アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『映画芸術』434号のアジア映画特集

2011-02-01 | 映画一般

とても個性的な映画雑誌『映画芸術』の最新号、434号(2011 Winter)は、「映芸」ファンの毎年のお楽しみ、「日本映画ベストテン&ワーストテン」特集号です。それと共に今号では、「アジアの境界が消えるとき」という特集が組まれています

映画芸術 2011年 02月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
編集プロダクション映芸

(アマゾンの貼り付け方がよくわかりません。これでいいのかな?)

特集の目玉は、アジア映画の紹介に長年映画祭ディレクターとして関わってきた4人の方の座談会、「転回するアジア/映画」。うーむ、「アジア」と「映画」の間に「/」が入っているのが何やら意味深ですねー。
出席者は、佐藤忠男氏(元アジアフォーカス・福岡国際映画祭ディレクター/日本映画大学学長)、石坂健治氏(東京国際映画祭「アジアの風」プログラミング・ディレクター)、暉峻創三氏(大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)、市山尚三氏(東京フィルメックス プログラム・ディレクター)という、まさに四巨頭(!)。私の尊敬する方々であり、これに宇田川幸洋さんが加われば、「敬愛するアジア映画5人男」の出来上がり。
四巨頭座談会では、いろいろな裏話(暉峻さんの過去が暴かれてる!)も織り交ぜながら、ここ30年ぐらいのアジア映画情勢が俎上に乗せられていきます。それとともに、アジア映画@日本の歩みが語られていくわけですが、年季の入ったアジア映画ファンなら、「私もその場にいたぞ!」「その映画、見たわ」と記憶が鮮明に甦ってくるのは間違いなし。もっと微に入り細にわたって聞きたい~、と思わせられる座談会です。(そんなことしたら、雑誌1冊まるまる座談会になっちゃうでしょうが)

ほかには、「行定勲、アジアのDNAを語る」という行定監督と寺脇研氏の対談や、気鋭の研究者晏〔女尼〕氏の「チャイナのネオ・レアリズモ~映画体制と対峙する作家たち」という論考も。晏〔女尼〕さんの文は、中国の監督王兵(ワン・ビン)と賈樟柯(ジャ・ジャンクー)、婁〔火華〕(ロウ・イエ)とその作品を取り上げたもので、ワン・ビンの衝撃作『溝』について特に詳しく述べられています。『溝』ファン(私です)は必読!

私も「アジア映画と日本~その受容史をさぐる」という拙文を書かせていただきました。ところが拙文は、他の方々の文章に比べて異常に長いのです。なぜかって? それは私が字数を間違えたから(笑)。
編集部からのご依頼は4,000字だったので、「あ、400字詰めで10枚ね」と思ったのが運のつき。「400字詰め10枚」→「10枚」→「パソコン画面で10ページ」と、頭の中には「10」のみがインプットされてしまい、自分のパソコン画面が40字×40行の設定になっていることがすっかり意識から飛んでしまったのでした。
さすがに8ページ目ぐらいで、「なんか書いても書いても規定量に達しないなあ」と首をかしげたのですが、書きたいことがいっぱいあったのでどんどん書き進み、最後は、削りに削ってやっと10枚と200字に収めた~、と大満足で提出したのでした。その後、編集担当のHさん(なかなかにスグレモノ編集者です)から電話がかかってきて初めて間違いに気づき、「えー、私、16,200字書いちゃってたの?!」となった次第。
そんな、文章書いてるんだか、恥かいてるんだかわからないシロモノですが、よかったらお読みになってみて下さい。ちょっと珍しい画像資料も使ってもらってます。

余談ながら、数字は私の苦手とする分野で、字幕のハコ割り(セリフを息継ぎごとに切っていく作業)後の通し番号付けもすっごい苦手。番号が大幅に重複したり、抜けたりと、これは一種の学習障害ではないかと思うほどポカをやります。今回もそのせいかと思うのですが、単に年取ってボケてきただけかも(笑)。
編集担当が心の広い方で、そのままの掲載を許して下さり本当に助かりましたが、我ながら原稿を書くことに飢えているのだなあ、ということも実感。それもあって、原稿の書ける場としてこのブログを始めたわけなのでした。というわけで今しばらく、私の原稿書き筋トレにお付き合い下さいませ。

最後にナゾが一つ。『映画芸術』434号の裏表紙に映画の広告が載っているのですが、なぜかそこにタイ文字が。

 

<『映画芸術』434号裏表紙。カタカナの上がタイ文字です>

「SAUDADE/サウダーヂ」はご存じのようにポルトガル語で「郷愁」。タイ文字も音は「サウダーヂ」になっているのですが、なぜわざわざタイ文字が? 興味のある人は、この映画のHPで答えを見つけてみて下さいね~。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 速報! 大阪アジアン映画祭2... | トップ | 続報:大阪アジアン映画祭の... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (茶通)
2011-02-02 17:54:25
下の方で、リンクを貼っていただいた「香港電影迷宮+blog」の茶通でございます。初めまして(実は毎年香港國際電影節でお目にかかっております。顔とblogが一致していないと思いますが。。)拙blogにこちらのリンクを貼らせていただきます。今後もよろしくお願いいたします。
茶通様 (cinetama)
2011-02-02 19:26:57
ご訪問、ありがとうごさいました。

茶通さんと毎年HKIFFでお会いしている、ということは、あの小柄な楚々とした美人のあの方かしら...。えーっ! 今度3月末にお会いした時には、ぜひご正体をカミング・アウトして下さいませ。香港に行く楽しみが一つ増えました。

リンクを貼っていただき、ありがとうごさいます。私もまた、たびたびそちらに飛ばせていただくと思いますので(ブログ1年生は常時リンクの貼り方がまだよくわからないのです...)、以後都請多多指教!
Unknown (maiko)
2011-02-03 01:14:32
はじめましてcinetamaさん。ブログ開設おめでとうございます。
私は最近インド映画ファンになったのでここで勉強させてもらえたらと思ってます。

>字幕のハコ割り(セリフを息継ぎごとに切っていく作業)後の通し番号付けもすっごい苦手。
私もすごく苦手です。途中で気づいて修正テープを大量に使ってもどっかでダブっているという。
数字を手書きすることに慣れてないんです。。いや集中力がないだけかも。
機会かスタンプでパパパン!と打てたらいいのにと思います。
maiko様 (cinetama)
2011-02-03 10:18:40
ご訪問、ありがとうごさいます。

maikoさんは字幕翻訳者でいらっしゃいますか? ナンバリングの機械でバババン!と打つ、というのはいいアイディアかも知れませんね。プロの字幕翻訳者の方にも数字苦手組がいらっしゃると知って、ちょっぴり安心しました。

もしインド映画の字幕を担当なさることがあったら、固有名詞表記等のチェック、ボランティアでお手伝い致しますのでご連絡下さい。私はヒンディー語しかできませんが、他の言語の専門家の方にもおつなぎしますので。

コメント欄を使ってご連絡いただければ、私だけが見て削除、ということが可能です。他の皆様も、個人的なご用事がある場合は、この方法でご連絡下さいませ。

ではmaikoさん、これからもインド映画にど~ぷりハマって下さいね!

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画一般」カテゴリの最新記事