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おしゃべり散歩道2010

自転車でエコ&ヘルシー

 蝉の声が小さくなると共に、虫の音を乗せた風が気持ちよく感じられるようになりました。普段はジョギングしている私も、この時期は自転車に乗りたくなります。風を切る感覚が好きで、郊外に住んでいた頃はよく自転車で出かけたものです。しかし、仕事の関係で都心部に住みようになってからはパッタリ。鈍くさい私は車道の喧騒が怖くて自転車に乗れません。大半の自転車愛好家(バイカー)にとって、日本の街はまるで障害物競争のように思えるのではないでしょうか。ルール通りに車道の左端を走っていると駐車している車があり、右に避けると後ろから来る車からクラクションを鳴らされ、歩道に上がると歩行者優先。段差も多く、気持ちが休まりません。
 この夏、ウィーンを訪れた時のこと。市の中心部には、城壁を撤去した跡にリング通りという環状道路があります。一周約5kmで、車道脇の並木の下には自転車道と歩道が分かれて作られています。その幅は2m位。ランナーとバイカーがすれ違う時に挨拶を交わし合う姿を微笑ましく感じました。また市内にはレンタル自転車も。50カ所以上もあるというレンタル自転車はA地点で借りて、B地点で返すことも出来ます。1時間以内なら無料。2時間で1ユーロ、5日間借りっぱなしでも4ユーロと値段も手頃です。まさに自転車天国だと感じました。
 東京マラソンで都心部を7時間も交通規制した日、「空気がキレイだな」と感じたことをきっかけに環境問題に興味を持っています。移動を自動車から自転車に変えれば1km当たり230gのCO2削減になるとのこと。市街地でも悠々と自転車に乗れる環境整備が出来れば、環境のためにも健康のためにもよいと思うのです。

(共同通信/2010年9月17日配信)

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