情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

福島第1原発の問題解決へ向け政府の動きが見えないのはなぜ?

2011-04-08 10:13:40 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 福島第1原発は、現在も1基あたり毎時6~8トンの水が投入されている。最悪、これらがそのまま外へ出ている可能性を否定することはできない。したがって、一日600トン程度の高濃度の汚染水が流れ出ることを前提にした対処が必要になる。これだけ大量の汚染水を長期的に処理した経験は、日本ではもちろん、世界的にも初めてのことだろう。まさに英知と資材を結集してことにあたらなければならない。

 それにもかかわらず、東京電力の会見では、政府の動きがまったく感じられない。数か月後にもこの水処理問題が継続していることを前提に、近くに巨大な保管施設を設ける必要があるはずで、そうだとするならば、いまから用地の選定やできるだけ放射線を浴びない方法での建設方法等を検討しなければならないはずだ。そして、それは、東電だけでは無理で、政府の積極的な関与が必要になる。

 ところが、昨日の記者会見で、松本広報担当は、どれだけの水が出ることを前提にしてタンクなどの用意をしているのか、という質問に対し、現在は水を入れている量と蒸発する量が釣り合っているから水が漏れていないのではないかという趣旨の発言をした。まったく、ナンセンスで、危機管理能力に疑いを持たざるを得ない瞬間だった。

 そうはいっても、それまで入れていた水の量と現在の水の量が大幅に変わるわけではないのだからという指摘をしたところ(実際には蒸発したからそれが格納容器外に出てこないということでは必ずしもない。むしろ、2号機は蒸発した分も外に出ていると考えるべきだ。それはピットからの放水量の多さから容易に推測される)、漏れていることを前提に仮設タンクなどの準備をしているとは述べたが、結局、漏水量をどの程度と見込んで対処しているのかの回答はなかった。

 そして、この一連の質問、その後のぶら下がりでの質問でも、政府の動きを感じさせる説明はまったくなかった。

 
 2号のトレンチには高濃度の放射性物質を含む汚染水が数千トン単位で貯まっている。そのトレンチに続くタービン建屋にはさらに大量の汚染水が貯まっている。トレンチから漏出し、海へ流れている可能性が高い以上、この水を抜くことが急務なのは明らかだが、危機感をもって対処しているようには思えない。

 東電及び政府は、抗議にきた全国漁業協同組合連合会(全漁連)に果たしてどのような説明をしたのだろうか?


 さて、NHKが、東京電力が発表してこなかった地震当日の水位などのデータの存在とその数値を報道した。

 NHKは、【1号機では、地震発生から7時間近くたった午後9時半に、原子炉の中で核燃料が露出するまでの水の高さが残り45センチとなり、通常の10分の1程度に減っていたことが分かりました。1号機から3号機では、地震と津波によってすべての電源が失われ、2号機と3号機では非常用の装置で原子炉を冷やし、水の高さが4メートル前後に維持されていました。これに対し1号機では、地震当日の夜までに、すでに安全のために最も大切な「冷やす機能」を十分に保てなかったことになります。また核燃料が水から露出するまで、2号機と3号機では、地震から1日半から3日程度かかっているのに対し、1号機では18時間ほどしかありませんでした】と解説している。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110408/k10015172911000.html

 通常の事故ではなく、国家存亡の危機なのだから、もう姑息な情報隠ぺいは止めてほしい。情報を開示することこそが、現場で必死で作業している人たちの努力を活かす唯一の方法だ。

 その情報開示があってこそ、政府も正しい決断を下すことができる。それとも、政府は全てを知った上で、東電に丸投げしているのだろうか。


【追記】
東京新聞が、【東京電力福島第一原発から低濃度放射性物質を含む汚染水を海へ放出するにあたり、政府が事前に米国側と協議し、内諾を得ていたことが分かった。米国政府関係者が一日に政府高官と面会したり、東電での関係者間の対策会議に参加したりする中で「米国は放出を認める」と意向を伝えていたという。
 汚染水放出をめぐっては、韓国や中国、ロシアなどが「事前説明がなかった」と批判している。日本政府は放出発表後に各国に報告したが、放出を始めた四日の三日前に米国とだけ協議していたことで反発が強まる可能性もある】と報道した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011040802000030.html

 3日も前とは…。市民に知らせたのは放出の直前だったのに…。

 完全に市民の生命・健康を軽視している。



 

 




◆以下参考◆


原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。

   ↓

 


【日弁連会長声明】
「東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故に関する会長声明」 http://ow.ly/4n21n

●今後想定されるあらゆる事態、並びに、各地の放射能汚染の実情と被曝による長期的なリスクに関する情報、被曝防護に関する情報を正確かつ迅速に国民に提供し、適切な範囲の住民を速やかに避難させるよう求めるとともに、原発の新増設停止、既存原発についても電力需給を勘案しつつ危険性の高いものからの段階的停止を提言



◆参加してみました。クリックお願いします。
   ↓
人気ブログランキングへ

◆持ち込み可視化についてアンケート実施しました。ご協力ありがとうございました。
   ↓
http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=57952

【ツイッターアカウント】yamebun


●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●

【ツイッターアカウント】@BarackObama

【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから


【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.

Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8



【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。


最新の画像もっと見る