奈良県の産業・雇用創造チャート(資料:総務省「地域の産業・雇用創造チャートの概要」から抜粋)
奈良県の産業・雇用創造チャート(資料:総務省「地域の産業・雇用創造チャートの概要」から抜粋)
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 総務省は5月29日、地方自治体ごとの地域産業構造を一目で分かるようにグラフ化した「地域の産業・雇用創造チャート」をオープンデータとして公表した。地域にある各産業の「稼ぐ力」と「雇用力」を示したものだ。地域の産業政策を検討する自治体のほか、大学や民間企業などにも広く利用してもらう。

 経済センサスと国勢調査のデータを分析して統計処理したグラフで、全都道府県・市町村ごとに作成している。縦軸に「雇用力」(雇用吸収力)、横軸に「稼ぐ力」を取り、各産業がどれくらいの力を持っているかを示した。上に行くほど雇用を生みだす力が強く、右に行くほど地域外からお金を稼ぐ力が強い。これにより、その地域において何が基盤産業であるかが分かる。

 閣議後の記者会見で高市早苗総務相は「基盤産業が伸びていけば、非基盤産業にも波及効果が出て、人口対策にもなり、地方が自立して経済成長していく。チャートはそのためのツールになる」と述べた。チャートは総務省統計局のウェブサイトで公開している。

 総務省は、まち・ひと、しごと創生本部が4月21日に供用開始した「地域経済分析システム」(RESAS)と相互補完的に用いて、地方版総合戦略策定の情報支援を強化できると説明している。

・地域の産業・雇用創造チャート(総務省)