書籍はもはや所有する“モノ”ではなく、ライセンスを受けたり、またはアクセスする情報となる。ITの価値が存在する場所に変化が起きている--米ガートナー ラスキーノ氏 「ITの価値」が存在する場所が確実に変化した。米Gartnerはこの変化を「コンシューマライゼーション」という言葉で表現している。同社フェローのマーク・ラスキーノ氏は、「従業員よりも顧客が使用する技術の方が重要性が高い」と述べ、CIOは顧客向けの技術にフォーカスすべきだと訴えている。 「私たちは非常に強力な事例を紹介できる。それは出版業界だ。出版はクラウド技術によって改革を求められており、Amazon、Apple、Google が業界の将来を握っていると言われている。書籍はもはや所有する“モノ”ではなく、ライセンスを受けたり、またはアクセスする情報となる。著者や出版社に与えられる利益の比率にも変化が起こっており、これまでの業界の慣習は大きく破壊され、コントロールがきかない状況だ。今後、銀行や保険がクラウド時代に突入したらどうなるか、まだ誰もわからない。ただし、こういった戦略上重要なビジネスの可能性がハイプサイクルを経るには四半世紀ほどかかる。クラウドビジネスの真価を金融業界が経験するには、まだ15年くらいかかるのではないか」