緊急作業の被曝限度250ミリシーベルトに上げ 厚労省
福島第1原発に限る措置
厚生労働省は15日、福島第1原子力発電所の事故を受け、同原発に限って、緊急作業に従事する労働者が受ける放射線量の限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。同省は「首相官邸からの要請を受け、今回の原子力災害の拡大を防止するための応急対策」と説明している。
同省によると、国際基準では「重大事故時に救済作業における被曝(ひばく)は、人命救助を例外として約500ミリシーベルトを超えないようにすべきだ」としている。同省は「国際基準の半分以下ならば急性期の症状は認められない」と判断。放射線障害の専門家でつくる文科省審議会に諮問、「妥当」との答申を受けた。
1時間当たり400ミリシーベルトの放射線が出る現場では、限度100ミリシーベルトでは15分しか作業できないが、250ミリ以下だと30分以上作業できることになる。