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東京消防庁、7時間1260トン放水へ プール容量分

2011年3月19日13時51分

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 東京電力福島第一原子力発電所3号機の冷却作戦で、19日未明に連続放水できる態勢を整えた東京消防庁の派遣部隊は、午後1時半をめどに本格的な放水を始める。約7時間で1千トン以上の放水を目指す。防衛省は4号機への放水も検討。大阪市消防局が先遣隊6人を現地派遣したほか、政府は高さ約60メートルから放水できる生コン圧送機を準備するなど、態勢強化が進む。

 東京消防庁が19日午前0時半に構築したのは、海際に設置した「スーパーポンパー」と呼ばれる送水車で海水をくみ上げてホースで送り、最大で22メートルの高さから毎分3.8トンを放水できる「屈折放水塔車」から連続的に放水する方式。

 これまで自衛隊が行ってきた複数の消防車による放水は、あらかじめ消防車に搭載した水を放って引き揚げるやり方のため、1回の放水量は限られていた。海水をくみ上げながらの連続放水が可能になったことで、効率は格段に上がると政府関係者は期待している。

 同庁の予定では、放水は毎分3トンのペース。7時間の放水では計1260トンになる。3号機の使用済み燃料貯蔵プールの容量は約1千トンなので、仮にプールが空でも、これを満たすことが可能となる計算だ。

 屈折放水塔車は無人での作業も可能で、同庁は無人で放水を続けることも検討。7時間の作業では、途中に給油が2、3回必要になるという。

 同庁は同日、新たに車両14台と隊員102人を、先発した139人の交代要員として現地に追加派遣した。

 また、政府は同日朝、高さ約60メートルから放水できる生コン用の圧送機を、横浜市から現地に向かわせた。同様の機材の追加導入も検討している。さらに、大阪市消防局は同午前10時、職員6人を現地へ派遣。自衛隊や東京消防庁などと活動内容や必要な機材の調整にあたる。放水活動をする隊は陸上自衛隊の指揮下に入る見通しだ。

 一方、陸上自衛隊のCH47ヘリコプターが19日早朝、第一原発上空を飛行し、特殊な機材で原子炉の施設内部の温度を計測した。危険性の判断や、放水の効果を確認するためとみられる。測定は3号機、4号機、2号機、1号機の順で実施。より危険な原子炉を優先的に調べる方針とみられる。

 航空自衛隊の偵察機RF4も午前9時10分、空自百里基地(茨城県)から発進、第一原発一帯を上空から撮影した。RF4は胴体下部に赤外線探知装置やパノラマカメラなど3種類のカメラが埋め込まれており、同様に温度測定をしたとみられる。

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