大手国債格付け会社の米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6月4日、ベトナムの主要格付け(Ba3)の見通しを「ポジティブ」から「ネガティブ(弱含み)」に2段階変更したことをシンガポールで発表した。インフレ圧力と国際収支に対する政策対応の不足が理由とされている。
変更された見通しは、外貨建て及び自国通貨建て長期政府債務格付け(Ba3)と外貨建て銀行預金のカントリー・シーリング(B1)の見通し。シニア・バイスプレジデントのトム・バーンズ氏は、インフレ上昇を抑制することが極めて難しくなっており、国際収支に対する圧力が急速に高まっていることを指摘した。
また同氏は、今後の数ヶ月間、上記2つの懸念に対する国家としての強い意志が試されることになるとし、現在のマクロ経済と国際収支の動向は持続不可能な状態にあるとも付け加えている。
すでにこれまで、S&Pやフィッチがベトナムの格付けの見通しをいずれも「ネガティブ(弱含み)」へと下方修正している。
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