだ足らないところ、多過ぎるところというのはかなりばらばらあります。ですから、足らないところについてはフードサービスさんの話とかありましたけれども、その中で少しでも回していくというのはあり得るだろうというのはあります。そこをどうやって見きわめるかというのが一つ大事なことでありますし、私の意見も皆さんの意見と一緒で日本全国で肥料一本でやるなんていうばかな話は多分ないだろうというふうに思っています。

【山田(久)委員】 それで昔からの疑問で、先生方にちょうどいい機会なんですけれども、レイチェル・カーソンの沈黙の春じゃないんですけど、化学物質問題というのは世界で、今、日本でも非常に深刻な問題になっているんですけれども、肥料化を通じた食物連鎖における体内濃縮というのは考えられないでしょうか。肥料化がもうすべて市民団体とか、先ほどの有機肥料で体にいいとか言うけれども、人間の体を通してだんだん濃縮していく化学物質の問題というのは肥料化の問題ではちっとも語られないというのは僕心配なんですけど、その辺はどうなんでしょうか。

【山田(正)委員】 おっしゃるとおりで肥料に含まれる、特に重金属がよくやられているんですけれども、蓄積していくという問題がありまして、ですから、たとえ肥料にするということであっても、生ごみであれば何でもかんでも使っていいというわけではなくて、その入り口でどう品質管理をしていくか、使っていいものと悪いものをどうやって見きわめていくかというのが非常に大事であって、私もそういうつもりでヒアリングでお伺いしたんですけれども、というのが大事で。でも使えるものはあると、それは使っていこうということで、使えないものをどうするかというのは、私の意見としては、それは生ごみのリサイクルにおいては大事な話じゃないかと思います。

【石川座長】 大変重要な話になっているかと思います。私がちょっと思ったのは、この間のヒアリングを通じてなんですが、一つはリキッドフィーディングのようなビジネスベースでビジネスの中で有効活用ができている。これは特に環境と言わなくても日本の需給率が低いなんていう話にもこれは改善の方向に行くわけですから、これはある種ノー・リグレットじゃないかなと。ビジネスさえあればそれでいいという話だと思います。ですから、この点に関してはきっとどういう廃棄物がどのくらい、どういう条件ならできるか。もしくはそれを実行していくのに何か障害があるんだったら、それは何とか取り除けないのかというふうな話になるのかなと思いますね。
 次にもうちょっと難しい話になってくるとフードチェーンさんがやっているとか、そういうところに入ってくると、有機農法に科学的な根拠がないというのは、それはないんですけれども、一方でマーケットはあるんですね、はっきりと。それから行くと、公的な補助金が入っていいかどうかはまた別な議論なんですけれども、一定の安心できる有機農法とか、有機野菜というふうな話は、はっきりマーケットはあるわけですから、それはできるのかもしれないんですよね、部分的には。これは多分、合成の誤謬はあり得ないんですよ、きっとマーケットを通じて回っている限りは。
ただ、行政的にコンポストを標準化してこれをやれとやると、皆さん今、議論があったような懸念に当然なるわけですよね。一方でそうじゃなければ、今やっているような焼却だとか埋め立てに頼るという形だと、これは法律で決まっていますし、適正処理はしているんですけれども、低いレベルの一定のリスクはないとは言えない。有機農法を求めているというのは、それはリスク分析をしてそれを求めているという話じゃないですから、そういう意味では、もしマーケットが求めているんであれば、それが成立すればそれはそれで結構な話だというふうに私は思います。
 さらに踏み込んで、別途何か標準をつくって全体を横並びで解決するという発想だと、これはなかなかいろんなことを議論しないといけないですし、基準だとか難しい話が多分出てくるのかなというふうな気はいたしました。
 大分熱心にご議論いただきましたが、あと20分ぐらいになってきました。もし何かぜひということがございましたら、ここで問題提起していただきたいと。じゃあ、川島先生。

【川島委員】 コンポストのところのお話で全体のバランスですね。前回もお話ししたんですが、生ごみの話と表裏一体の関係で有機化の話で畜産ふん尿の話があるんですね。大ざっぱなバランスで言いますと、畜産飼料として約2,000万トン年間日本は使っているんですね。人間が食べているものは米が1,000万トン弱、パンとかいろいろなものを合わせて窒素を含むもので考えて2,000万トンと同じぐらい食べているんですね、人間と家畜と。ですから、出てくるものも同じなんですね。人間の場合は、人間が食べちゃった分というのは、生ごみにならないでし尿としてそれは下水の方に入っていくんですね。ですから、2,000万トン人間が食べているとしても、もちろん食べ残しの部分が結構多いというので、例えば3割ぐらい出ているとしても、その量が畜産で出す量の2、3割なんですね。
 もう一つそのコンポストは、先ほどNが上がっているということを申し上げましたが、今度畜産の方の問題で、ある意味で均一なんですね。大規模化が今、進んでいますから、養豚業とかなんかも進んでいますからかなり均一で、ある意味で注意していれば重金属なんかも問題も比較的容易に避けることができると、均一なものだと。これはやっぱり畑に回していくというのが私は筋だと思うんですね。生ごみの場合は非常に少し、20キロぐらいしか出てこないし、それからいろんなものも入っているわけですね。パンもあれば違うものもあると。それから、容器を分別するというのも非常に、手作業になりますし、ある意味で不正確にやってしまう、それが汚染の原因になるということもありますね。豚ふんなんかの場合、それがないわけですね。だから、私は基本的な考え方として、ちょっときつい言い方になるかもしれませんが、日本で畜産をやっているという現状を是認しながら生ごみをコンポストに回していくというのは、合成の誤謬につながると思うんですね。ですからそこのところ、その畜産の構造とどう考えるかと。畜産はもう日本は自分で供給できる飼料でしかやらないと。こんなこと言えば農水省は絶対ノーと言うでしょうけど、それと絡んでいる問題なんです。そっちはもう触れないで生ごみだけ回そうとすると、これは絶対もっといい飼料が豚ふんや何かの方からできる可能性が高いんで、現に進んでいますし、そこに非常にヘテロなものからつくったわけのわからないものを農家に入れてくれと言っても、農民は非常に抵抗感があると思うんですね。この話に私は帰着すると思います。だから、生ごみのコンポストに戻すというのは、もう少し全体の視野の中で見ていかないと、妙にここだけで納得するという話だと、日本全体の中ではうまく作用しないと思ってます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。多分、それはコンポストのマーケットが一体どうなるかということで決まっちゃうんだろうと思うんですね。行政的に何かプレッシャーをかけるようなことをすると、もともと生ごみから行こうがコストが高いに決まっているんですから、条件は悪いはずなんですよ。それで無理やり押し込んでいくと、きっと価格は下がって本来もっと実行されるべき豚ふんとか牛ふんのコンポストが圧迫されると。ただ、話が厄介なのは、きっとそっちはそっちでまた別な補助金が入っているから非常に厄介なんですよね。やらない方をエンカレッジするようなことがあると、ちょっと難しい話になりますが。ちょうどフリーディスカッションにふさわしい話題かなというふうに思いますが。
 そろそろ時間が迫ってまいりましたので、あと環境省さんの方で少し別途ヒアリングを進めていただいておりますので、それのご報告をいただきたいと思います。

【土井廃棄物対策課課長補佐】 それでは、資料2をごらんください。前回の検討会でもご説明しましたが、ユーザー側の立場から見た生ごみの肥料・飼料・堆肥利用に関する可能性と課題ということで、飼料化につきましては全畜連、全麦連、日鶏連という団体のご協力をいただき、堆肥化につきましては全農と株式会社片倉チッカリンというところのご協力をいただきました。
 資料は1番として概要、2番として利用拡大のためのポイント、最後はその他の事項ということでまとめてあります。
まず、飼料化につきまして、全国畜産農業協同組合連合会、全畜連は、豚を中心にいたしました畜産農業者の協同組合の全国団体でございます。畜豚等、種豚等の増殖などを手がけておりまして、豚の飼料利用についてノウハウ、知見を有しております。
 次に書いてございますのは、これもリキッドフィーディングのことでございますが、豚用飼料としては、栄養成分が一定で常に一定量確保できるものが必要であるということ。量・品質とも安定して供給できるものは使用できるということ。パン工場、菓子工場、パンくず、菓子くず、リキッドフィーディングの原料で使っておるものと聞いておりますが、そういったものが量・質とも安定し利用しやすく、配合飼料に50%まぜて利用している事例もございます。ただ、夾雑物が入っている可能性があるものは当然のことながら使えないこと。それに塩分が高いものや高カロリーのものは使いにくいこと。品質が安定しないようなもの、例えば弁当の売れ残りとかは何が入るかわからないので、使いにくいと考えられるということでございます。
 それと、次は発酵飼料のことにも触れておりますが、畜産農家にとってのメリットは、リキッドフィーディングにおきましても栄養成分があり値段が安いということでございます。また、発酵飼料を与えると肉質がよくなるという話もあると聞いております。
それらの現状を踏まえまして、利用拡大のためのポイントとしてお聞きしましたのが、まず原料となるものの排出場所と利用場所が近くにあることが重要だということでございます。養豚農家に対して栄養成分があって値段が安く、安定供給できることが重要ではないかと。成功している事例としましては、やはり地域密着型のものが多くあると。また、供給側と利用側ではお互い顔が見えるやり方が進めやすいんじゃないかと。次に事例的なものでございますが、一つのモデルとして地域のホテル・旅館が排出したものが飼料原料として供給され、それを飼料化したものを農家が使い豚肉を生産すると。その豚肉を排出側のホテル・旅館が購入するという地域での循環利用関係が成立しているということでございます。また、デパート、スーパー、ホテルなどから出るものを利用する場合には、信頼性の高い品質管理ができる仕組みとする必要があるんではないかということ。そのほか、消費者のイメージアップになることを考慮することも必要じゃないかということでございます。
その他としましては、リキッドフィーディングは欧米ブームの後、日本でも消費期限切れのパンなどを主原料に豚に与えている事例がやはり多くございます。発酵飼料というものも、事例としましてはスーパーから出る野菜くず、果物くずを発酵させたものを飼料として与えているという事例でございます。
次に日本養鶏農業協同組合連合会、先ほどの全畜連が豚の団体でしたが、日鶏連は鶏でございます。全国の養鶏農家により組織された養鶏専門の協同組合の全国団体でございます。この団体も、飼料等生産資材を養鶏農場に供給したり、また消費者に鶏卵、鶏肉を初めとする畜産物を供給しているということもございまして、配合飼料の設計や成分分析等、飼料に関するノウハウを有しておるところでございます。
そこで聞きましたところでは、飼養羽数5万から10万程度、これは中規模程度の農家ということですが、そこは自ら配合するような自家配合飼料を使っている農家が多く、主に採卵農家なのですが、それらを中心に食品製造工場から出てきますラーメンくずやおから、米ぬか、豆腐かす、菓子、菓子粉等を小規模な装置で発酵し飼料化しています。これは、生ごみ処理機のようなものとお考えいただいたらいいと思うんですが、そういったもので乾燥発酵し飼料化し、自家配合飼料として利用することが行われております。こういった発酵飼料の利用を含め、ニワトリ用飼料の約1割は何らかの形で自家配合飼料として使われているということを聞いております。ただ、食品残さをそのままニワトリに与えることは鶏にリスクが高いということで発酵処理する必要がありますし、また、発酵することによって鶏の腸内細菌もより増殖し、卵の質も向上すると聞いております。
利用拡大のポイントといたしましては、やはりこれも定時、定量、均質の原料が供給できることがまず大事ではないかということ。こういう点におきましては、大規模養鶏農場ではそれだけの量が確保できるかどうかというのが課題ではないかということでございます。また、養鶏農家が安心して使える飼料、目の届くところでできた飼料というものを供給する必要があるのではないかということ。次にエコマークのようなインセンティブを検討する必要があること。発酵飼料なりを使っていても、販売し消費者に届く段階では値段的には変わらない現状なわけでございまして、やはりそういったものにインセンティブを与え、何らかの差別化を図ることができればということでございます。次に、地域のレストラン等が排出しそれが飼料原料として供給されること。これは先ほどの豚と同様に、地域での循環的な利用を確立しておるものでございます。それからイメージづくり。ごみからつくった飼料を食べた鶏ではなく、リサイクルに協力した食品残さでつくった発酵飼料を食べて健康になった鶏というふうに、イメージをよくすることが重要ではないかということ。それと、発酵飼料の利用に当たって、採卵系農家というのは自らの判断で決められるケースが多いと聞きますが、ブロイラー養鶏業者というのは、えさを供給します商社さんが、そのできた鶏肉の流通にも関与しておりますので、どんなえさを使うかというのはかなり商社さんの理解が必要となってきている現状でございます。
次のページで、発酵飼料をまた量的・質的に安定供給できるようになれば、この発酵飼料をそもそもの配合飼料メーカーに供給できるのではないかということ。こうなれば、大幅な量的拡大が可能になることも考えられます。
次に3番めの全国精麦工業協同組合連合。これは大麦を中心としました食用精麦等の取り扱い、またえさの大麦・小麦・飼料用トウモロコシも取り扱っている団体でございます。ここでは主に豚、牛などの大家畜を中心とした飼料利用について知見を有しているということで聞いてまいりました。
内容については、まずBSE感染というものがございますが、そういった危険回避から、現在、牛用飼料につきましては一切の動物性たんぱくが含まれてはならないということがございます。また、豚・鶏用につきましても、牛由来のたんぱくが含まれてはならないという、そういった制限があると聞いております。当然のことながら、何が入っているかわからないようなものがあれば、それはやはり使うには難しいということ。生ごみを飼料利用化する場合には、その発生源、内容等の明確化が必要ではないかと言われております。そういったことでパン工場などの食品工場のような、ものがはっきりわかっているもの以外につきましては、なかなか飼料利用の限定的なものになっていると考えられております。
利用拡大のためのポイントといたしましては、これもやはり栄養成分の明確化と。一定量の栄養成分のものが安定的ということが必要な事項でございます。栄養成分は一定量わかっておりますと、それを補うものを幾ら入れればいいかということがわかるということでございます。また、配合飼料というものがございまして、その配合飼料にはトウモロコシが主原料で使われておりますが、それらにかわるものとして今、脱脂米ぬか・ビートパルプというものがございますが、それらと競争できるような価格帯であれば、そういった方面でも使えるのではないかということがあります。
次に堆肥化、肥料の関係でございます。全国農業協同組合連合会は、ご承知のように全国にあります農協の全国組織ということで、各種肥料の全般に携わっておるということでございます。全農でお聞きしましたところの利用拡大のポイントといたしましては、成分、流通量が安定していることが必要であるということ。やはり塩分や油分が多いと問題があること。また、扱いやすい形態であることが大切で1袋が20キロ程度であること。ほかの堆肥と競争できる価格であることと。やはり普通肥料に比べまして、特殊肥料というものは安価だと。特殊肥料、普通肥料につきましては、下の参考に書いてございますのでごらんください。それと、限られた地域での流通でないと、コスト面、品質確保面ではなかなか難しく、広域流通にはなかなか適さないんではないかということです。
その他では、各地域におけます循環的な取り組みが書いてございますので、ごらんください。
最後に片倉チッカリンですが、片倉チッカリンは、特徴ある有機肥料製品を供給しております民間の会社でございます。ここで聞いてきました内容としまして、生ごみ、汚泥、家畜ふん尿、それぞれどういったポイントがあるかということでございますが、共通して言えることは、使って土壌に害がないこと。肥料取締法に適合したものであること。有害成分が基準値以下であることというのがございます。また先ほどもお話しましたが、処理する側の視点ではなく、利用する側の視点に立ったものとすることというのがございます。
あと生ごみにつきましては、油分、塩分を余り含んでいないことが大切ということですが、食品残さを使います場合には家畜ふん尿に上限2割程度でまぜ、均質化を図るべきではないかということでございます。
汚泥は、中に含まれる重金属を低減させることが重要であること。また、汚泥の堆肥化につきましては、消費者の理解を得ることが重要になってくること。
最後、家畜ふん尿につきましては、高い塩類濃度を考慮した使い方をしないと難しいこと。また、微生物発酵に関しては、おがくず等を混ぜる場合には、作物の発芽障害を引き起こさないような点に注意しなくちゃいけないということでございます。
これら聞き取り調査させていただきました団体、企業からの情報は全国的な組織ということもあり総括的なものでありますので、今後、さらに具体事例や詳細な情報を有する関係者から、飼料・堆肥としての循環利用の成立条件についてできる限り明確化していくよう努めてまいりたいと思っております。また、飼料・堆肥の点で今ご議論いただいておりますが、これ以外の利用、エネルギー転換・回収利用につきましても同様な調査を今後行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、何かご質問ございますでしょうか。もし後で思いつかれれば、連絡いただければと思います。
 それでは、時間が迫っておりますのでそろそろおしまいにしたいと思いますが、予定としましては次回は、ヒアリングはとりあえず終わりましたので、飼料とか肥料に利用するということを中心に方向性を整理するというふうな議論を始めたいと思います。
 それから、これまではエネルギー利用ということを余り議論、時間を使っておりませんので、この点については事務局の方で資料その他そろえていただいて、次回、フリーディスカッションという形でできればというふうに考えております。何かご意見ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事務局の方で何かございますでしょうか。

【土井廃棄物対策課課長補佐】 次回の検討会は、12月19日午前中ということで10時から12時に開催させていただきます。場所は同じくこの経済産業省別館でございますが、また階が変わりまして10階の1028号会議室でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それと、最初に石川先生からご案内いただきました今回のヒアリングのご説明に対します追加質問の締め切りを来週中といたしたいと思います。次回の12月19日に第2回、第3回の検討会ヒアリングで出ました追加質問のご回答を配布させていただきたいと思います。

【石川座長】 議事はこれで終了いたしましたので、これで閉会とさせていただきたいと思います。長時間のご議論、どうもありがとうございました。

午後4時02分閉会午後12時00分閉会