ICRP(国際放射線防護委員会)の放射線量(ミリシーベルト)の基準値引き上げ勧告の英文内容。
こんばんは。*玲奈*でございます(*´Д`)。
追記:計画的避難区域の放射線基準20mSvの根拠、
ICRP(国際放射線防護委員会)とIAEAの国際基準という記事を
書きました。↓こちらです)
http://ameblo.jp/a-fruitful-life/entry-10859874968.html
4月20日追記:19日報道の子供の年間被ばく量、文部科学省が20mSv/年と
最終的に正式発表した件については、こちらの↓別の記事にて記載しました。
【結論】子供の放射線量基準の年20か10ミリシーベルトか。文部科学省の屋外活動・校庭利用の考え方 ゚・
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国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection)、
略してICRP と称される国際的な団体があり、元々日本はこの団体からの
情報を放射線量の基準作りの参考にしてきました。
そして、これは先日の記事 (浴びてもよい放射線量限度)でも出した、
放射線量限度の一覧の図です。これを前提に、読んでみて下さい。
(環境科学技術研究所のこのページ の「線量限度」のタブで見られるページより)
ICRPは通常はある特定の事故についてコメントを出すことは無いのですが、
福島原発での事故について、“Fukushima Nuclear Power Plant Accident”
という、こちら の英文コメントを3月21日から公表しています。
数日前から、このことについて書きたかったんですが、
遅くなってしまいました・・・(´・ω・`)。
この発表は、これまでICRPが出していた平時の放射線のリファレンスレベル(基準値)
を改定して引き上げるという意味ではなく、あくまでも「一時的な緊急事態」のためです。
しかも、この発表は3月21日時点までにICRPに入った情報を元に作られたものです。
つまり、この後に発覚した放射性物質に汚染された、タービン建屋のたまり水の件や、
昨日発覚したトレンチ立て抗の容積一杯に入った汚染水(放射線管理区域外)、
更には可能性があると言われていた燃料の溶融の事実*、
これらについては、発表の考慮には入っていません。
*について補足
28日の原子力安全委員会で、「一時溶融した燃料と接触した格納容器内の水が
何らかの経路で直接流出してきた」との見解をまとめた。
同委員会が格納容器内からの流出を認めたのは初めてです。
この発表は、今までICRPが過去に出してきた内容(2007年、2009年のpublication)から、
今回の事態に合わせていくつかの部分を集めてきてひとつの書面にまとめたものです。
そのため、ソースとなる個別のpublicationも探して、確認してみました。
【事前学習】
【発表内容】
これを踏まえて、ICRPの21日発表について書いていきたいと思います。
21日の発表文面を見る限り、内容の適用は首都圏全体に対して出されたものでは無く、
福島原子力発電所の近隣地域に対して出された発表では・・・?と、
受け取る事が出来ました。
以下、発表内容です。(英文書面を日本語訳しています)
【解説】
発表内容の解説を加えておきます。
緊急事態においては画残量線量を20~100mSvとする、とありますが、
これは【事前学習】で述べたように、公表されているモニタリングポストの
大気中の放射能量を直接指している訳ではありません。
そして、居住を希望する場合については、そのエリアの放射線レベルを一時的に、
カットオフの最大値を年20ミリシーベルト(通常の20倍です)とすることを提案しています。
でもこれは、ふるさとを捨てるより住み続けたい希望を最大限考慮した内容であり、
どこでもかしこでも、最大限度の20ミリシーベルト/年以内に収まりそうだから
その地域から長期的に避難しなくていいという訳ではありません。
という訳で、ネットニュースなどで見かける「年間100ミリシーベルトまで大丈夫」、
Mr.サンデーやミヤネ屋の放送の「年間50ミリシーベルトまで安全」等という報道は、
今回のICRPの発表や、以前からある放射線基準の一部を掻い摘んで、
独自に解釈されたものと考えられるため、鵜呑みにするのが正しいとは言えません・・・。
一般市民にとっては、総量100mSv限度の残存線量の話より、
居住のために一時的に緩和された数値の話の方がやや現実的ですが、
それでも、その最大値の20mSvですら、計算してみるとすぐに到達してしまいそうです。
【数値計算】
一時的な提案である緩和された値について計算してみます。
20mSv=20,000マイクロシーベルトであり、
それを365日で割ると、1日あたり約54.8μSvとなり、
1時間あたりに直すと、2.28μSv/時です。
本日3月29日9時発表の放射線モニタリングポストの結果 によると、
福島県福島市(第一原発から63km)の結果は、
数日前の約6μSv/時に比べると減っていて2.5μSv/時でしたが・・・、
それでも実は、ICRPが一時的な推奨基準とした2.28μSv/時を超えていました。
線量限度をおさらいします。
一般市民(放射線管理区域で働く放射線業務従事者や、緊急作業員でない人)は、
年間1ミリシーベルトが放射線の線量限度となっています。変わっていません。
これを毎時に直すと、0.1μSv/時です。
放射線管理区域の観点から、もうひとつおさらいします。
放射線管理区域として設定されるのは、3ヶ月間で1.3mSvの放射線区域です。
毎時で換算すると、0.6μSv/時です。
以下は昨日書いたモニタリングデータのサイトですが、また参考の為に載せます。
気にされている地点については、下記ウェブサイトにて確認してみて下さい。
【放射線モニタリングデータ】
全国の放射線モニタリングの結果は政府関係からの重要なお知らせ
(Important Information from Japanese Government)にて随時発表されています。
(ただし、トップページからのリンクで見られる、
文部科学省発表の「日常生活と放射線」の図は一部正しくありません)
Googleの放射線モニタリング結果の地図上表記ページ にも、載っています。
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確かな目で見ていきたいと思います。
普段は時短料理(圧力鍋・ヘルシオ・トリプルパン)レシピや、
ホームベーカリーパンや、飼っている豆柴&マンチカン猫の事を書いたりしてます☆
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おまけ。
放射能は、放射性物質を出す能力のことで、
浴びているのは放射性物質から出る放射線です。
(アルファ線、エックス線、ガンマ線など)
おまけ2。
私たちにできるのは、放射線を出来るだけ浴びない・摂取しないことです。
そのために、記事には判断材料になりそうな事柄を載せています。