7人の母乳から微量の放射性物質 厚労省「影響ない」
厚生労働省は30日、福島、茨城など1都4県に住む女性23人の母乳を検査した結果、7人から健康に問題がない程度にごく微量の放射性物質を検出したと発表した。牛乳や水道水の暫定規制値と比べ極めて低く、同省は「乳児への影響はない。母乳は栄養面などで利点が多く、普段通りに育児をしてほしい」と呼びかけている。
検査は4月24~28日、1人当たり80~100ミリリットルの母乳の提供を受けて実施。23人の内訳は福島4人、茨城9人、千葉2人、埼玉1人、東京7人で、首都圏については、出荷制限された野菜などの産地に住んでいたり、水道水が一時摂取制限されたりした自治体に住む人を選んだ。
母乳から放射性ヨウ素が検出されたのは、福島県いわき市、水戸市、茨城県常陸大宮市、下妻市、笠間市(2人)、千葉市に住む計7人。最も高かったのは水戸市の女性の1キログラム当たり8.0ベクレルで、最も低かったのは下妻市女性の2.2ベクレル。放射性セシウムが検出されたのはいわき市女性(同2.4ベクレル)だけだった。
母乳の暫定規制値はないが、牛乳の場合は放射性ヨウ素が1キログラム当たり100ベクレル、放射性セシウムが同200ベクレルで、検査結果は大幅に下回った。
母乳を巡っては、市民団体が独自調査の結果として、千葉県などの女性から3月下旬に放射性物質が検出されたと発表したことなどを機に、厚労省が緊急に検査した。