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牛全頭検査、国も支援 セシウム汚染で福島県での処理分

2011年7月12日15時1分

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 福島県南相馬市から高濃度の放射性セシウムに汚染された肉牛が出荷されたことをめぐり、鹿野道彦農林水産相は12日午前の閣議後の記者会見で、今後の肉牛の検査について「福島県は全頭検査したいと聞いているので、農水省としてできることは協力していく」との考えを明らかにした。

 福島県は11日、計画的避難区域と緊急時避難準備区域の「全頭検査」を打ち出した。両区域から出荷される肉牛については、体表の放射線量検査を全頭に実施していたが、体内の汚染はと畜処理後の抽出検査だった。県は今後、県内でと畜する分はすべて放射性物質を調べるとし、他県で解体される分も「検査に協力を」と呼びかけた。

 国側の当初の方針は「全農家」を対象としたサンプル調査だったが、農水相の発言は県の対応に歩調を合わせた形だ。細川律夫厚生労働相も12日の記者会見で「地域を区切った全頭検査を関係省庁や福島県と相談して早急に検討したい」と前向きな姿勢を示した。

 農水省と厚労省は自治体の調査能力などを踏まえて全頭検査には消極的で、11日の会見でも「全頭やるかは決まっていない」(農水省食肉鶏卵課長)としていた。「農家ごとのサンプル検査でほかの牛肉の濃度も類推できる。全頭検査までする必要があるのか」と理由を説明した。

 県と国の姿勢が食い違うなか、枝野幸男官房長官が11日夕の会見で「全頭検査については関係省庁でできることを検討いただいている」と述べていた。

 両省は今後、検査機器が不足する場合の調達などに協力する考えという。

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