情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

自分で仕掛けておいてアメリカのせいにするのは、日本のお家芸~大使猿芝居のルーツは裁判権放棄

2009-12-25 02:46:50 | 有事法制関連
 普天間移設問題をめぐり、藤崎駐米大使が21日にアメリカのクリントン国務長官に呼ばれ会談したと虚偽の説明をしたことについて、大手メディアが藤崎大使を非難する様子はない。なぜ、大手メディアがそういう態度をとり続けるのかは分からないが(事実を捻じ曲げてでもアメリカに貢物をし続けて米軍に駐留してもらうことが日本にとって必要だと勝手に信じ込んでしまっているのか、それとも、これもまた個人的あるいは会社的利権なのか…)、日本が自ら仕掛けておいて、アメリカのせいにして日本の有権者をごまかそうとするのは、伝統芸、お家芸だ。とれたての、分かりやすい事例を紹介したい。

 米軍関係者に対する刑事裁判権放棄に関する情報が掲載された検察内部の資料(合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料)を国会図書館が閲覧禁止にしたことに対し、閲覧を請求したフリージャーナリスト斎藤貴男さんが処分取消を求めて争っている事件で、弁護団は、アメリカ公文書館の秘密解除文書を入手した。すでに一部は裁判所にも提出しているが、まだ、未提出の文書の中に、次のような文章があった。この文書は、米国側が日本側に対し、米兵に対する裁判権について事実上放棄するように求めていることについて、日本側が秘密合意にしてくれれば妥協できると説明したことについて、アメリカ側が内部で報告するために作成したものだ。日付は1953年8月25日、昭和でいえば、28年。沖縄返還が返還された1972年の20年近くも前のことだ。

 この文書の一部に次のような記述がある(翻訳は未確定)。




 
【三宅はこの文書を読んだ後、微笑んで、氷は溶けたように思えると話した。しかし、彼は、(米兵に対する日本の裁判権)放棄に関するアメリカの提案に関して言えば、メモの交換や一方的な書簡(による合意)は論外だと述べた。彼は、交渉における極秘合意(イニシャルによる署名付き)という形であれば、日本側が受け入れることができるできるだろうと述べた。家族(の放棄)に関する問題点も同様に扱われるべきだと話した。私は当方では放棄に関する極秘合意についてはさらなる検討が必要であり、もし受け入れられるとしても放棄に関する何らかの公開での声明が必要となるだろうと答えた。そして、そのような免責に関する秘密合意が表面化した場合、問題が生じるかどうか聞いた。三宅氏は、日本では起訴するか否かは検察官の専権なので、当局にとって重大な問題にはならないだろうと答えた。三宅氏は、日本の政策を明確にしてアメリカを満足させるためには極秘合意による譲歩しかないと述べた。】

 こうやって、日本側から密約にするように持ちかけておいて、その秘密がばれそうになると、「アメリカ合衆国との間の協議の内容等に関する記載があり、公にすることにより他国との信頼関係が失われる恐れがある」(法務省刑公第22号平成20年5月27日)として、国会図書館が閲覧している文献(「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」)について、閲覧を禁止し、かつ、パソコンでの検索でも文献名がヒットしないような措置をとったわけだ。

 つまり、日本の政府(自民党政府=官僚支配政府)は、市民に対する米兵の犯罪についてお目こぼしをしたことについて自ら、市民に説明することができないこ分かっていた、すなわち、市民を米国に売った、ということになる。

 外国との交渉についてある程度秘密にして進める必要がある場合があることは理解できる。しかし、それは、あくまでも、自国の市民にとって有利な条件を獲得するためであって、不利な条件を飲むために黙っておくというのは、背信行為だ。

 そして、その背信行為は、沖縄返還時の原状回復費用に関する密約、核密約と続いて行われただけでなく、いままさに、辺野古移転においても行われようとしている。その一環としての、駐米大使の猿芝居だったわけだ。

 しかし、芝居はばれた。

 しかも、大メディアは頼りにならずとも、インターネットという手段を持っている。

 国益に反しても省益を守ろうとする大使らを更迭し、市民を犠牲にする対米追従政策に歯止めをかけるよう新政権に呼び掛けるアクションを起こすべきではないでしょうか?


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中日新聞 問い合わせページ http://www.chunichi.co.jp/reference/inquiry.html
北海道新聞 ご意見メールアドレス  info@hokkaido-np.co.jp


【国会図書館事件に関する既報】
「てえへんだ、てえへんだ…国会図書館が裁判権放棄を裏付ける文書を急きょ閲覧禁止に! 」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/39e42e5f941390a2fe28e0ca6fb7a1dd

「こんなふざけた答弁ができるのも情報の隠蔽を許しているからだ!~対米兵裁判権放棄問題パート2」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/ac950416628c6d095b1eee8ac83eb9df

「裁判権放棄関連資料の国会図書館閲覧禁止処置に沖縄から怒りの声が!」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/798fabbd8af87655749a8b9506481cd3

「斎藤貴男さん、国会図書館裁判権放棄資料閲覧禁止処分取消を求めて提訴!」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5fea6eb575aee34f77337d99efa85c55

「知らしむべからず」が有効な国でよいのか!~対米兵士裁判権放棄密約に怒れ、市民、ジャーナリスト!」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/c38e361ccd1c22ed0bec22533d85a1bf

「国会図書館閲覧禁止事件で国打つ手なし?~次回1月19日11時要チェック」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/792c65274e627925332639fb009d7a90

「国会図書館が米兵らに対する裁判権放棄に関する資料を隠した理由~ひき逃げ死亡事故の遺族らに説明してみよ」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f3d52bb9d63bafb68956773b7b18be93

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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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