♪宮さん宮さん お馬の前で
ヒラヒラするのは なんじゃいな
トコトンヤレ トンヤレナ♪
「宮さん宮さん」または「トコトンヤレ節」と呼ばれるこの歌は、明治維新の折りに倒幕軍の行進曲として歌われたという、いわば“官軍進軍のテーマ”。明治時代に流行し「日本初の軍歌」とか「日本で初めての流行歌」と言われている。
ピィ~ヒャ~ラ ピッピッピ♪
ピィ~ヒャ~ラ ピッピッピ♪
という高らかな笛の音のイントロに、軍歌にしてはいささか陽気な調子で歌が続く。品川弥二郎が作詞したものに大村益次郎が曲をつけたといわれているが、作曲者は弥二郎と恋仲であった勤王芸者の中西君尾だという説もある。そういわれてみれば、確かに三味線と太鼓の「トコトン」が似合いそうな気もする。
歌詞は6番まであって、前半「狙い外さずどんどん撃ち出す薩長土」などという、勇ましいとも物騒とも思える歌詞がある一方、終盤になると「国を追うのも人を殺すも誰も本意じゃないけれど」「命惜しまず魁けするのも皆お主の為故じゃ」などと、苦悩や悲壮な決意も感じられて、ずっと幕末動乱の直中に居続けた弥二郎ならではの歌詞なのかなぁ、なんて思ってしまう。
一定年齢以上の山陰地方の人には、錦味噌のCMとしてもお馴染みだった歌である。錦味噌というのは島根県松江市のお味噌屋さんの味噌の銘柄で、CMは山陰の民放のTV放送の開始に伴って、昭和39年から放映されたものであり、今でも小西本店のHPで見ることができる。
●d-score
解説・歌詞・楽譜、曲も聴けるサイト。歌詞が旧字や旧仮名遣いで掲載されている。
●小西本店
上に紹介した、島根県松江市のお味噌屋さんのサイト。例のCMが見られます。