ナチュラルキャピタリストのブログ

地球環境問題を切り口にした諸問題解決をライフワークとしている筆者が、独自な視点で語ります。

太陽光発電が原発や火力発電と同じ性質のエネルギーである理由

2010-12-19 17:40:15 | 日記

本当に久しぶりにブログを更新することにする。twitterという便利なツールがあると、どうしても、そちらに飛びついてしまうのだが、やはり連続ツイートしてもTLが分断されてしまうことにより、全部見てもらえないことが多い。やはり定期的にブログも書き、twitterと連携していくのが良いと痛感している。


さて、ここ1か月のことだが、私は今までメガソーラーとFiTを除いては肯定してきた太陽光発電を全否定する考えに変わった。早速、「太陽光発電は原発、火力と同じだ!」と、これまたセンセーショナルなつぶやきを始めた。おそらく私のツイートをご覧になった方々は「こいつは気でも狂ったのか?」と思うに違いない。twitterでも、これをブログに書いてほしいとおっしゃる方々もおり、今回詳しく書かせていただくことになった次第である。


まず、本論に入る前に地球温暖化とは一体どのようにして起こるのか、ということを明確にしておきたい。なぜならば、既存のマスメディアから垂れ流される情報は、「CO2!CO2!」の連呼であり、「発電時にCO2を出さない原発はクリーンだ!」などという、悪意に満ちた論外なスローガンも出ているが、基本さえ分かっていれば、こんなスローガンに惑わされる必要などないのである。さて地球温暖化には意外に思われるかもしれないが、実は、次の通り2種類ある。


1.温室効果ガスによるもの

温室効果ガスと言えば、なぜか二酸化炭素(CO2)ばかりが強調されますが、他にメタン(CH4)亜酸化窒素(N2O)(=一酸化二窒素)、ハイドロフロオロカーボン類(HFCs)、バーフルオロカーボン類(PFCs)、六フッカ硫黄(SF6)の合わせて6種類がある。例えばメタンの温室効果などは二酸化炭素の20倍以上と言われている。なぜ、二酸化炭素ばかりが強調され、「低炭素社会」なる言葉が流行るのか、にという疑問に関しては、非常に政治的な側面もあり、次の機会に譲ろうと思う。

温室効果ガスによる温暖化とは、以下の㈶省エネルギーセンターの資料が一番分かりやすいと思う。

http://www.eccj.or.jp/summary/warm.html

「要は、太陽から届く日射が大気を素通りして地表面で吸収され、加熱された地表面から赤外線の形で熱が放射され、温室効果ガスがこの熱を吸収し、その一部を再び下向きに放射し地表面や下層大気を加熱する」という仕組みにより生物の生存に適した気温に保たれるが、近年、産業の発展や森林の開拓などの人間活動の活発化に伴って温室効果ガスの濃度が増加し、大気中に吸収される熱が増えたことにより、地球規模での気温上昇が進行している」ということである。


2.回収困難な(高エントロピーの)熱によるもの

これが意外に知っているようで知られていないのだが、全ての放出された熱が対流圏と成層圏に滞留してしまうことによって起こる地球温暖化である。初めて聞くことかもしれないが、単に明確に報道されていないだけのことなのである。イメージとしては、ヒートアイランドや夏季に降るゲリラ豪雨である。これらは温室効果ガスのせいではない。都心のエアコンの室外機等から出た熱が対流圏、成層圏(この場合主に対流圏)に滞留することによる気候変動である。なぜこのことがきちんと報道されないのか筆者も全く理解できない。この回収困難な(高エントロピーの)熱による「第二の温暖化」も非常に重要なことなのである。これがきちんと情報発信されていないが故、例えば「太陽の光は無限だ!(それ自体は事実だが・・・。)」などという誤った考えに陥り、これは後述するが大変危険なことである。


但し、対流圏において人類がエネルギーを得ている場合(例えば昔ながらの林業で得た薪を燃やす等)は対流圏及び成層圏における熱バランスは保たれると考えられる。事実、産業革命以前は環境問題なるものも、現代ほど深刻には顕在化しなかった。しかし、産業革命以降、人類は対流圏及び成層圏の外、つまり地殻からエネルギーを得るようになった。まず石炭、次に石油、20世紀の中盤以降は原子力(ウランの採掘)である。


産業革命以来、人類は熱の大量消費ももちろんだが、電気というものを作り出すようになった。この電気というものも消費し終わった後は全て熱に変るのである。例えば、エアコン、IHクッキングヒーター、パソコン等全て熱を発生する。これらの熱は、当然、回収困難な熱となり対流圏及び成層圏に滞留してしまう。現在電気というものは、バイオマス発電、水力発電、風力発電を除けば、全ての電気は対流圏、成層圏の外からエネルギーを取り出すことによって作られているのである。前述したように古来から人類は対流圏の中でエネルギーを得ることによって対流圏、成層圏の熱バランスを保ってきたが、それらの外から電気を得ることは当然、対流圏や成層圏の熱バランスを崩すのである。


さて太陽光発電は、温室効果ガスを一切出さない、環境に優しいエネルギーであるはずであるが、これも大きな間違いである。地殻からエネルギーを取り出していないではないか?とおっしゃられるかもしれないが、太陽が存在する宇宙というのも滞留圏、成層圏の外なのである。ドイツ等で大量設置が始まっているが、こんなものを大量に取り付ければ、回収困難な熱の滞留による「第二の温暖化」が一層進行するだろう。しかも人類は「太陽の光は無限だ!(嘘ではないが・・・。)」と考えているので、電気が浪費され、「第二の温暖化」が加速的に進行する可能性すらある。非常に危険なことなので警告しておく。


こういうと次のような反論をされる方がいるかもしれない。「太陽の光がなければ生物は死滅してしまうではないか!」。これは正しい。まず、植物は光合成によって生育が保たれる。その他動物に対する太陽の光の恩恵、例えば健康への影響に関しては、筆者は専門でないので割愛するが、はっきり言えることは、これらはエネルギーという観点とは直接的には別のことである。間接的に言えば、人類は光合成で生育の恩恵を受けるバイオマスを利用することでエネルギーを得ることができる。



従って、太陽光発電は対流圏、成層圏の外からエネルギーを取り出すという観点で、原発、火力と同じなのである。また同様にクリーンなエネルギーともてはやされている地熱発電に関しても筆者は完全にダメ出しをしたい。


本当に地球に優しいエネルギーを順番に並べれば、バイオマス≧小水力>風力の順番になると考えられる。但し、バイオマスは健全は生業としての林業、農業、水産業から得られたものでなければならないという条件がつく。つまり、「林業風工業」「農業風工業」で得られたバイオマス、特に遺伝子組み換えを使用したエネルギー作物は非常に危険であることを最後に警告しておく。

 


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