【7月14日 AFP】ドイツ、ミュンヘン(Munich)の空港当局は13日、タイ政府が経営破たんした独建設会社に債務を支払わないとして、タイのワチラロンコン皇太子(Crown Prince Maha Vajiralongkorn)の自家用機を押収したと発表した。

 押収されたのはワチラロンコン皇太子が頻繁に操縦していたボーイング(Boeing)737型機。ミュンヘン空港のロベルト・ウィルヘルム(Robert Wilhelm)広報は、AFPの取材に「(同機を)押収した。ドアを開けることは禁じられ、離陸も禁じられている」と語った。

 独建設会社ウォルターバウの破産管財人は、タイ政府が繰り返し支払いを拒否したために、同機の押収に踏み切ったと説明。「これまで何年もタイ側に3000万ユーロ(約34億円)の支払いを求めた。今回の思い切った対策は最後の手段だった」と声明で述べた。

 問題の発端は20年以上前にさかのぼる。ウォルターバウは、バンコク(Bangkok)とドンムアン空港(Don Muang Airport)間の道路建設に携わった。この建設計画で「タイ政府による多数の契約違反」があったとして、ウォルターバウは破産後の2007年に損害賠償を主張し、2009年に裁判所がタイに支払いを命じていた。(c)AFP