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「震災対策義務あったといえない」東電、訴訟で反論

2011年5月19日11時16分

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 福島第一原発の事故で精神的苦痛を受けたとして、東京電力に慰謝料を求める訴訟が東京簡裁に起こされていたことが分かった。19日に第1回口頭弁論があり、東電側は事故について「今回の震災は異常で巨大な天災地変で、対策を講じる義務があったとはいえない」と反論した。

 今回の原発事故をめぐり、公開の裁判で東電に慰謝料を求める動きと、それに対する反論が明らかになったのは初めて。

 東京都内に住む臨床心理士の男性(46)が、「事故により極度の不安感、恐怖感を受けた」として、10万円の慰謝料を求めて3月末に提訴した。男性のもとには事故後、不安感を訴える相談者が相次いだという。

 東電側は答弁書の中で、「これまでの想像をはるかに超えた、巨大でとてつもない破壊力を持った地震と津波が事故の原因で、対策を講じる義務があったとまではいえない」と争う姿勢を示した。「原発の建設は法令に基づいて適切に行われてきた」とも述べた。

 そのうえで東電側は「都内で人体に被害が生じるレベルの危険性はなく、住民が極度の恐怖感を持つ状況には至っていない」と請求の棄却を求めた。

 この原発事故をめぐっては、公開の裁判ではないが、福島県双葉町の会社社長が東電側に損害賠償金の仮払いを求めて東京地裁に仮処分を申し立てており、非公開で手続きが進んでいる。(根岸拓朗)

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