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日本医学放射線学会
(日本医学放射線学会理事長 杉村 和朗)
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=912
Q1)妊婦が乳児の基準を超える放射線量を含む水を飲んだ場合は、おなかの子には影響はでないのでしょうか。また、選べるとしたらどのような水を飲むように気をつければよいでしょうか。
A1) 3月23日に、東京都水道局が発表した、放射性物質の濃度の水を、お母さんが飲んでも、お腹のお子さんへの健康影響はありません。
安心して、今まで通りにしてください。--------
強く抗議するために、個人と団体の連名で要請を出そうと考えています。
「脱原発の日」星川まり
以下は[みどりの未来ML]よりFさんの検証など。
原発事故で大量の放射性物質が大気中に放出され、各地で水道水や野菜などに汚染が広がっているようです。
そもそも、基準値の○倍とか報道されていますが、今回はその”基準値”のカラクリについてちょっと書きます。
新聞記事を読んでみると、
■水道水は乳児向けの厳しい基準
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110323/dst11032319290049-n1.htm
厚生労働省が示している食品の摂取制限に関する暫定基準値では、放射性ヨウ素は飲料水と牛乳・乳製品1キロ当たり300ベクレル。しかし、1歳未満の乳児については、食品の安全基準などを定める政府間機関「コーデックス委員会」が定めた国際規格に基づき、成人より甲状腺がんなどのリスクが高く影響を受けやすいとして、基準を通常の300ベクレルよりも厳格化し、100ベクレルとしている。
==========記事転載ここまで
■飯館村の雑草265万ベクレル 福島、野菜を大幅上回る
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/2011032401000495.htm
文部科学省は24日、福島県内で採取した雑草から検出した放射性物質の調査結果をまとめ、福島第1原発の北西約40キロの飯館村で20日に採取した雑草の葉から1キログラム当たりヨウ素254万ベクレル、セシウム265万ベクレルを検出したと発表した。
食品衛生法で定められた暫定基準値は、ヨウ素が1キログラム当たり2千ベクレル、セシウムが同500ベクレル。厚生労働省によると、飯館村で採取された野菜からは1キログラム当たりヨウ素1万7千ベクレル、セシウム1万3900ベクレルが検出されたものもあるが、雑草からの検出量はこれを大幅に上回る。
文科省の発表によると、原発から約25~45キロの複数地点で18日から21日に採取した雑草の葉から1キログラム当たりヨウ素3万6千~254万ベクレル、セシウム1万100~265万ベクレルを検出した。
飯館村では、20日に採取した土壌からも土1キログラム当たりヨウ素117万ベクレル、セシウム16万3千ベクレルが検出された。
==========記事転載ここまで
記事をよく読むと、基準値は「暫定基準値」となっています。
実はこの、「暫定基準値」というのがクセモノです。
日本の水道水の基準値は、今回の原発事故前までは10ベクレル/Lが基準値でした。
ところが、福島原発事故後の3月17日に、突然この基準値が変更されることになりました。
3月17日に厚生労働省から食安発0317第3号が発令されました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
「当分の間、別添の原子力安全委員会により示された指標値を暫定規制値とし、これを上回る食品については、食品衛生法第6条第2号に当たるものとして食用に供されることがないよう販売その他について十分処置されたい。」
ということで、現在報道されている”基準値”というのは、原子力安全委員会が出した数値を、「暫定基準値」として使っているのです。
ですから、水道水へ含まれる放射性ヨウ素の基準値が、10ベクレル→300ベクレルに、突然30倍にもなった訳です。
つまり、水道水が通常の30倍以上汚染されないと「基準値以下」ということになるのです。
新聞では「コーデックス委員会が定めた国際規格に基づき基準値を決めた」となっていますが、コーデックスの国際規格によると、食べ物に含まれる放射性ヨウ素の基準値は100ベクレル/L。
出典:CODEX:食料と飼料における汚染と毒素に関する一般基準
"CODEX GENERAL STANDARD FOR
CONTAMINANTS AND TOXINS IN FOOD AND FEED"
http://www.codexalimentarius.net/web/more_info.jsp?id_sta=17
英語ですが37頁にヨウ素131「131I(Iodine)」が100ベクレルであることが記載されています。
ところが、原子力安全委員会が出した、野菜の放射能汚染の「暫定基準値」は2000ベクレル/Kgです。
コーデックス基準値の20倍!
野菜がコーデックス基準値の20倍以上汚染されないと、これも暫定基準値以下となる訳です。
原子力安全委員会が、通常よりもはるかにユルユルの「暫定基準値」なるものを設定しているというのがカラクリです。
こういう数字を”暫定的に”安全基準としているのだから、お役人さんも歯切れが悪いです。
汚染水道水で「情報開示」を押し付け合い 危険な濃度は口つぐむ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110323/plc11032323440017-n1.htm
飯館村の雑草265万ベクレル 福島、野菜を大幅上回る
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/2011032401000495.htm
文部科学省は24日、福島県内で採取した雑草から検出した放射性物質の調査結果をまとめ、福島第1原発の北西約40キロの飯館村で20日に採取した雑草の葉から1キログラム当たりヨウ素254万ベクレル、セシウム265万ベクレルを検出したと発表した。
食品衛生法で定められた暫定基準値は、ヨウ素が1キログラム当たり2千ベクレル、セシウムが同500ベクレル。厚生労働省によると、飯館村で採取された野菜からは1キログラム当たりヨウ素1万7千ベクレル、セシウム1万3900ベクレルが検出されたものもあるが、雑草からの検出量はこれを大幅に上回る。
文科省の発表によると、原発から約25~45キロの複数地点で18日から21日に採取した雑草の葉から1キログラム当たりヨウ素3万6千~254万ベクレル、セシウム1万100~265万ベクレルを検出した。
飯館村では、20日に採取した土壌からも土1キログラム当たりヨウ素117万ベクレル、セシウム16万3千ベクレルが検出された。
2011年03月24日木曜日
河北新報社
===============記事転載ここまで
コーデックスの国際基準値でいうなら、食品に含まれる放射性ヨウ素131は100ベクレル/Kgが基準値なので、今回検出された254万ベクレルは、 原子力安全委員会の出した「暫定基準値」と比較すると1270倍。 通常基準値と比較すると2万5千倍になります。
いま報道で使われている”基準値”というのは原発事故後に出された「暫定基準値」と比較していると言うことを理解しておく必要があると思います。
追記:
今回の暫定基準値、以前から緊急事態時のガイドラインが出ています。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-03-03-06
緊急事態の際は放射能汚染が広がりますので、一般の人が放射能で汚染されたものを食べたり飲んだりし過ぎないように、「飲食物摂取制限に関する指標値」というものを設定しています。
ただし、これはあくまでも緊急事態なので、通常の基準値とは異なります。
今回は、「非常事態が起こったので、通常の基準値の適用をやめて、緊急事態用の摂取制限の指標値に切り替えます。」と言わなきゃならないんです。
それを、「長期間にわたって摂取しても安全です!」などというからいかんのです。
あくまでも今回の暫定基準値は緊急事態に際しての、基準値緩和です。
そもそも、長期間にわたって摂取しても安全な数値なら、緊急時の接種制限の指標値を通常の基準値にしてしまえばいいのに、そうはなっていませんよね?
ちゃんとした説明を行わないのは、愚民政策としか言いようがありません。
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http://www.minekyo.jp/bwyayu.pdf
これを見る限り、コーデックス規格は、あくまでパッケージドウォーター、つまり商
品として売られる「水」に関してのみ規格を設けているようです(というか、コー
デックス自体がそのような性質のもの)。この文献の3.2.1「化学的、放射線額的物
質の健康関連限度値」の部分を見ると、「すべてのパッケージドウォーターは、『世
界保健機関が発行する最新の飲用水水質ガイドライン』の健康関連要件に従うものと
する」とあります。
つまり、売られている水に関する限り、コーデックス規格もWHOと同じ、つまり(ヨ
ウ素131に関しては)10ベクレルということになります。
[脱原発の日]で寄せられているメッセージから
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放射性物質に少ないから安全などという事はありませんから、非常時に基準を変えるなんて、
将来、一帯で子供たちに起きる事を理解しながら騙し見捨てています。断固抗議すべきですね。
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今朝の毎日新聞では暫定も消えていました。
日本産科婦人科学会は「乳児の飲用に関する基準(1kg当たり100ベクレル)を超える1kg当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことに学会の考え方をまとめ、仮に1L当たり200ベクレル前後の水道水を妊娠期間中の280日間、毎日1L飲み続けた場合、合計5万6000ベクレルとなり、総被ばく量に換算すると約1.23ミリシーベルトになる。胎児の総被ばく量は母体に比べて少ないとされており、悪影響が出る50ミリシーベルトを大きく下回る。また母乳中に分泌される放射性ヨウ素は母体が摂取した量の4分の1程度と推測されるため、授乳を続けても被害は起きないと推定した。ただ可能であれば、水道水以外の飲み物を利用するよう推奨している。」と報じています。
今や暫定基準値は堂々と基準値になっています。