情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

これがすべての鍵~なぜ、海兵隊のグアム移転と普天間の辺野古移転とをセットにしないといけないのか?

2010-07-25 16:47:25 | 有事法制関連
 海兵隊のグアム移転のためには、普天間飛行場の辺野古への移転が不可欠だって思わされている。辺野古への移転が実現しないと海兵隊のグアム移転も実現しないし、そうなれば、普天間飛行場はそのまま使い続けられる。これでは、普天間周辺の人の被害がなくならない…。しかし、果たしてそうだろうか?

 ちょっと、考えればわかるが、沖縄から海兵隊8500人をグアムに移転することと、海兵隊が利用する沖縄県内の普天間飛行場を移転することは同時に行う必要はない。

 まず、海兵隊がグアムに移転するのを待ち、沖縄に残った海兵隊の普天間飛行場の利用状況を確認したうえで、必要な機能をいかに代替させるか、ということを検討すればいいはずだ。

 ヘリコプターのほとんどがグアムに移転する可能性があるという分析も、沖縄県宜野湾市の伊波洋一市長らによってなされている。

 ならば、まず、グアム移転の結果を見てから…というのが合理的なようだが…。


 ちょっと歴史を振り返ってみよう。

 そもそも、普天間飛行場の辺野古への移転は、1995年9月の米軍人による少女暴行事件をきっかけとして、沖縄における米軍基地の縮小を検討する特別委員会SACOにおいて、決められたもので、当初は、撤去可能な海上施設を辺野古に設けるということで日米政府は合意していた。

 ところが、沖縄県民にしてみれば、沖縄県民の負担軽減といいつつ、県内に移設されるというのでは納得がいかない。結局、7~8年後をめどに普天間を返還するという合意は守られないままずるずると時間が過ぎた。その間に、土建業者の利権を拡大するためか、代替施設の規模は拡大し、撤去可能という条件は変更され、埋め立てによることとなった。滑走路も当初の1本から2本へと増えた。

 この変更によって、米海兵隊にとって、現状の老朽化して使いにくい普天間飛行場よりも、使い勝手のいい最新の辺野古飛行場の方が望ましいことがはっきりした。撤去を迫られることもないわけだ。


 ところが、期限がきた2002年、2003年ごろ、米国では、世界的な軍の再編が検討された。沖縄の基地はグアムに移転することとなった。移転の理由は、沖縄県の住民の米軍に対する感情を和らげるためであるが、他方で、自由に部隊を展開できる基地が必要だと考えたようだ(※1)。つまり、いくら日本がアメリカの言いなりになっているとはいえ、侵略戦争に使用されることについては、反対する世論が盛り上がり、基地の利用に支障が出ると考えたのかもしれない。そこで、自国であり、かつ、位置的に各地へ展開しやすい場所としてグアムが選ばれた。

 
 というわけで、本来普天間の辺野古移転と海兵隊のグアム移転はセットではないはずだった。

 ところが、先に海兵隊のグアム移転が進んでしまうと、「あれ、ほとんど普天間は使われなくなったじゃないか」ということになる…。そうすると辺野古移転は、必要ない、という声が大きくなる。

 そこで、実態がばれるのを防ぐため、辺野古の普天間移転を海兵隊のグアム移転とセットにしてしまった…としか考えられない。

 冒頭の図(※2)は、沖縄からグアムへの海兵隊の移転の概要を示している。

 次の図(※3)は、普天間移転を含む沖縄県内の海兵隊基地統廃合の概要を示している。

 次の図の左肩に、

 Guam program connected directly to progress on FRF
 (グアム移転計画は、普天間代替施設の進展にかかっている)

 と書いてある。

 しかし、なぜ、かかっているのかの説明は書かれていない。そして、これまで、日本の有権者にも説明されていない。






 米軍の考えは、ようは、グアム移転も辺野古の新しい飛行場も日本の納税者の血税で作らせてしまおうってことだ。そのためには、先にグアムに移転するのではなく、グアム移転と辺野古移転を同時に行う必要がある…。

 いま、グアム移転が少し遅れているようだが、基地反対運動が盛り上がれば持ち上がるほど、住民の反対という意味で使い勝手の悪い沖縄からグアムへの移転の機運は高まる。そして、グアム移転が実現すれば、普天間が実際には使われなくなることが明らかになるだろう。そうなれば、現実には、普天間廃止となる。

 やはり、沖縄住民、そして、本土の有権者、納税者が、沖縄の基地にノーと言い続けることが、普天間撤去の近道だといえよう。


 ちなみに、アジア太平洋地域の米軍再編を説明する資料(※4)には、日本のところだけ、地元がいくら負担するかが書かれている。

 Japan funds: $20B for 16 in Japan;$6B for Guam
(日本負担額:国内16施設200億ドル、グアム60億ドル)

 US funds: $4B for Guam only
(米国負担:グアムだけ、しかも40億ドルぽっち)
 
 「日本をカモにするのはやめられないね…。」

 「新施設の使い道は、日本の安全保障ではなく、イラクやアフガンのような米国のための資源戦争なのにね」



※1「We are putting forces in places where we think we might be able to use them, employ them without any request from any party for permission to do that.」(Admiral Fallon HAC testimony 8 Mar 06)http://www.sameanchorage.org/tropics-tundra/files/briefings/03%20Wong%20PACOM-%20Perspectives%20of%20the%20Pacific.pdf の17頁

※2及び※3
http://posts.same.org/JEETCE2007/presentations/2.3Bice.pdf

※4
http://www.sameanchorage.org/tropics-tundra/files/briefings/03%20Wong%20PACOM-%20Perspectives%20of%20the%20Pacific.pdf の13頁

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