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稲わらから高濃度セシウム 肉牛42頭出荷 福島・浅川

2011年7月14日21時7分

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図:福島県浅川町周辺の地図拡大福島県浅川町周辺の地図

 福島県は14日、同県浅川町の畜産農家の稲わらから基準を超える放射性セシウムを検出した、と発表した。農家は4月に肉牛にえさとして与え始め、今月にかけて肉用牛42頭を首都圏や仙台市のと畜場に出荷。市場に流通したという。

 浅川町は東京電力福島第一原発から60キロほど離れており、県が実施している牛の出荷時の検査対象外だった。県は現在実施している立ち入り調査が終わる予定の18日までをめどに県内に3千戸以上ある肉用牛農家に出荷と移動の自粛を求めた。

 原発から離れた地域での検出を受け、農林水産省は福島だけでなく、東北、関東の他の7県(岩手、宮城、栃木、茨城、群馬、埼玉、千葉)の畜産農家にえさの保管方法などについて聞くなどの緊急点検をすることにした。対象農家は計2万7千戸に上るという。

 42頭の出荷先は、横浜市に14頭、東京都に13頭、仙台市に10頭、千葉県に5頭。厚生労働省は流通先の自治体に対して肉の流通状況の確認と残っている肉の確保を依頼。検査の結果、肉のセシウムが基準を超えた場合には、浅川町の農家から出荷された牛の個体識別番号を公表する方針だ。

 県によると、わらから検出されたセシウムは最大で基準値(1キロあたり300ベクレル)の約73倍にあたる2万2045ベクレルだった。

 わらは同県白河市の稲作農家が東京電力福島第一原発事故後の3月15〜20日に田から取り込み、浅川町の畜産農家など4カ所に販売。畜産農家は4月上旬からえさとして与えていた。42頭のうち7頭には与えていないという。同じわらを購入した別の農家はえさに使っていないなどの理由で、このわらを食べた牛の肉がほかに流れた恐れはないという。

 県は、同県南相馬市の農家が出荷した牛11頭から基準を超えるセシウムが検出された問題を受け、県内の農家を調査。浅川町の農家は、使用しているのが汚染されたわらとは知らなかったが、南相馬市の問題が明らかになったあと心配になり12日、県に連絡したという。県が13日にわらを調べた結果、高い放射線量を測定した。

 南相馬市のわらから検出されたセシウムは最高約1万7千ベクレルで、今回と同じようなレベル。南相馬市の牛の肉からは3千ベクレル前後が検出されているが、専門家は「食べても健康上の問題は考えにくい」としている。

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