政府税調、給与所得控除に上限設定 富裕層への課税強化
2011年度税制改正を議論している政府税制調査会は13日の全体会合で、サラリーマンの税負担を軽減する給与所得控除に上限を設けるなど富裕層への課税を強化する方針を決めた。
給与所得控除については年収1500万円を超える分を対象外とする。23~69歳の家族を扶養する人の税負担を軽減する成年扶養控除は年収568万円(所得400万円)を超える納税者には原則適用しない。ただ障害者、65歳以上の高齢者、学生などを抱える納税者には同控除を存続させる。
五十嵐文彦財務副大臣は終了後の記者会見で、富裕層の負担増について「人間が生きていくのに必要な経費はおのずから決まっている。(使い残しへの課税強化が)直ちに消費の大幅な減退につながるとは見ていない」と説明した。
相続税の非課税枠も縮小する方針。現行の非課税枠は5000万円に法定相続人1人あたり1000万円を加算した額だが、3000万円と相続人1人あたり600万円に圧縮する。
一方で配偶者控除の圧縮・廃止については民主党内の慎重論に配慮し、11年度は見送る。
政府税調は法人実効税率の5%引き下げや11年末に期限が切れる証券優遇税制について最終調整中。11年度税制改正大綱を16日に閣議決定することを目指している。〔日経QUICKニュース〕