現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ホコリはどこからくるの?大阪府・阪本知也さん(11)からの質問 2007年08月22日 ◇ののちゃん 学校(がっこう)でね、いつも思(おも)うんだけど。 ◆藤原先生 なあに。 ◇ののちゃん 毎日(まいにち)まいにち教室(きょうしつ)の掃除(そうじ)してるのに、次(つぎ)の日(ひ)はもう床(ゆか)にホコリがたまってる。何(なん)でだろ。 ◆先生 外(そと)から風(かぜ)に乗(の)って砂(すな)ボコリが入(はい)ってくることがあるでしょう。まずはそれがあるよね。 ◇ののちゃん だけど、寒(さむ)い日とかで窓(まど)を閉(し)め切(き)っていても、やっぱりホコリがたまるよ。いったいどこから来(き)てるんだろ。 ◆先生 それはね、極端(きょくたん)な言(い)い方(かた)だけど、私(わたし)たちが自分(じぶん)でつくっているの。 ◇ののちゃん どういうことなの。 ◆先生 ホコリはいろんなものでできてるけど、人間(にんげん)のアカやフケがかなり多(おお)いんだって。人(ひと)が活動(かつどう)していると、皮膚(ひふ)と衣服(いふく)がこすれたりして、大人(おとな)だとだいたい1日に1グラムくらいはがれてホコリになるそうよ。 ◇ののちゃん ふうん。アカはお風呂(ふろ)でとれるものだとばかり思(おも)ってた。 ◆先生 それに、人が動(うご)くと服とかじゅうたんとかから繊維(せんい)の断片(だんぺん)がはがれて綿(わた)ボコリができるの。これが家庭(かてい)のホコリの大半(たいはん)を占(し)めるそうよ。ペットの毛(け)や羽根(はね)、食(た)べもののかす、花粉(かふん)とかもホコリになるわ。含(ふく)まれる割合(わりあい)は住(す)む環境(かんきょう)によって全然(ぜんぜん)違(ちが)うのよ。 ◇ののちゃん 窓を閉め切ってだれもいなければ、たまらないかな。 ◆先生 ホコリは種類(しゅるい)だけじゃなくて大(おお)きさもいろいろ。小(ちい)さいホコリはいつも空中(くうちゅう)を漂(ただよ)っているんだよ。0.01ミリメートルより小(ちい)さいホコリだとほとんど見(み)えないから、気(き)づくのは難(むずか)しいけどね。 ◇ののちゃん それがゆっくり落(お)ちて、また床にたまっていくんだ。 ◆先生 その通(とお)り。実験(じっけん)でわかったんだけど、0.001ミリの砂ボコリは1メートル落(お)ちるのに約3.5時間(じかん)、綿ボコリだと9時間ぐらいかかるんだって。 ◇ののちゃん 9時間も! それじゃあ床を掃除しても意味(いみ)ないかな。 ◆先生 ためないことが大切(たいせつ)。家庭で出(で)るホコリ1グラムの中には、多いと7000匹(せんびき)近いダニがいるのよ。掃除をしないと、アカやフケを食べてどんどん増(ふ)えるわ。 ◇ののちゃん 気持(きも)ちわるいなあ。 ◆先生 ダニはぜんそくや皮膚炎(ひふえん)といったアレルギーの原因(げんいん)になるそうよ。高温(こうおん)や湿気(しっけ)が好きだから、夏(なつ)は特(とく)に増(ふ)えやすいんだって。逆(ぎゃく)に、10年(ねん)以上(いじょう)も空(あ)き家(や)のホコリを調(しら)べたら、ダニはほとんどいなかったって。 ◇ののちゃん 自分がつくってるなら、掃除もしないとダメかなあ。 ◆先生 そう。空中(くうちゅう)のホコリを追(お)い出(だ)すために、窓をこまめに開(あ)けることも忘(わす)れないでね。 (取材協力=神奈川県衛生研究所・竹田茂さん、ダスキン、構成=田村建二)
(朝日新聞社発行 8月19日付be)
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