第2回 「開け~、ごま!」を体感した日
南米の次に目指したのは、中東・アフリカ大陸のスイーツ制覇。チュニジアを中心にモロッコやシリア、レバノンといった地中海沿岸の国々の食品をネットで販売していた会社にお願いして、青物横丁にあるオフィスにお邪魔することになった。
応対してくれたのは、コグチさんという静かな物腰の女性。でも、お菓子の話になると、ちょっと熱く語ってくれる。
「中東のお菓子の特徴は、ごまやナッツを沢山使うことなんです」と彼女。そして、机の上にずらっと並んだのが、ハルワ・シャミアと呼ばれるごまを使ったお菓子だ。ハルワは甘いもの、シャミアはごまのこと。ペースト状にしたごまに砂糖を加え、バニラの香りを付けて固めたお菓子で、プレーン味からゴマの粒やピスタチオ、アーモンドが入ったものまで、びっくりするほど様々なタイプがある。「こんな風にして切って食べるんです。落雁みたいですよ」と取り分けてくれるコグチさん。口に入れると、あ、甘い!
チュニジアやエジプト、シリアの人が大好きだというこのお菓子。現地ではスーパーのお菓子のコーナーにも、ホテルの朝食ブッフェでも山のように積まれているのだそう。1キロ、2キロ入りの巨大な“ハルワ・シャミア缶”もあるとか。ハルワ・シャミアを薄く切ってパンにサンドイッチ状にはさむのもポピュラーな食べ方らしい。「最近では健康を気にして、人口甘味料を使ったものもありますね」 本当に、好きなんですねぇ。
フルーツと盛り合わせたり、ヨーグルトに入れたり、ハルワ・シャミアのアイスもあるそう。あ、それ、おいしそう。食べてみたいです。
さて、次に登場したのが、バクラワやバクラヴァと呼ばれるお菓子。何層にも薄く重ねたパイ生地の間にナッツをはさむなどしてシロップをかけたもので、中東のほか、中央アジアなど広い地域で見かけるお菓子だ。
外観は同じ様でも、生地作りにバターを使ったり、オリーブオイルを使ったりと、国によって作り方が違うんだそう。はさむナッツも産地との関係で、ピスタチオやアーモンド、くるみなど地域によって主流となるものが異なる。
いただいたのはシリアの老舗店のバクラワ。生地にバターを使っていて、こっくりした味だ。「鳥の巣」と呼ばれる、細い糸のような生地を丸い器状にまとめた上にナッツを載せた変わりバクラワが、さくっとした口あたりで隊員の間では人気。
ちなみに、「きれいな緑色をした、グレードの高いピスタチオを使ったバクラワの方が高級品です」 おお。産地ならではのこだわりを垣間見ました。
エム・アンド・ピー
※ネット販売のみ
ホームページ:http://www.chichukai.jp/
メレンダ千春
海外に行けば、どこを見ずとも行くのはスーパーのおやつ売り場という、激甘から激辛まで味の守備範囲は360度のライター。最初の異国のお菓子との出会いは、アメリカに住む遠い親戚のおじさんが日本を訪れる度にお土産にくれた、キラキラ光る水色の紙でキャンディーのように包装されたチョコレート。ミルクの味が濃くて、おいしかったな~。インパクトのあるおやつを求めて、日々邁進中。