東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)の被災者に向けて、個人オーナーが住宅を提供する「仮り住まいの輪」がこのほど発足した。暫定的な住宅を必要とする被災者と不動産オーナーとをソーシャルメディアを通じて結びつけ、賃貸住宅の空室から自宅の一室、ビル1棟などを仮の住まいとして提供するしくみだ。

 発起人はリノベーションの企画・設計を手掛けるアートアンドクラフト(本社:大阪市)の中谷ノボル代表。不動産コンサルティング会社のさくら事務所(本社:中央区)の長嶋修代表、リクルート住宅総研(本社:千代田区)の矢部智仁所長の賛同を受けて、実行委員会が結成された。

 3月末にホームページを開設し、期間、料金徴収の有無などを問わず物件登録を始める予定だ。個人オーナーの民間賃貸住宅や、ホームステイやホームシェアといった個人宅のほか、寮、社宅、ホテルなど幅広い物件提供を見込んでいる。物件の掲載ガイドラインや推奨する契約書式を作成するなど、個人間トラブルの防止にも取り組む。住まいの貸し手、借り手だけでなく、被災者への情報伝達や支援者の参画も幅広く募る。