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■尾形香三夫陶芸展 (9月13日まで)

2009年09月10日 23時49分01秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 
Kamio OGATA is a ceramic artist who lives in Shin-shinotsu village near Sapporo City. He is a member of the Japan Crafts Association.
His plate and pot are collection of Metropolitan Museum and New Orleans Museum in United States.
His tecnique is called NERIAGE or NERICOMI. He makes very defficult and motive design on his works by some colors soils. His works are not only large pot but vase,plate,cup,and tea tools. Some kind of soils makes a lot of layers on his works. They look like rainbow or kaleidscope.


…と、ちょっとおおげさに書いてしまったかもしれませんが、あいかわらず驚異的な練り上げ(練り込み)技法を追求している陶芸家の尾形さん。
 江別のとなりにある石狩管内新篠津村で、独学で技をみがき、現在は日本工芸会の正会員。伝統工芸新作展でも毎年のように入選を果たしています。

 ミリ単位の細かい模様が表面を覆っていますが、これは釉薬によるものではなく、異なる色の土を重ねることでつくりだした模様なのです。
 練り上げとよばれる技法で、古くから知られていますが、これほどの精密さで取り組んでいる作家はごく少ないと思います。




 尾形さんは、毎年の個展で、新しい展開をみせています。
 上の画像で、左にあるのは「練上花生“波動”」。
 練り上げによる模様に加え、水の波紋を思わせる同心円の模様が、表面に複雑な表情を与えています。この同心円は、粘土がやわらかいうちに表面を削り取ってつくるのだそうです。

 しかし、尾形さんは、穏やかな口調ながらも
「まだ途中ですね」
と言い、まだ満足していないということです。
 新しい展開が実を結ぶまで1年半3年もかかることもあるそうですが
「コレクターはおなじ作品を買ってくれないし、新しいことをやっていかなくてはならない」。
 挑戦する姿勢は以前と変わりません。

 ちなみに、右端にちらっと見えるのが「月に降りる」。
 アポロ11号のように逆三角錐の形をしているところから命名されたそうで、尾形さんのユーモア感覚がうかがえました。 

 


 筆者のような不器用でがさつな人間には、等間隔で模様をつけていって、どうして一周してつじつまがあうのか、不思議でたまりません。ひたすら脱帽するのみです。
 このほか「練上摺文花入」「練上縞花入」や、ぐいのみ、ペンダント、フリーカップ、皿などが展示されています。
 一部、練上ではなく、炭化の技法による器もありました。

 尾形さんは10月ごろ大同ギャラリーで個展をひらくのを通例としていますが、ことしは時期を繰り上げたところ、同ギャラリーの空きがなかったため「さいとう」で開催したとのことでした。


2009年9月8日(火)-13日(日)10:30-18:30(最終日-17:00)
さいとうギャラリー(中央区南1西3 ラ・ガレリア5階 地図B)


http://www.phoenix-c.or.jp/~ogatak-m/

尾形香三夫陶芸展(2008年)
尾形香三夫陶芸展(2007年)
06年の個展
03年の個展(画像なし)
02年の個展


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
残念・・・ (Juni)
2009-09-13 22:01:24
梁井様 こんにちは。
只今道外なので、ここで見られて嬉しいです。
尾形さんの作品、素敵ですよね~。ひとつほしいなあと思っていますが、最近はいつも開催時に札幌に居なくて・・・・。あ、私が買えるのは小さな物ですが、どんどん高くなって手が届かなくなりそう。
ネットではなくて実物で選びたいですしね。

*今、どらえもん時計が鳴ってびっくり・・・。

Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-09-13 23:38:27
Juniさま、こんばんは。
ドラえもん時計、お騒がせしております。でも、かわいいでしょ?(かわいくないか)

尾形さんの作品、すごいですよねー。どこまで進化するのだろう。
小さいのは、買えないほどではありませんが・・・。手間隙を考えると、ちょっと高いのは仕方ないですよね。

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