完璧に何かをやり遂げるというのは本当に難しいことです。自分に対して批判的な目線を持っていればいるほど、やらなければならないことは増えていきます。

ですが、本当に問題なのは完璧にしなければならないということに怖じ気づいて、仕事をやりたくないと思ってしまうことです

今回は、完璧主義がどうして物事の終結を先延ばしにしてしまうか? それを解決するにはどうすればいいのか? をご紹介しましょう。

 心理学系ブログ「Psychology Today」でBill Knaus博士が、完璧主義の罠に陥りそうになった時は、「もう止めろ!」と自分に言い聞かせるだけでいいと書いていました

Knaus博士は、「完璧主義者はどんな状況においても完璧を目指すあまり、不測の事態をベースに考えているのが問題だ」と言っています。

例えば、ある完璧主義者が「賢い人間になりたければ、新聞を毎日隅から隅まで読む必要がある」と考えたとします。賢くなりたいとしても、新聞の情報をすべて読み切ることは現実的には必要ありません。ところが、完璧主義者に妥協という選択肢はありません。結論はいつも成功か失敗かの二択です。

この例の場合、完璧主義者は「新聞をすべて読み切れなかったこと」を失敗と考えます。そして、読んでない新聞をそのまま溜めていきます。その結果、先延ばしにすることが唯一の方法になるのです

この例はちょっと極端過ぎる思うかもしれませんが、完璧主義者が陥る問題を解決するには、不測の事態がベースになっていることを見直さなければなりません。完璧主義者は必ずしも論理的ではありませんので、「新聞を毎日隅から隅まで読むなんて現実的じゃないよ」と言ってあげたとしても、問題は解決しません。

「完璧主義者は、自分の本当の目的や信念が何なのかを考える必要がある」と、Knaus博士は言います。完璧主義者というのは、大体において矛盾しているのです。

先ほどの例で言うと、その完璧主義者に「新聞を毎日全部読み切っている人だけが賢い人間ですか? それとも、知的になるためにそれ以外のことに時間を掛けている人の方が賢い人間ですか?」と尋ねてみてください。後者が賢いやり方だと思うのであれば、考え方に欠陥があることが明らかになり、矛盾した考え方だということに気付いてくれます。

矛盾があるという時点で、完璧を目指そうとする思考を止めることができます二択の思考が本来の目的を達成するのにいかに矛盾しているか? ということを気付いてもらえればいいのです。完璧さを求めるあまり、自己矛盾に陥っているということに気付けたなら、極端な考え方に固執せずに済みます。

日本の職場や会社では、失敗を許さないような完璧主義的な雰囲気が多いですが、失敗しないことに固執するあまり、本来の目的が疎かになっていたり、先延ばしになっていることも多いのはないでしょうか?

仕事のクオリティが完璧に近いのは本当にすばらしいことですが、そのために極端な考えに固執して、本来の目的を見失うことのないようにしたいですね。

Photo via Polls Boutique.

Break a Perfection and Procrastination Connection Now | Psychology Today

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)