これからの自転車まちづくり

自転車まちづくり交流イベント2011
「これからの自転車まちづくり」
に参加してきました。


日時:2011年1月23日(日)
主催:自転車文化タウンづくりの会


昨年は京都市で、一昨年は堺市で会合がもたれた「関西自転車まちづくり交流会」。
cycle編集部のツカムラも、交流しに毎年、お伺いしています。
本年はゲストが豪華!(といっても地味ではありますが…すいません)なこともあり、参加者もたくさん。
また、パネルトークには、常連メンバー以外に、ハンドサイクル「チャリラボ」の尾形浩一朗さんが参加していて、
いつもより若い参加者もちらほらいらっしゃいました。


さて、豪華ゲストとは、国内外の自転車政策・自転車計画および都市公共政策がご専門の、
古倉宗治先生住信基礎研究所研究理事、京都大学大学院客員教授)です。
昨年10月に『成功する自転車まちづくり〜政策と計画のポイント〜』が学芸出版社から出版されました。

「あのアメリカが自転車利用促進に500億円もつぎ込む理由」という序章から始まり、
自転車のメリットを数々のデータをあげて説き、それにもかかわらず居場所のない自転車を正当な地位におくための
具体的な考え方や、手法、効果などを、さまざまな例やデータとともに解説されています。


緻密な本と同様に、頭の中もきっと緻密に違いない小倉先生のお話は、
60分とは思えないほど濃い内容のマシンガントーク
「わが国は自転車の位置づけが低い」のスライドでは、「日本は6段階の3」と評価。
ちなみに、ステージ6は自転車が唯一最重要の交通手段で、
「自転車をクルマよりも公共交通よりも優遇するとした〈ロンドン自転車革命2010〉」を例示。
コペンハーゲンは5で、クルマよりも自転車を優先したもの、4はクルマと同等のアメリカほか先進国など。
「自転車走行空間の計画延長km」のスライドでは、大阪市の600kmについて、
大阪市は470kmを完成済としているが、うち240kmは歩道上で、単なる〈歩道の自転車通行可〉なだけ、
しかも線も引いていない。これではサギではないか!?」と語気を強めておられました。


また、どこの街も(ドイツのフライブルク市以外)、自転車専用道路一本でがんばってるわけではなく、
車道と共有しています、と。
そうすると、「共有したら危ないのでは?」という疑問が必ず出てくるが、
古倉先生は、交差点での事故形態や事故の原因、アメリカでの走行方法などを説明。
そして、自転車専用的走行空間の例を3種あげたり、共用道での表示・標識のいろいろをご紹介くださいました。
そのほか、駐輪問題についてなども…まっ、詳しくは、本を読んでください。
でも、おしゃべり付きだととてもわかりやすかったです。


後半のパネルトークでは、NPO法人環境市民 自転車チームちゃり民
輪の国びわ湖推進協議会ハンドサイクル「チャリラボ」
堺 自転車のまちづくり・市民の会、LLP自転車ライフプロジェクト、
自転車文化タウンづくりの会のみなさんと、古倉先生、
そして井上守さん(コミュニティマネジメント協会)らがずらり勢揃い。


それぞれの今年度の活動報告につづき、一般参加者からも質問が出て、活発な会となりました。


来年も行きま〜す!
cycle編集部 ツカムラ


第一部 講演会「成功する自転車まちづくり〜自転車まちづくりの今・これから」。講師は古倉宗治先生。



手で操作する自転車、ハンドサイクルの「チャリラボ」代表の尾形浩一朗さん(左)も発表。
「2011年5月に、京都のハンドサイクリスト近藤麻友美と仲間たちがハンドサイクルで琵琶湖一周に挑戦します」。
ハンドサイクルには最初から乗物となっているものと、車いすに取り付けるアダプター式のものがあって、
「誰でも好きな時に好きな人と出かけられる社会を作る」が、「チャリラボ」のコンセプト。
隣にいるのは、輪の国びわ湖推進協議会の近藤さんです。
尾形さんは、最近、「サイクルを見本にフリーペーパー〈出町と柳〉を作りました」とのこと。うれしいです。