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鹿児島市の高齢夫婦殺害、地裁判決の要旨

死刑求刑事件、裁判員裁判で初の無罪

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裁判員裁判の死刑求刑事件で初めて無罪を言い渡した高齢夫婦殺害事件で、10日の鹿児島地裁の判決要旨は次の通り。

【争点と証拠関係】

本件の争点は、被告を犯人と認めることができるかだ。

検察官は(1)犯人が侵入する際にスコップでたたき割った窓の網戸に被告のDNAが、窓ガラスの破片と室内の物色された形跡が残る場所に被告の指紋などが付着していたこと(2)スコップが凶器に使用されたこと(3)不審な第三者の痕跡がなく、被告に動機や被害者両名を知る機会があり、アリバイがないこと――などを総合し、被告を犯人だと主張。弁護人はDNAや指掌紋も偽装工作の疑いがあるなどと主張する。

被告を有罪であると認定するには、状況証拠から合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に立証されることが必要であり、被告が犯人でなければ合理的に説明することができない事実関係が含まれていなければならない。また、被告に不利な状況証拠だけではなく、有利な状況証拠や、犯人であれば発見されるべき痕跡がないことなどの消極的な状況証拠も取り上げるべきで、現場のどこから、どのような痕跡が採取され、されなかったのかを漏らさず確認しなければならない。

【検討】

検察官が主張する真犯人の行動には、侵入の手口や犯行目的、逃走経路など重要な部分に疑問があり、犯人性を認定するには慎重であるべきだ。

DNA型鑑定の結果は信用でき、汚染や偽装工作が行われたとか、再鑑定できないから信用できないとの弁護人の主張は採用できない。しかし、細胞片が網戸のどこに付着していたかは断定できないので、被告が過去に網戸に触った事実を認定できるにとどまる。

ガラスの破片に被告の指紋が付着していたが、犯人が破片をどのように動かしたか不明である以上、割れた後に付着した指紋とは断定できない。

整理だんす周辺から採取された被告の指掌紋が捏造(ねつぞう)であるとの弁護人の主張は採用できず、被告が過去にその周辺を触った事実は動かないが、被告の指掌紋が付着した後に別人が物色した偶然の一致も否定できない。

被告は重大犯罪を犯すほど経済的に追い詰められていたとは認められず、被害者両名の生活状況を把握していたとの証拠はない。アリバイがないこと自体は犯人性を推認させる事情ではない。

また、検察官は被告以外の不審な第三者の痕跡は何一つ発見されなかったと主張するが、鑑定の結果は、特定できたものが一部であったことを示しているにすぎず、第三者のDNA型や指掌紋が存在する可能性がある。現場保全が完璧であったかも疑問であり、真相解明のための捜査が十分に行われたのかも疑問で、検察官の証拠提出の経緯などに照らし、他に被告に有利に働き得る証拠があるのではないかと疑わざるを得ない。

最重要証拠であるスコップから被害者のDNAが検出されたのに、被告の痕跡がまったく検出されなかった事実は犯人性を否定する事情だ。また、被告の手にスコップを振った痕跡が残っていた証拠もない。本件犯行の目的が金品目的の強盗であったのか自体に疑問が残ること、被告側から現場や犯行と結び付く痕跡がまったく発見されなかった事実は、犯人性を疑わせる事情だ。本件犯行は、計画的に見える半面、成り行き任せに見える面もあり、被告を犯人と仮定すると不自然さはいっそう際立つ。

「被害者宅に行ったことは一度もない」という被告の供述は嘘であるが、その一事をもって、直ちに犯人であると認めることはできない。

結局、(1)過去に網戸に触った事実(2)過去に窓ガラスの外側に触った事実(3)過去に現場に立ち入り、整理だんすやパンフレット類に触った事実――が認められるにすぎないが、単独ではもとより、総合しても被告を犯人であると推認するには遠く及ばない。犯人性を否定する事情が多々認められる以上、被告が嘘の供述をしていることをもって犯人性が強く推認されるともいえない。

【結論】

本件程度の状況証拠によって被告を犯人と認定することは、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に照らして許されない。〔共同〕

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